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ロスジェネ氷河期世代が語る、子供時代に見ていたドラマの思い出と今とのギャップ


ロスジェネ氷河期世代が子供だった頃、テレビは日常生活の中心にあった。昭和の時代には、家族でテレビを見ることが当たり前で、子供も大人も一緒に楽しめるドラマが豊富に放送されていた。しかし、振り返ってみると、小学生が見るには少しハードな内容のものも多かった。例えば、『うちの子にかぎって』『パパはニュースキャスター』『事件記者チャボ』『西部警察』『トミーとマツ』など、当時のドラマは、今の時代の感覚では少し大人向けのテーマやシーンを含んでいた。

それでも、当時はそんなことを気にせず、子供たちは大人の世界を垣間見ながら、それなりに楽しんでいた。このノートでは、当時のドラマが持っていた独特の魅力と、今の時代との違いについて深掘りしていきたい。

昭和ドラマの特徴 幅広い層が楽しめる内容

昭和の時代、ドラマは子供から大人までが楽しめる娯楽の一つだった。家族が一つの部屋に集まり、テレビの前に座る風景は当たり前で、その時間は家族の絆を深める貴重な時間でもあった。『パパはニュースキャスター』や『うちの子にかぎって』は、家族の絆やコミカルな日常を描いており、親子で楽しめる内容だった。特に『うちの子にかぎって』では、子供の視点から見た学校生活や家族関係がテーマになっており、同年代の子供たちには共感できる部分が多かった。

しかし、それとは対照的に『西部警察』や『トミーとマツ』のようなハードボイルドな刑事ドラマも同時に人気を博していた。アクションシーンが満載で、銃撃戦やカーチェイスが毎週繰り広げられるこれらのドラマは、今の時代では少し過激に見えるかもしれない。それでも当時の子供たちは、その迫力と緊張感に夢中になり、子供心にヒーロー的存在として刑事たちを憧れていた。

「事件記者チャボ」や「西部警察」が教えてくれた社会の現実

『事件記者チャボ』や『西部警察』のような刑事ドラマは、単なるアクションではなく、社会の裏側や犯罪の現実を描いていた。小学生が見るには少し重いテーマだったかもしれないが、実際にはあまり深く考えず、単純に「正義が悪を倒す」物語として楽しんでいた。当時の子供たちは、犯罪や暴力の描写を見ても、フィクションとして割り切って見ていた節がある。それは、今の時代のように過剰にコンテンツを規制する風潮がなかったからかもしれない。

当時の親たちは、子供がこうしたドラマを見ても、それを止めることなく寛容な姿勢を持っていた。もちろん、全ての家庭でそうだったわけではないが、多くの場合、子供たちは親の横で『西部警察』を見たり、学校で友達と『事件記者チャボ』の話をしたりしていた。ドラマを通じて、大人の世界を垣間見ることが、子供たちにとって一つの成長過程でもあった。

「寛容な時代」と「過保護な時代」

今の時代と比較すると、昭和は「寛容な時代」だったと言えるだろう。コンテンツに対する規制が今ほど厳しくなく、子供が見るものに対しても社会全体がある程度の余裕を持っていた。例えば、今の基準では子供向けの時間帯に放送されることが難しいであろう暴力や犯罪シーンも、当時は当たり前のように放送されていた。

一方で、現代は「過保護な時代」にシフトしているとも言える。子供向けのコンテンツは厳しく選別され、子供が見るものに対する親の監視も強化されている。もちろん、これは子供たちの安全や教育のために必要な部分もあるが、昭和の時代に育った世代にとっては、少し窮屈に感じるかもしれない。

当時の子供たちは、ドラマを通じて自然に大人の社会に触れ、何が善で何が悪かを自分なりに考えることができた。それが今では、すべてがフィルタリングされ、子供たちに提供される情報が厳しく管理されている。

無意識のうちに大人の世界を学んでいた子供時代

ドラマの影響を受けながら、無意識のうちに大人の世界の一端に触れていたあの頃。子供たちは、刑事ドラマの中で正義感やチームワークを学び、家族ドラマでは家族の大切さや絆を再認識していた。今考えると、小学生が見るには少し早い内容も多かったかもしれないが、それが自然な形で子供の成長をサポートしていたのだと思う。

『トミーとマツ』のようなコメディ刑事ドラマでは、アクションと笑いのバランスが絶妙で、大人も子供も楽しめる要素が詰まっていた。このような多様なジャンルのドラマが共存していた昭和のテレビは、今の時代にはない「自由さ」と「懐の深さ」を感じさせる。

まとめ 昭和のドラマが持っていた特別な価値

ロスジェネ氷河期世代が子供時代に見ていたドラマは、今の時代とは違った価値観や感覚が根付いていた。その自由さや寛容さの中で、子供たちは無意識のうちに大人の世界を学び、成長していった。それは決して「過剰な刺激」ではなく、むしろ「自然な成長のプロセス」だった。

今の子供たちが、フィルタリングされたコンテンツの中で育つのに対して、昭和の子供たちはドラマを通じて多くのことを学び、楽しんでいた。そのドラマの中には、今では考えられないような要素もあったが、それがまた昭和の魅力でもある。

「昭和のドラマ」を懐かしく思うのは、単なるノスタルジーではない。あの時代のドラマは、私たちの成長に大きな影響を与え、今でも心の中に深く刻まれている特別な存在なのだ。

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