社員がやる気をなくす原因は○○だった! ~「組織の経済学」的解決法~
★はじめに★
こんにちは! みどりって名前だけど、黄色が好きなみどりです😄笑
この記事は、何らかの「組織」に所属し、その運営に携わっている皆様に向けて「組織の経済学」の理論をご紹介すべく執筆しているものです!
特に、今回は「社員さんのやる気がなくなってしまう」ことに焦点を当てて、その構造や原因を理論的に探っていきます!!
🌱組織の経済学とは🌱
そもそも「組織の経済学」とは、「企業組織を分析対象にした経済学の応用分野」のことです。
ゲーム理論や数理モデルを使って、入り組んだ組織現象を理論的に分析しています。
「うーん、なんか難しそう…」と思われたかもしれませんね…
「でも大丈夫!」
私も難しい理論や数学が大の苦手なので、簡単な理論や数値例を使って、「直観的にわかりやすく」説明していきます。
(数学は、割り算と引き算しか使いませんよ😄)
もやもやっとした疑問を「組織の経済学」を使って、すっきりさせちゃいましょう!
🌸チーム生産🌸
まず、「組織の中で働く」という状況を単純化するために、チーム生産と呼ばれる二人のメンバーによる共同作業の問題を考えていきます。
二人のメンバーは、この仕事を「努力する」か「怠ける」かを選択出来て、この二人が選択した行動の組み合わせに応じて、チームに収益が実現するとします。
そして、実現する収益が次のようだったとします。
①二人とも努力した時:10万
②一人だけ努力した時: 6万
③どちらも怠けた時 : 2万
「努力する」のは大変なので、個人に対してコストが3万かかり、「怠ける」ならコストは0万だとしたうえで、収益を二人で平等に分配するケースを考えます。
①二人とも努力した場合、収益の10÷2=5万から、努力したコスト3万を差し引いた「2万」が、一人当たりの取り分です。
②一人だけ努力した場合は、収益の6÷2=3万から、「努力した」人は、コスト3万を負担するので「0万」、「怠けた」人は、コスト0万なので、そのまま「3万」を受け取ります。
③どちらも怠けた場合、お互いコストはかかってないので、収益の2÷2=1万をそのまま受け取った「1万」が取り分になります。
👻囚人のジレンマ👻
文字でごちゃごちゃ書いていてもわかりずらいので、図にしてみましょう。
▲メンバー1の報酬 (左側の数字)
相手(メンバー2)が「努力した」場合と、「怠けた」場合に分けて、自分の取り分を見てみると…
①メンバー2が努力 →自分も努力:2、自分は怠ける:3
②メンバー2が怠ける→自分は努力:0、自分は怠ける:1
▲メンバー2の報酬 (右側の数字)
相手(メンバー1)が「努力した」場合と、「怠けた」場合に分けて、自分の取り分を見てみると…
①メンバー1が努力 →自分も努力:2、自分は怠ける:3
②メンバー1が怠ける→自分は努力:0、自分は怠ける:1
つまり、相手が努力しても怠けても、自分は怠けるを選んだ方が、自分の取り分は大きくなっているんです!!
これをお互いが事前に予測したとすると、二人とも「怠ける」を選択しちゃいますよね!!
実はこれこそが、もはやゲーム理論の代名詞のように語られる「囚人のジレンマ」という構造です。
そして、これが多くの組織で起きてしまっているから、この構造に気づいた「ある意味かしこい(普通か?)社員さん」のやる気がなくなっていってしまうんですね。
「努力しても報われない…」
確かに悲しいし、むなしいですよね。
この「悲しくむなしい」構造から抜け出すための工夫が、組織の経済学の理論の中には、いくつかあります。
次の記事では、その方法について紹介していきたいと思います~😊
👇続きはこちら👇
🌻参考🌻
この記事で扱っている内容は、私も大学で愛用中の教科書
『組織の経済学』(伊藤秀史・小林創・宮原泰之)
有斐閣(2019)
の内容を参考にしています!
👇ご興味がある方はぜひ、こちらもご一読ください👇
http://www.yuhikaku.co.jp/books/detail/9784641165502