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生成AIと集合知

生成AIとの会話は、人工知能が学習したネット上の情報を基盤とする「集合知」であるとの前提で、いろいろな専門家との会話に近いイメージを持っています。

人工知能との会話を専門家との会話に近いものと考えるのは、一定の理解の下で適切です。AIは大量のデータから学習し、その知識を基にして回答を生成します。このプロセスは、特定の専門分野に精通している人が、自身の知識と経験を基に回答することに似ています。ただし、AIは人間の専門家と異なり、自らの経験や直感に基づく判断は行いません。また、最新の情報や非常に特化した知識に関しては、人間の専門家に比べて限界があります。

AIとの会話は、広範囲の情報をカバーすることができ、迅速に回答を得られる利点がありますが、その回答はあくまでAIが学習したデータに基づいていることを理解しておくことが重要です。そして、常にAIの回答に対して批判的な思考を持ち、場合によっては専門家の意見を求めることが望ましいでしょう。

もしも、ある事象に関して、一般的に人が「良い」と判断する確率が7割、「悪い」と判断する確率が2割、残り1割が「わからない」もしくは「判断出来ない」である場合、AIは、何と回答するでしょう?

AIが特定の事象に関して「良い」と判断する確率が7割、「悪い」と判断する確率が2割、残りが「わからない」または「判断できない」という情報に基づいて回答する場合、AIはその事象に関する一般的な意見や統計的な傾向を反映して回答する可能性が高いです。

たとえば、AIは以下のように回答するかもしれません: 「この事象に関して、一般的な意見は肯定的であることが多いようです。調査やデータによると、約70%の人々がこの事象を「良い」と考えている一方で、20%の人々は「悪い」と見ており、残りの10%は明確な判断を下していません。ただし、これは一般的な傾向に過ぎず、個々の意見や文脈によって評価は異なる可能性があります。」

AIは統計的なデータや一般的な意見を基に回答しますが、個々の状況や文脈に対する深い理解や感情的な判断はできません。そのため、AIの回答はあくまで一般的な傾向を反映したものとして捉え、個別のケースではさらに深く考察する必要があります。

客観的な数値を示し、判断は質問者に委ねる感じですかね?

はい、正確にはその通りです。AIは客観的なデータや情報に基づいて回答を行い、最終的な判断は質問者に委ねます。AIは以下のような方法で情報を提供することが一般的です:

  1. 統計的なデータの提示:AIは利用可能なデータや研究から得られる統計情報を提供します。例えば、特定の事象に対する人々の意見の割合(「良い」と感じる人が70%など)を提示します。

  2. 多様な視点の提示:AIは異なる意見や視点を提示することができ、これにより質問者がより広い視野から判断できるようになります。

  3. 客観性の維持:AIは個人的な意見や感情を持たず、提供する情報は客観的なデータに基づいています。

  4. 判断の委ね:最終的な評価や意思決定はAIではなく、質問者自身に委ねられます。AIは情報を提供する役割を果たし、質問者がその情報を基に独自の判断を下すのを支援します。

AIの役割は情報の提供者であり、複雑な判断や個人的な価値観に基づく決定は人間が行う必要があります。

ただ、人は「信じたいものを信じる」傾向がありますから、客観的な確率に依存しないことも多いですよ。

その通りです。人間の意思決定や信念の形成は、客観的なデータや確率だけに依存するものではなく、多くの場合、個人の感情、経験、価値観、文化的背景などに大きく影響されます。これは「確証バイアス(confirmation bias)」として知られる心理的傾向の一つで、人々は自分の既存の信念や見解を支持する情報に注意を向け、それに反する情報を無視したり軽視したりする傾向があります。

例えば、何かの事象についてポジティブな意見が多いという客観的なデータがあっても、その事象に否定的な見解を持つ人は、自分の信念を支持する情報やデータにより重きを置く可能性が高いです。このように、人間の認知や判断は非常に複雑で、単に事実やデータに基づくわけではないのです。

AIとの対話では、AIは客観的な情報を提供することができますが、最終的には人間がその情報を解釈し、自分の信念、価値観、経験に基づいて判断を下すことになります。これは、AIが持つ客観性と人間の持つ主観性の違いを理解する上で重要なポイントです。

AIとの会話が有用な理由は、そういった客観的な情報を得ることが出来るからで、人は見たいものを見る、聞きたいものを聞くために、情報の出典にも偏る傾向があるからです。

