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アメリカのロケットで アメリカの土地から アメリカの宇宙飛行士が ついに 飛び立つ!!! 人間のための宇宙教室

5月27日、ついに扉が開かれる。

新しい宇宙開発時代の幕開けともいえるこの打ち上げ。

5月27日、アメリカのケネディー宇宙センター39A 発射台からSpaceX 社のファルコン9ロケットが打ち上げられます。ファルコン9ロケットには有人宇宙船「クルードラゴン」が搭載され、2名のアメリカ出身宇宙飛行士が乗ることになっています。

何が歴史的なのか、それを5つのポイントに分けて解説します。


①2011年から9年ぶりの「打ち上げ」

NASAは1981年から運用していたスペースシャトルの運用を2011年に終えてから、自国の宇宙船を持っていませんでした。国際宇宙ステーションISSへの飛行士の輸送には、ロシアの「ソユーズ」宇宙船の座席を購入し使用していました。今回のロケットの打ち上げでは、アメリカ製のロケット・宇宙船で宇宙ステーションへと飛び立ちます。9年ぶりに「自立」を果たしたのです。

※スペースシャトルは、カプセル型の宇宙船を一回一回使い捨てるより飛行機のように再利用できた方が経済的ではないかという理由から開発されました。しかし、実際に運用してみるとメンテナンスに莫大な費用がかかることが判明。それに加え、2度の爆発事故を起こし、乗組員もなくなっています。このような観点から、引退する運びになりました。

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②NASAと民間企業「SpaceX」がタッグを組んだ!

これまで宇宙開発は国が主導して、その予算内でロケットや宇宙船の開発をしてきました。しかし、今回の打ち上げではイーロンマスク率いるベンチャー企業「SpaceX 」がNASAと共同でロケットと宇宙船を開発しましたロケットは、「ファルコン9」、宇宙船は「クルードラゴン」が使われます。

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宇宙船「クルー・ドラゴン」は今回が2回目の打ち上げ。2019年3月に無人飛行に成功し、地球に再帰還しました。2回目にして、初の有人での打ち上げとなります。クルードラゴンの特徴としては、

再利用が可能!(ソユーズ宇宙船を含め従来のカプセル宇宙船は全て使い捨て)
・7人乗り(めちゃくちゃ多い!ソユーズは、3人)
・ISSに到着したら自動でドッキング(普通は、ロボットアームで掴むことが多い。)
・宇宙船内が広く、乗組員はタブレット端末を使う。イメージ、宇宙旅行って感じ。
宇宙服まで開発!(スタイリッシュでかっこいい、SFのイメージが当てはまります)

と宇宙開発が一歩前進したようなイメージを受けます。

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③打ち上げは伝統誇る39A発射台

このロケットの打ち上げには、アポロ計画やスペースシャトルの打ち上げなどで使われたケネディー宇宙センター39A発射台が使われます。

Space Xがこの発射台を改装し、宇宙飛行士がクルードラゴンに乗り込むための橋も設置され、非常に近未来感あふれる内装になっています。

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④NASAの「ワーム」ロゴが戻ってきた!

NASAのロゴには2種類あります。

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上のロゴは、通称「ミートボール」と呼ばれるロゴ、それに対し、下のロゴは、通称「ワーム」と呼ばれているロゴです。

実は1970年代にもこのミートボールロゴは存在しましたが、当時の技術で表すことが難しく、ロゴ自体の意味も一般市民には理解しがたいという理由で「ワーム」ロゴに変えられました。その後、1992年にはほぼ全てが「ミートボール」ロゴに変わりました。

そして今回の打ち上げでは28年ぶりにファルコンロケットの側面にこのNASAのワームロゴが取り付けられることになりました。


⑤日本人も飛行予定!!!

今回の有人打ち上げミッションに成功すれば、次のミッションでなんと日本人の野口聡一宇宙飛行士が「クルードラゴン」に登場して、ISSへ飛び立つ予定です。日本人の宇宙飛行士がアメリカのロケットで、アメリカの土地から、飛び立つのは2010年の山崎直子さん(スペースシャトル)以来約10年ぶり。


今から10年前、まだ民間によるロケット打ち上げビジネスは、今のように隆盛ではありませんでした。その世界的な先駆けになったのが、SpaceX です。SpaceX こそ、最強の効率と低価格での打ち上げかつ高品質のロケットと宇宙船を持つ会社でしょう。一年に打ち上げる回数もかなり多く、1ヶ月に一回は打ち上げがあります。そのノウハウを生かして、今後アメリカの宇宙開発のみならず、世界中の宇宙ビジネスや宇宙ベンチャーにどのような影響を与えていくのか、僕も楽しみにしています。

(写真は全てNASA)


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