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グルームブリッジ1830でかすぎ事件
発端は2012年に発表されたある研究でした。アメリカの天文学者タベサ・ボヤジアン氏によって率いられこの研究(2012ApJ...746..101B)は、44個の恒星のサイズを直接測定した先進的なものでした。グルームブリッジ1830もターゲットの1つでした。
研究に用いられた「CHARAアレイ」は、口径1メートル望遠鏡6台からなる望遠鏡群で、カリフォルニア州ウィルソン山天文台の敷地内にあります。目
グルームブリッジ1830と太陽の比較
そもそもグルームブリッジ1830とはどのような天体なのでしょうか?端的に言えば「太陽に似ているけど二回りぐらい小さい恒星」です。グルームブリッジ1830のサイズ・温度・質量などを推定した研究は数多くあります。2020年のKarovicova氏らの研究はその中でも最新のもののひとつです。この研究では干渉法を用いて恒星のサイズを直接測定し、次のような値を得ています。
太陽と比べると、温度が低く、質量
グルームブリッジ1830に関するいくつかの古い研究
グルームブリッジ1830は太陽系近傍の恒星です。天文学者の間で大人気の天体であり、SIMBADデータベースによれば、少なくとも754件の文献がグルームブリッジ1830に言及しています。SIMBADのデータベースでは1850年以降の関連する文献を収集していますが、1983年より前の文献については不完全です。
1901年のキャンベルによる研究SIMBADのグルームブリッジの項目に記載されている最古の