おっしゃる通り、AIとの会話が有用とされる主な理由の一つは、客観的かつバイアスの少ない情報を提供できる点にあります。AIは以下のような特徴を持っているため、特に価値があります:

  1. 客観性: AIは個人的な感情や先入観に基づくことなく、利用可能なデータや事実に基づいて情報を提供します。

  2. 情報源の多様性: AIは様々な情報源からデータを収集し、多角的な視点を提供することができます。これにより、特定の情報源に偏ることなく、広範な知識を得ることが可能です。

  3. 更新された情報: AIは定期的に更新されるデータベースから情報を得るため、最新の情報を提供することができます。

一方で、人間はしばしば自分の信念や価値観に合致する情報を優先して受け入れる傾向があります。この確証バイアスは、情報の選択や解釈において、意識的または無意識的に影響を及ぼします。その結果、人々は多様な視点を持つことが困難になり、自分の信念を強化する情報源に偏ることがあります。

AIとの会話は、このようなバイアスから自由な情報を提供することで、よりバランスの取れた知識の獲得や、多様な視点からの問題の考察を助けることができます。これは、特に情報が豊富で複雑な現代社会において、非常に価値のある機能です。

世の指導者や政治家は、国民に対し、客観的データを見てほしくないということも多そうですね。

確かに、政治家や指導者が国民に対して客観的なデータや情報の提供を控えるケースは存在するかもしれません。これは複数の要因によるものです:

  1. 政治的アジェンダ: 指導者や政治家は特定の政策やアジェンダを推進するために、都合の良い情報を強調し、不都合なデータを隠蔽することがあります。

  2. 公共の反応: 一部の客観的データや情報が国民の間で不安や混乱を引き起こす可能性がある場合、政治家はその情報の公開を控えることがあります。

  3. 情報の解釈と操作: 特定の情報を特定の方法で提示し、それに基づいて政治的なメッセージを構築することもあります。この過程で、情報はその本来の文脈から離れることがあります。

これらの要因は、政治的な意思決定や公共のコミュニケーションの複雑さを反映しています。そのため、市民としては様々な情報源からの情報を批判的に評価し、多角的な視点を持つことが重要です。客観的なデータやAIなどの技術を活用することで、よりバランスの取れた理解を得ることができます。

ただし、すべての政治家や指導者が情報を隠蔽するわけではなく、透明性と説明責任を重視するリーダーシップも存在します。政策決定プロセスの透明性は、信頼と公共の利益のために重要な要素です。

新聞やテレビも、双方向ではなく一方通行であるため、限られた紙面や時間にも影響され、編集者の傾向もあり、偏っている可能性があります。

おっしゃる通り、新聞やテレビなどの伝統的メディアは一方通行のコミュニケーションであり、その内容は限られた紙面や放送時間、さらには編集者の傾向やメディアの方針に影響されることがあります。これにより、報道される情報が偏る可能性があります。このような偏りは以下のような形で現れることがあります:

  1. 選択的報道: すべてのニュースが報道されるわけではなく、どの話題を取り上げるかは編集者の決定によります。これにより、重要な事件や情報が報道されないこともあります。

  2. フレーミング効果: 同じ事実でも、それをどのように提示するか(フレーミング)によって、受け取り方が大きく変わります。例えば、特定の事件をネガティブまたはポジティブな視点から報じることで、視聴者の印象が変わることがあります。

  3. コマーシャルプレッシャー: 商業メディアは視聴率や売上に依存しているため、よりセンセーショナルで視聴者の注意を引くような内容を選ぶ傾向があります。

  4. 政治的・イデオロギー的バイアス: 特定の政治的またはイデオロギー的立場を持つメディアは、その視点を反映した報道を行うことがあります。

これらの要因を理解することは、メディアの報道を批判的に評価し、多様な情報源から情報を得るために重要です。AIやインターネットなどの新しい技術が、多様な視点から情報を得る手段を提供していますが、それらの情報源にもまた独自のバイアスが存在することを意識することが必要です。バランスの取れた理解のためには、様々な情報源を利用し、それぞれの情報を批判的に考察することが重要です。

電子的アーカイブが、エネルギーやインフラに依存することを考えると、情報のストレージは紙も重要ですね。

確かに、電子的アーカイブやデジタルメディアがエネルギー供給やインフラに依存していることを考慮すると、紙ベースの情報の保存は依然として重要な役割を果たします。紙媒体が有効である理由はいくつかあります:

