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火星のキホン 〜いつか火星に住むかもよ〜

今年は火星がアツい!!10月6日に火星と地球の距離が短くなる「火星の最接近」が起こります。この天文現象は、2年おきに発生します。そのため、天文学者の方や天体観測が好きな方など宇宙に関わる多くの人が注目しているのです。この記事では「火星のキホン」を2つの視点から紹介します。

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1.火星の全体像

火星は、太陽系の4番目(水星・金星・地球・火星)の惑星です。大きさは太陽系の中で2番目に小さい惑星として知られています。さらに詳しく観測すると、地球では北極に当たる部分にドライアイスが堆積した地形があります。そして、火星には非常に薄い大気があったり、地球と同じく季節が存在します。驚くことに、大昔、火星は地球に似たような惑星だったと見られています。生命がいたという可能性もゼロではありません。加えて、人類が移住できる惑星としても注目を浴びています。しかしながら、火星にはまだまだ解明されていないことが数多くあります。では、いくつかのポイントから火星の全体像をみていきます。

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ポイント①:火星の大気= 二酸化炭素
火星には非常に薄い大気があります。その成分はほぼ二酸化炭素です。すぐに太陽からの熱を逃してしまいます。そのため、気温は最高でも約20度、最低で約−150度です(もし、火星に住むことになったら、この温度差はどうやって解決するんだろ。。。)。驚くべきことに、火星では砂嵐が発生します。そのほかにも台風や竜巻、冬になると霜(!!!!)が観測できます。

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ポイント②:火星の表面と地形= 太陽系最大の火山と谷(ケタ違いやで!)
肉眼で火星を観測すると、わずかに赤みがかった色を発しています。また、望遠鏡で地上からその姿を見ると、はっきりと火星の地表が赤いことがわかります。これは、地表が酸化鉄を多く含む岩石で成り立っているからです。火星のある地点を掘り下げると、ドライアイスのようなものが出てくる場所もあります。

そして、火星には2つの「太陽系最大」があります。火山と谷です。


1 オリンポス山
  かつて火山だった地形で、写真でもその火口は確認できます。
  その標高は27km。(エベレストは8km)

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2 マリネリス峡谷
  火星の赤道付近にある。全長約4000km。深さは10km。

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ポイント③:火星の衛星= フォボスとダイモス

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火星の衛星(地球の場合、月)は2つあります。フォボスとダイモスです。どちらの衛星も約10km程度で非常に小さく、近くにあった小惑星が火星によって引きつけられ、衛星になったようです。日本では、フォボスに着陸し、砂を地球へ持ち帰るサンプルリターン計画「MMX」があります。(あまり知られていませんが、成功したら世界初のミッションになるので、いろんな方に知ってもらいたい!!!!)

(MMXのwebサイト、めっちゃかっこいいのでぜひクリック!!)

※火星についてさらに詳しく知りたい方は、以下のページを読んでみてください。

※地球と火星の比較

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(出典:https://www.emiratesmarsmission.ae/gen-mars/about-mars)

2.火星探査

火星に探査機を送ることは宇宙開発の初期から行われました。初めて火星に探査機を投入したのは、アメリカです。ちょうど同じ時期に旧ソ連も火星へ探査機を打ち上げましたが、大部分は失敗に終わりました。それでも、やっとのことで軌道に探査機を投入します。火星探査は非常に困難なミッションであることがよく分かります。今、火星に探査機を送ることに成功した国は、世界でもアメリカ、ロシア、ヨーロッパ、インドの4カ国のみです。


火星探査機には3つのタイプがあります。軌道周回型、ランダー型、ローバー型です。ミッションの目的にあったタイプの探査機が火星へと旅立ちます。

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まず、軌道周回型は、人工衛星のように火星をぐるぐる周り探査します。上空から写真を撮影したり、様々な観測機器を使うことで火星の全体像を知ることができます。また、火星の大気の調査をすることもできます。

そして、ランダー型は火星の地面に着陸し、その場から動かず探査します。例えば、アメリカの「バイキング」や写真の「インサイト」が挙げられます。インサイトは、火星で地震が起きていることを発見したことで有名です。

最後に、(最も人気の)ローバー型です。ランダー型とは異なり、火星に着陸し、車輪を使って地表を動きまわります。主に、火星の地表を調べることが目的です。有名なローバーは、アメリカの「キュリオシティー」や「オポチュニティー」で、非常に多くの観測結果を残しています。

これら3つの型の探査機が研究することによって、火星の正体が次々と明らかになっていきます。それでは、なぜ私たちは火星探査をするのでしょうか?以下の記事を読んでみてください。これは、アメリカの有名な科学者カール・セーガン博士が考察したことです。ここまで読んできてくれた方なら、理解できると思います。

まとめると、
・火星の環境から「地球」の環境変化を理解、予測する
・火星における生命の痕跡を探す
・国際協力を実現する場
・火星の資源利用を目指す
・有人宇宙滞在の研究

ということが挙げられます。とにもかくにも、私たち人類が火星にいくことのメリットは非常に大きいです。今後も、様々な探査やひょっとしたら有人火星探査計画も具体的に出てくると思います。まだまだ期待です。


ここまでお読みいただきありがとうございます。やっぱり好きなことを書くとどうしても分量が長くなるのは仕方がないことなのでしょうか。7月は火星探査機発射ラッシュです。まだまだ驚くべきミッションもあります。

ではでは、またお会いしましょう。


画像:NASA

参考ページ

https://www.emiratesmarsmission.ae/gen-mars/about-mars




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