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ノスタルジーを取り戻すような商品やサービス

人はノスタルジーが好き


カーペンターズの「青春の輝き」や「スーパースター」って割と好きな曲です。
美しくて儚げな、カレンの声。
そして切なくなるメロディ。

AMラジオって、あまり聴かないですよね。
でもボクはけっこう聴いています。
通常は東京のFM「J-Wave」を聞いているのですが、時間帯によっては、AMラジオ聴きます。
NHK第一放送
TBS
文化放送
たぶん50歳以上の人は、深夜放送をAMラジオで聴いていた世代なので、今でもそのまま聴けるのかもね。

中学1年生の頃、深夜放送を聴き始めた。
なんだか、大人の仲間入りをしたような、そんな気持ちになった。
眠いのをがまんして、トランジスタ・ラジオをチューニングしてイヤホンから流れる、洋楽やフォークを聴いていた。
深夜にどこかと、誰かとつながっている・・・
それがとっても新鮮な気持ちだった。
夜明け前の暗い部屋で、夢うつつの時に流れた曲。
眠気もすっかり覚めてしまうほどの美しい声。
それがカーペンターズの『スーパースター』だった。
この曲の前奏を聴くたびに、あの頃の空気を思い出す・・・。

人はノスタルジーに浸ることで、ひと時の心の安らぎや、癒しを得るものなんだと思う。
そして、また自己再生して、今に生きる。

でも、テクノロジーの進化、SNSの日常化、手のひらの中のスーパーコンピューターによって、僕たちは常に「現在」を生きることを強いられている。
おびただしい量の「今」の記録。
SNSで流れてくる画像。
進化の早い最新のテクノロジー。
ノスタルジーに浸る時間が失われていくのだ。

マーケティング的な視座で思考し計画するのなら、現代人が失ったノスタルジーを取り戻すような商品やサービスを求めている人が、潜在的にたくさんいるんじゃないかな。

人は不確定な未来より、ノスタルジーを取り戻せる過去が好きだから。
「ノスタルジー普遍の法則」です。

レトロな雰囲気の店舗デザインやグラフィックデザイン。
昭和の商店街を思い出させるような街。
デジタルではなく、あえて紙を使ったポイントカードやショップカード。
さまざまな物事にノスタルジーの要素を入れてみると、面白い展開になると思うのです。

深夜放送で流れてきた、カーペンターズの曲を聴きながら思っていたのは、概ねそんなこと。

カーペンターズなんて、軽く、甘いだけの音楽。
そう思うかもしれない。
でも、世界中で1億枚も売れている。
それだけ指示され、今も聴かれ続けている。
たしかにちょっと甘すぎるきらいがあるかもしれない。
でも、なんだかんだ言っても、無条件で聴いてしまう。

結局のところ、世界に恋をするというのは、そういうことなのかもしれない。

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