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友達は無理に作らなくてもいい。

僕には友達がいる。いるけど、親友はいない。学生時代にそう呼べるような人はいなかった。

そもそも親友とは何か?と定義するのは難しい。家族ならどんな嫌な部分も仕方ないと受け入れられても、他人ではそうもいかない。

心友と呼び替えてもいい。

しかし、心を許したパートナーであっても言えないこともあるだろう。

むしろ、その人を大切に思うからこそ言っちゃいけないこともある。

相手の気持ちを自分のことのように考えられる存在が親友なのかもしれない。

そもそも人の心の中など分からないし、分かったと思ってはいけないと僕は思う。人間の心は複雑だ。あくまでも自分のフィルターを通した相手の気持ちを推し量ることでしかない。

いくらこちらが親友だと思っていても相手は違うかもしれない。

立場や境遇がそうさせているだけかもしれないのだ。

特に僕が気をつけているのは、職場の人間付き合いだ。

一つの職場に長くいると、マウントが取りやすくなる。もちろんここには年齢というのも関係するのだが、相手は忖度しているだけだというのが分かりにくくなる。

権力や年齢は厄介だ。

誰だって始めは新入社員。でも長くいると次第にその気持ちは薄れていく。もちろん、悪いことばかりではない。年齢を重ねることで、かつての上司が実はこんな気持ちだったのかと思うこともある。

若い人がミスを犯した時、かつての自分もそうだったと思えるかは大切なことだ。

幸いにも僕は今でもミスを犯すので、同じ気持ちになれる(それはいいのか?)

自分が完璧でないことを実感する。いや、そもそも完璧な人間なんているわけがない。

しかし、歳を重ねると体面を保ちたい余り、素直に謝れなくなるものだ。

若い人が素直に謝るのは当たり前の行為だが、やはり気持ちいい。そこに言い訳なんていらない。ただ謝るだけでいいのは特権だ。若い人はぜひ覚えておいて欲しい。ポーズでもいいから、誠実に謝っているフリをするだけで年配者からは様になって見えるのだから、こんなにおいしいことはない。

一方、年配の人が謝罪をするのは、何だか周りにも気を遣わせてしまう。

本人にしてもいつもは部下の注意をしていながら、恥ずかしい思いになっているに違いない。

でも、歳を重ねた人が潔く謝れたとしたら、その人はカッコいい。

もちろん反省が伴わなければただのポースだが、もしもその人が心から謝っているのだとしたら、その人はきっと過去に何度も悔しい思いをしたはずだ。

歳を取ると、なかなか素直になりにくい。

特に職場のような場所では。

だから、職場において地位の格差がある人同士が友人になることは極めて難しい。釣りバカ日誌のような関係は、全く関係ないプライベートな付き合いなら話は別だが、同じ会社にいれば、他人から見ればひいきと揶揄される時もあるだろう。

ましてや親友関係なんて、そうそうあるものではない。

学生の時は、まだ何者でもない存在同士なので友人関係も生まれやすいが、社会に出ると、物理的に距離が離れたり、置かれた境遇の違いによって疎遠になる場合もある。

職場仲間の方が共通の話題も生まれるのだから、友人関係にはなりやすそうだが、ずっと一緒にいれるわけでもない。

その時その時で付き合いも変わるし、考え方も変わる。

社会人は孤独である。

その孤独とどう向き合うかが大人の階段を登る一歩だ。

ある時、友人である女性の結婚式に出席した。

その時の旦那さんのコメントを時々思い出す。

「僕は口下手で人付き合いが苦手だし、会社の中に友人がいません。妻には職場に友人がいて、結婚式をやりたいと言われたのですが、僕には呼べるような友人はいないと思っていましたので、正直来て下さるか不安でした。でも、今日こうして職場のみなさまが僕たちを祝って下さって本当に感謝しています。ありがとうございます」

僕は不覚にも泣いてしまった。

この人もまた孤独を抱えていたのだなと。

でも孤独だと思っていた旦那さんにも、時間の無い中で集まって決してうまいとは言えなかったけど、バンド演奏で祝ってくれる職場仲間がいる。旦那さんのことは知らないので、もしかしたらその場限りの祝福かもしれないけど、でもそれでいいではないか。

僕はプレゼントが好きだ。もらうのも好きだけど、あげる方が好きだ。

プレゼントを選ぶ時、その人が喜ぶ物は何かと考える。

もらった時は、自分のために時間を割いてくれたのだと温かい気持ちになる。どんな物でも自分のために選んでくれたのだから、嬉しくないはずがない。

だってあげないことだってできるんだから。

仮にその物が不要だったとしても、頂いた時の気持ちは覚えているものだ。

辛いプレゼントになる場合もあるだろう。悲しい別れの印になる場合もあるだろう。でも、その時くれた気持ちはとても温もりを感じるものだ。

いつかいい思い出に変わる時が来る。

無理に作った人間関係は長くは続かない。

どちらかの一方的な気持ちを押しつけているだけの関係はしんどいだけだ。

もし、あなたに友達がいるのなら、それはとても奇跡的で幸せなことです。どうか大切になさってください。

もしも、あなたに友達がいないのなら、ネットで仲間を探すのもいいけれど、あなたが気になった本を読んでその人と心の対話をしてみてください。きっとあなたと同じく孤独を感じながら、もがき苦しみ、そっと優しく手を差し伸べてくれます。いつかそんな心友に出会えるといいですね。

人生の生きがいや孤独と向き合う時におすすめの本↓


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