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【Beat】拍と音符の関連性

前回までは拍の感覚についての考察でしたが、今回からは音符を意識した話に移行していきます。

拍≠4分音符

筆者は「拍と4分音符は同義ではない」と考えています。なぜなら拍は全身で感じるリズムであり、~音符はそのリズムに乗せて発せられる音であるから。つまり拍を基準に表現されたリズムが4分音符だったり8分音符だったりするということです。「拍と音符」の概念を区別できるようになりましょう。

拍を根底に演奏していくことでその拍感に基づいたニュアンスがリズム表現に含まれるようになり、聞き手にも拍感を与えます。

4/4拍子について

先の話と矛盾するかもしれませんが4/4拍子は4分音符が拍になります。

「えっ?」ってなりますよね(笑)だから混同しがちなのです。楽譜とは紙面でメロディやリズムなどの音楽的要素を表現するものですので紙面にまとめるために整理するには何かしらのルールが必要になります。4/4拍子は「4分音符4つを基準としてリズム表記をします」という指定ですので、基準として拍と4分音符が共通しているということになります。

2分音符や8分音符だって拍になりえる

楽譜において、どうにかフィーリングを伝えようとすることで生まれたユニークな拍子があります。例えば2/2拍子。俗にin2(イン・ツー)ハーフ・タイムと呼ばれこれは同じ2拍子である2/4拍子とは異なるニュアンスで表現されます。2分音符を基準に、つまり2分音符が拍として機能していることを指しています。ここで大事になってくるのがまたしてもアップ・ダウンなのです。

拍感とはアップ・ダウンである

前回の内容を少し補足するとアップ・ダウンには重力が関与しているのでダウンには「重さ」や「着地感」を感じます。前回の内容で表拍や強拍だとニュアンスを伝えきれないと書きましたのでここでは表拍のことを「ダウン拍」と呼びます。(裏拍はアップ拍

このことを念頭に置くと、4/4拍子は4分音符の周期的なリズムでダウン拍がくるということです。(シンコペーションは除く)そして2/2拍子は2分音符の周期でダウン拍がくることになります。それらに当てはまらないタイミングはすべてアップ拍と捉えて支障ありません。

面白いのが拍子というのはダウン拍の中にもアップ・ダウンを作ることであるということです。私は学生時代、吹奏楽部でよくクラシックを演奏していましたがそのころに「強・弱・中強・弱」で4拍子だと教わりました。当時はただ言葉通りにしか捉えていませんでしたが、ダウン拍においての「重さ」の感じ方に言及するならば「重・軽・ちょい重・軽」という感じでしょうか。

そしてポピュラー音楽の多くは「バック・ビート」と呼ばれるリズム感で演奏していきますのでこの順番が変わってくると考えていますが、そのテーマについてはまた別の機会で。

ダウン拍(Down Beat)とアップ拍(Up Beat)

話を戻すと、2分音符がダウン拍ということは「4分音符のアップ拍」が現れるということになります。これは4分音符での「8分音符のアップ拍」と同義です。譜面としての表記が異なるだけでリズム感としては同じものだということです。

もっと掘り下げると

2分音符がダウン拍の8分音符と
4分音符がダウン拍の16分音符は同じリズム感である

ということです。つまり楽譜は何音符を基準にして書くかで随分と表記が変わってくるということになります。楽譜は音の高低や長さ、強弱、リズムの細分化、他にはアーティキュレーションなど多くの情報を記載する事ができますがリズムのアップ・ダウンは表記しないため奏者に解釈は委ねられるのです。このことから、こういった拍についてのノウハウを知らぬまま譜面とにらめっこしてもリズムの本質にたどり着かないことが分かりますね。

リズム感を養うのに楽譜は必要ない

他者に音楽的表現を音以外で伝える共通言語としての楽譜は機能しています。楽譜が読めることや書けることはミュージシャン同士のコミュニケーションを円滑にすることであるのは言わずもがな、プロミュージシャンになるには必修科目です。

ただ、リズム感を養うこととそれは全く別次元であるということです。アマチュアのミュージシャンで楽譜が読み書きできなくても上手くアンサンブルできたりします。私には楽譜どころかまだ文字すら正しく読めない幼い子供もいますがその子も私とよくリズムを合わせて歌ったり踊ったりできます。リズムとはそういう感覚的なものであるべきで、感覚は感覚のまま研ぎ澄ました方がよいし、感覚のまま伝えた方がよいと考えています。どんなに頭で理解しても体で覚えなければ意味がないので、必要以上の理論的解説は必要ないというのが私の考えです。

今回も最後までご覧いただきありがとうございました!



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