運動と脳機能の研究~大学院生奮闘記 修士課程編①~

修士課程の始まり

修士課程は希望通りの大学院に通うことができた。このころにはまたランニングの熱が復活していたので、入学式を自宅から走っていくことにした。周りはみんなスーツ。自分は半ズボンのランニングマン。会場に着いた時に恥ずかしさがこみ上げてきたので、会場の一番後ろでひっそりと先生方のお話を聞いていた。

そのまま走って所属する研究室へ初めて向かった。その時、研究室の大掃除が行われていたので、早速荷物の運び屋の担当を任された。おそらく、これが後にも先にも一番研究室に貢献した瞬間だった。

研究活動はまだ始まらない

大学院に進学すれば、すぐに研究に打ち込めるかというとそうではない。もちろん、修士課程に進学してすぐに研究を行い、論文を執筆する学生もいるが、自分は違った。研究室でプロジェクトが進行している場合は、大学院入学後すぐに研究に従事できる可能性が高い。研究室を選ぶ時は、その研究室でどんなプロジェクトが動いているか把握することが大切だ。

一つの研究をするのに、研究設備への資金や研究参加者への謝礼金など、研究費が必要になる。また、漠然とこんな研究がしたいでは、研究を始めることができない。研究計画と言って、仮説は何で、その仮説を検証するための方法論はどのようなものかなどを詳細に決めないといけない。研究計画が詳細であればあるほど質の高い研究ができる。

所属した研究室では運動と脳の研究プロジェクトは無かったので、とりあえずひたすら論文を読むことにした。どんなキーワードでどうやって論文を探してよいか初めは分からなかったが、周りにいる先輩方に聞きながら論文の検索方法を教えてもらった。

とりあえず、Exercise and Brain and Cognitionなどのキーワードで引っ掛かった文献を全て目を通すことにした。砂漠のなかでカラカラに乾いた土に、久々の雨がふり土壌が潤うように、論文を読むことは、運動と脳機能の関係を知りたいと渇望した自分の心を満たしてくれた。そんな生活がひたすら続き、夏が過ぎ秋が終わろうとしていた。そのころ、自分の今後の運命を変えるS先生に出会うことになる。

100km・筋トレ・TOEIC

修士課程に進学してからも相変わらず、マラソン、筋トレ、TOEIC受験を継続的に行っていた。この年も練習を重ね伊南川 100kmマラソンを完走した。この年が一番速かったと思う。おそらく全体(250人くらい)で6位になった。筋トレは大学の体育館が22時くらいまで開いていたので、論文をひたすら読み終えてから体育館に向かって、身体を鍛えていた。この年になるとTOEICは800点を超えてきた。とりわけTOEICの勉強をしていたわけではないが、ほぼ全て英語で記載された論文を読んでいたので、英語力が少しずつ上がったのかもしれない。目標にしていた900点まであと少しのところに来た。(実際は800超えてからまだまだ苦労するのだが、、、)このころになると、TOEICの受験会場まで走っていって、受験が終われば走って帰ってくるようになった。運動が脳機能に良いと信じていたので、走って受験会場までいけば脳活動が増加し、活性化した脳機能でTOEICを受験できると本気で考えていた。