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自分の「宇宙像」を持って、宇宙と関わる

宇宙を知ると 人間が分かる 命がわかる。

これは、僕が起床から就寝までずっと宇宙のことを考えて生活していた時にふと思いついたフレーズだ。僕にとっては一種の目標や目指すところを表したフレーズで、宇宙開発の意義などを考える時にベースとなることだ。

ところが最近、僕が考えついたフレーズに似たタイトルが付けられた本を読んだ。宇宙飛行士の野口聡一さん、ミュージシャンの矢野顕子さんが対談!し、それを宇宙ライターの林公代さん!!!!が対談形式にまとめた『宇宙に行くことは地球は知ること』という本だ。林公代さんの本は、僕も幼稚園生ぐらいの時から市立図書館で何度も何度も借りて読んだ記憶がある。その本も「宇宙日記」という確か野口聡一さんとの共著だった気がする。

さらに野口聡一飛行士といえば、民間の宇宙船「クルードラゴン」に搭乗して国際宇宙ステーションへ向かい、滞在している。僕も、野口さんがスペースXの「クルードラゴン」に乗って宇宙へ行く様子を見ることができるのを何ヶ月も前から楽しみにしていた。

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野口さん、宇宙へ

野口さんが宇宙へ旅立つ週、大学一年生の僕は、大学での用事があって人生で初めて一人暮らしをした。母親は実家へ帰ってしまった。ご飯も作るし、風呂も入れないといけない。そんな状況だった。当然だが、朝起こしてくれる人もいない。

野口さんがいよいよ宇宙へ向かう日。いつも通り、スマートフォンの目覚ましで起きた。YouTubeを開くと、すでに野口さんが写っていた。布団の中にいながら、興奮で背中がゾワっとしたのを覚えている。だが、僕はそこでまさかの「二度寝」という睡眠の中では最も気持ちの良いことをしてしまった。「やばい!!」と思って起きると、部屋には太陽の光が差し込み、スマホを見ればファルコン9の第一段が地球へ帰還していた。「うわ。。。。。宇宙好きとしてあり得ないわあ。。」かなりテンションが下がった。

ロケットは、エンジンから炎を吐き出して、宇宙へ一直線に飛んでいく時が一番カッコいい。それを見逃した僕は、かなりショックだったのだ。

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人間の力

ロケットや宇宙船、国際宇宙ステーション。さらには、人工衛星や人間を守る宇宙服。これらを作っているのは、全て「人間」だ。矢野顕子さんは、NASAの宇宙センターに行ったり、コントロールセンター、国際宇宙ステーションの模型を見て

宇宙に行くための「人間の力」を感じました。(53)

と言っている。また、宇宙は

死の空間であり、人間はかなり無理をして宇宙にいっているわけです。(210)

と。確かに宇宙は人間にとって非常に危険な場所で、下手をすると命を奪われる場所だ。でも、人間は、あえてそこに行くために、多くの人が同じ方向を目指して活動しているのだということを思い出させてくれた

そういえば、私をここまで宇宙開発の沼に引き込んだ「ファースト・マン」という映画がある。この映画は、人類で初めて月面着陸をしたアポロ計画とニール・アームストロング氏を描いた作品だ。その映画のシーンで、宇宙開発の初期に宇宙船に搭乗し、地球の重力圏を抜け出す場面がある。宇宙船は、ガタガタ物凄い音を立てて宇宙へ行く。あのシーンを見た時に、宇宙飛行士は「死」を伴う仕事で、危険な職業だと臨場感を持って感じた。

では、どうしてそこまでして人間は宇宙に行くのだろうか。

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人間が宇宙に行く理由

この本の中には、両氏の考える「宇宙へ行く理由」や「宇宙開発をする理由」が出てくる。

野口さんは、

宇宙に行くことは人類の可能性を広げること、自分が生きている証として挑戦した結果を子供たちに見せたい。次世代に繋げたいと思ったのです。(68)

矢野さんは、

宇宙開発は地球から遠く離れることだけが目的ではなく、地球の私たちのためになり、そして太陽系の地球という星に住んでいることの素晴らしさを再認識するための活動(211)

だと両氏はいう。

これには私も全くの賛成だ。でも、私の考えはちょっと実利的だ。宇宙開発は生活を豊かにし、暮らしやすいものへ変えてくれる。例えば、僕は一人暮らしをスタートしていくつもの宇宙開発の恩恵を受けた。それらは主に宇宙開発の技術を応用して作られたものだ。フライパンのテフロン加工浄水器Google Mapなど。そして、何よりもインターネットだ。インターネットがなければ、大学生は授業も受けることができない。宇宙開発ないところに、現代の生活なし、だ。

宇宙と人間、僕らはどう関わっていくべきか?

宇宙が注目される現在。一方で、中には「宇宙って難しい」と感じたり、「自分とは関係ない」と考える人もいるだろう。この風潮を野口さんは、

宇宙は技術的には近くなっているけれど、心理的には遠くなっているという「アンビバレント」な対象になっているのです。(252)

と表現する。

また、中高生が進路を決める時に「宇宙を研究するなら、理系!!!!!!!」という考えが一般的だ。それは僕もそうだった。でも、これらの考えを少しずつ変えていきたいというのが僕の願いであり、やるべきこと、さらにいえば使命だと思っている(=少々言い過ぎか笑)。

矢野さんは、宇宙を知ることを次のように解釈する。

数学や物理の知識がなくても、宇宙を知ることで世界の見方や日々の気持ちの持ち方が変わります。(94)

宇宙をこうやって考えること、ものすごく重要だと思う。宇宙は特別な場所じゃない。誰もが知ることができる場所で、世界や自分との関わり合い方を少し変えてくれる。。。さらにそんな状況を野口さんは次のように語る。

誰でも宇宙を語っていいし、誰でも宇宙に行きたいなあ、って夢を持っていい。宇宙はわくわくする世界で、誰にでも開かれていて、思っているより近くあって、みんながそれに気づいてくれるのを待っている。そんな宇宙像って、すてきだと思いませんか?(254)

うん、素敵だ!!僕もいつかこんなこと言ってみたい。そして、こういう感覚を大切にしていきたいし、どんどん広めていきたい。

矢野さんは、「宇宙」という場所について

男性も女性も性差なく楽しみ、活躍できる場所(4)

だという。これからは今よりも、もっともっといろんな人が宇宙へ行き、楽しむだろう。僕みたいな車椅子の人にもそういう機会が欲しい。うん。

僕は、日々いろんな人が持つ「宇宙って難しいよね?」という思いや「なんで大金を使って宇宙開発するの?」という疑問を少しずつプラスの方向へ変えていきたい。そのために、自分の中に「宇宙像」を持って生きていきたいと思う。「宇宙像」は、人によって違うし、答えはない。僕にとっての宇宙像ってなんだろう。

みんなが自由に宇宙について思いを馳せて、夜空を見上げる。そんな世界になったらいいな。

最後に、僕にとって永遠課題である「なぜ人は宇宙へ行くのか?宇宙開発をするのか?」という一つの答えを矢野さんの発言から引用して締め括りたい。

宇宙へ飛び出すことは、つまり地球を知ることであり、人類に貢献すること(236)

写真:NASA/SpaceX

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