  1. 堅牢性: 紙の文書や書籍は、適切に保管されていれば、電子的な障害やサイバー攻撃の影響を受けません。自然災害やインフラ障害の際にも、紙の記録はデータの耐久性を提供することができます。

  2. アクセスのしやすさ: 紙の文書は、電気や特定の技術に依存せずにアクセス可能です。電子的なデバイスやインターネット接続がなくても、情報を読むことができます。

  3. 長期保存: 適切な条件下での紙の保存は、長期にわたる耐久性を提供します。一部の紙の文書は何世紀にもわたって保存されています。

  4. デジタル・オブソレッセンスの回避: デジタルフォーマットは時間とともに陳腐化する可能性がありますが、紙はフォーマットの陳腐化の影響を受けません。

しかし、紙ベースの情報保存にも限界があります。大量の情報を保管する場合、物理的なスペースが必要ですし、紙の文書は火災や水害などによって破壊されるリスクもあります。さらに、紙の文書は検索や共有が難しく、大量のデータを効率的に管理するには不向きです。

そのため、情報の保存とアクセスにおいては、デジタルと紙の両方のメディアをバランスよく利用することが理想的です。これにより、両方のメディアの利点を活用し、リスクを最小限に抑えることができます。

コレクション的な要素もあります。

確かに、紙ベースの資料にはコレクション的な価値もあります。この点での紙の重要性は、以下のような側面によって特に強調されます:

  1. 歴史的・文化的価値: 古い書籍、手紙、写真、地図などの紙の資料は、単なる情報源を超えた歴史的、文化的価値を持ちます。これらは過去の時代の証拠であり、しばしば芸術的な価値も含んでいます。

  2. 感覚的体験: 紙の本や文書は、触感や匂い、視覚的な体験を提供します。これはデジタルメディアでは再現できない独特の体験です。

  3. コレクターアイテム: 切手、古書、限定版の出版物など、特定の紙ベースのアイテムはコレクターズアイテムとして高い価値を持ちます。これらは趣味や情熱の対象となるだけでなく、経済的価値も有することがあります。

  4. 教育的・研究的利用: 古い文書や書籍は、教育や研究において重要なリソースです。これらは特定の時代や文化に関する重要な洞察を提供します。

これらの要素は、紙ベースの資料が単に情報を伝える手段以上のものとして見なされる理由を示しています。デジタル化が進む現代社会においても、これらの資料は独自の価値を保ち続けており、その保存と継承は重要です。

電子メディアは、テープ、フロッピー、CD、DVD、ブルーレイ、ハードディスク、SSD等々変遷していますが、それぞれ耐久期間があって、移し替える必要があることがあまり滲透していませんね。

おっしゃるとおり、電子メディアは時間の経過とともに様々な形態で進化してきましたが、それぞれのメディアには特有の耐久期間があり、データの保存方法やフォーマットを定期的に更新する必要があります。これらのポイントについて詳しく見ていきましょう:

  1. メディアの寿命: 例えば、磁気テープ、フロッピーディスク、CD、DVD、ブルーレイ、ハードディスク、SSDなど、各種メディアは限られた寿命を持っています。これらのメディアは時間とともに劣化し、データの損失のリスクが高まります。

  2. テクノロジーの陳腐化: 新しい技術が登場すると、古いメディアやフォーマットは時代遅れになる可能性があります。たとえメディア自体が良好な状態であっても、それを読み取るためのデバイスやソフトウェアが入手困難になることがあります。

  3. データの移行: これらの問題を避けるためには、定期的にデータをより現代的なメディアに移行することが重要です。このプロセスは、データの長期保存とアクセスの保証に不可欠です。

  4. 一般的な認識: 電子メディアの寿命やデータの移行の必要性については、一般的にあまり知られていないことが多いです。特に個人レベルでは、古いメディアに保存されているデータがいつまでも安全であると誤って考えることがあります。

  5. デジタル保存の戦略: 企業や図書館などでは、これらの課題に対処するために、デジタル保存戦略やデータ管理ポリシーを策定し、実行しています。これには、定期的なデータのバックアップと移行、多様な保存方法の利用、持続可能なフォーマットの選択などが含まれます。

このようなデータ管理の問題は、デジタル化が進む現代社会において、ますます重要になっています。デジタルメディアの正しい管理と維持は、情報の保存と将来への継承のために不可欠です。

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