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独創的な思考法 読書ノート#12

あと少しで大学生活が始まる。こんな世の中でどうなってくるか分からないが、とりあえず上京するつもりだ。よく考えてみれば、あと三週間くらいで大学の講義が始まるのだ。私は「講義」が楽しみだ。しかし、高校生みたいに何でもかんでも繰り返し、覚え、点数を叩き出すことはそんなに重要ではないようだ。そもそも自分で問題を設定して、深く掘り下げていく作業、それが大学の学びだろう。

「思考の整理学」は、私が小学6年生から中学へ進級する春に購入。まだ、よくわからず、何度も挫折をした。理由は「早すぎた」からだ。今回の読書では、自分が論文やレポートを書く時に、どのように誰も考えつかないようなアイデアを出せるかということを知りたく、この本を読んだ。

「思考の整理学」は、1983年に初出であるから今から約35年前に書かれた。しかし、最終章「コンピューター」という文章はまるで今の世の中を言い当てているような主張であった。ここ数年間でいきなり入試改革が行われて、考える力だなんだと言われてきたが、学者の方々の中では30年前にすでに憂慮していたわけだ。

これまでの知的活動に中心は、記憶と再生にあった。記憶は人間にしかできない。優れたのものと考えてきた。しかし、ここ数十年来、しだいに大きく、記憶と再生の人間的価値が揺らぎ始めた。コンピューターという機械が出現したからである。人間は機械を発明して、これに労働を肩代わりさせてきた。機械は召使いで、人間が思うように使いこなす。ただ、これからの人間は、機械やコンピューターのできない仕事をどれくらいよくできるかによって社会的有用性に違いが出てくることははっきりしている。(途中略・改変)

今回は、「思考の整理学」を読んで、私が論文、レポートを作成するときや授業を聞く時に心がけたいことをこの本から読み取ってみた。

1・「なぜ」を問うこと。

大昔古代ギリシアの科学的発見が多かったのは、「なぜ」という疑問が多かったからに違いない。比べて、現代の社会は、様々な謎が解決された上にインターネットやスマートフォンの発達で知りたいことがすぐ解決できるようになった。つまり、「なぜ」と発問してから「わかった!」と思うまでの時間が人類始まって以来短い。そんな時代だからこそ、大学での学びでは、読書中や講義中に「なぜ?」と既存の知識でも頻繁に自分に問いかけ、新たな発見をしていきたい。

2・独創を生み出す

誰も考え付かなかったようなアイデアを思い付くには、すでに存在する最も遠い分野同士を結びつけることが大切だ。すでに発想されているが、「宇宙✖︎美術」「宇宙✖︎音楽」「宇宙✖︎Apple」など。
また、情報のメタ化も必要だ。賛成できるアイデア、反対できるアイデア、自分のアイデアがあった時、どれか一つについて述べるのではなく、どの意見も折衷させて述べた上で自分の意見を表明していくのが良い。

3・アイデアは寝させる

思いついたアイデアはすぐに口に出したり、表現したりしてはいけない。一回寝させるのである。例えば、食べ物にはある良い菌をつけることで「発酵」させて、身体に良質な調味料や食材に変化するものがある。つまり、アイデアもいったん発酵させることによって良質化するのだ。しかし、アイデアの発酵に必要な「菌」は、先ほども述べたような、すでに存在するもので最も遠い分野の事柄なのだ。


小学生の時に購入した本が今こうして役に立つとは思わなかった。今の私にとっては、バイブル的存在だ。私が文章を書く時に、最も重要としているのは、本書文中にあった次の文言である。

平面的で量的なまとめではなく、立体的、質的な統合を考える

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