メンタルヘルスライフハック #01

みなさん、お元気ですか。
私は元気ではありません。

この前友人と話したけれど元気がないのは大体冬。
日照時間の短縮と体温の低下から元気も出ないしテンションも下がる。色々と上手くいかないし、もう無理。

そんなことを言っていても仕方がないので、いつもどおりメンタル向上に役立ちそうな情報収集と、普段工夫していることをいくつか上げてみようか。
…それとも、そんなことはせず落ち込んだ方がいいのだろうか。

●メンタルは鍛えられるのか

最近、私はひたすらメンタルを鍛えていた。
先日知り合いにそれを話すと「そもそもメンタルは鍛えられるのか」みたいな話に発展し、その場では「環境を整えることとトラウマを克服をすることはできても、メンタルそのものは鍛えられない」という意見が強かった。

"メンタル=安定性"とすれば、環境調整やトラウマの克服によって安定性が向上する、つまりメンタルを鍛えるとは言えそうだ。脳の可塑性なんかもその範疇に入りそうに思う。

とはいえ、初めて行うことに対する恐怖心や緊張そのものを取り去ることができるかと言えばそれは難しく、そうした意味で(神経レベルでの)メンタルを鍛えることはできないかもしれない。

そもそも考えてみれば、"ストレスを感じていると認識できない"からと言って"ストレスを感じていない"とは限らない
経験則では(当てにならないけれど)聡明な人ほど早くお亡くなりになるというデータが出ている。マインドフルネスなんかも、不安やうつには効果があるとはいえ、ストレスそのものを知覚しなくなるだけかもしれない。

思うに、私は最近いろいろ上手くいかないのでキレているかもしれない。
なぜなら、メンタルへルスに役立ったことを書き連ねるNoteにするはずが
メンタルを鍛えることの無意味さを書き出してしまっているからだ。そう、鍛えたところで上手くいかないものは、上手くいかない。それはそう。

メンタル筋トレ。もはや無意味かもしれないと思えてきた。
だがしかし、もう少し元気になって見返したら違う意見が出ることを期待し、直近のメンタル改善に役立った簡単な方法を3つ程書き残すことにした。メンタル鍛え仲間のみなさんにもぜひ検証してもらいたい。

1.メディアに触れる

落ち込み時はむずかしい文章を読む気が起きない(本当に起きない。)ので、そうした投げやりの気分でも役立ちそうなものを探してみる。

lifehacker(ライフハッカー)
思い返せばメンタルに良い記事が多いメディア。
たとえばこんな記事を発見した。

この記事によると「計画性がない、過密スケジュール、散らかっている、先延ばしにする、メモを取らない、完璧主義、マルチタスク、食生活が貧しい、水を飲んでいない、睡眠不足、好きなことを後回しにする」は精神を消耗するらしい。食生活が貧しいは笑うけれどたしかに。当てはまる項目とメンタルの質は比例する気がする。
当たり前な感じだが、こうして可視化してもらえると自分の状況が整理できていい。詳しい解決策などが載っているのもいい(回しものではない)。

ふと思ったが、メンタル系の記事や情報というと自分の捉え方を変えようみたいな話に収束しがち。自分の捉え方を変えてもその先の目的が見えてないと迷子になりがち。

ちゃんと行動レベルに落とし込んで、かつ一般人にも理解できる非専門的な範囲でメンタルの改善に有益な情報を提示してくれるのって大事なんだなと思う。またこうしたコンセプトがはっきりしたメディアは「仕事を上手く遂行するための」メンタル改善を一貫して提示できるのでいいなと思った。

結局のところメンタルを改善しても、その先になんらかの現状改善がみられないと継続が困難になるので、自分の目的に合うメディアでメンタルについて書かれた記事を探すという方法はわりと効率がよいのかもしれない。

●セラピー要素の高いチャンネル
Youtubeの動画の中にはセラピー要素の高い動画がいくつか存在する。
特によいのが精神科医の名越先生のゲーム実況。前回の記事でも書いた。もはや、ただのファン。

勉強になるのもそうだが、何が特に良いかというと、元々セラピー的要素の強い芸術(=物語)と、数多くのメンタルを改善してきた人(=その言葉選び)の解説という要素が合わさり、爆発的なセラピスト効果を発揮している。すごい。物語×セラピスト、いい。

物語の状況が複雑になっていく中、主人公(お兄ちゃん)に対して名越先生はこう話す。

「本格的にこのお兄ちゃんの辛さにいま感情移入できたな。人間関係のコンプレックスの中に巻き込まれてしまった、しかも自分だけが未来への憂いを理解出来ているっていうさ。でもさ、人生ってこういうもんだよね。お兄ちゃん、君は人生に突入したんだよ今。」

動画内のある一節。
泣ける。

●茨木のり子
いきなりの人名。というかメディアではないが、現代はメディアを通して知ることができるので無理に入れ込んでみた。茨木のり子さんは詩人であり、教科書でその名前をみたことがある人もいるかもしれない。

出会った時からずっと好きな『汲む』という詩がある。
弱っているときにわたしはいつもこの詩を見返している。

汲む―Y・Yに―   茨木のり子

大人になってもどぎまぎしたっていいんだな
ぎこちない挨拶 醜く赤くなる
失語症 なめらかでないしぐさ
子どもの悪態にさえ傷ついてしまう

社会性が高くないことによって生じるメンタルのつらさをよく表している。
彼女の詩はこう続く。

頼りない生牡蠣のような感受性
それらを鍛える必要は少しもなかったのだな
年老いても咲きたての薔薇 柔らかく
外にむかってひらかれるのこそ難しい
あらゆる仕事
すべてのいい仕事の核には
震える弱いアンテナが隠されている きっと……

とにかく優しい。優しい言葉に触れることは、メンタルが弱っているときにはとても大事なことだと思う。

また、この詩には他にも目に留まる箇所がある。

初々しさが大切なの
人に対しても世の中に対しても
人を人とも思わなくなったとき
堕落が始まるのね 堕ちてゆくのを
隠そうとしても 隠せなくなった人を何人も見ました

一言で言えば「誠実性」になるのだろう。
ここ最近、「誠実性」は「自信」と同義と思い出した。

あらゆることが上手くいかなくても、誠実でいた、というだけで人は(少なくとも私は)自信がもてる。自信のもてる分野がなんであれ言いと思うのだけど、誠実性というのは一つの努力であり、才能だと思う。

なぜかと言えば、現代は誠実な人間が少ない時代だから。そして価値というのは希少なものに宿る。「繋がっている人=信頼できる身近な人」でなく、「繋がっている人=大多数はよくわからない人」になっている今。その気になれば誰とも簡単に繋がれるが、信頼できる人を探すのは相対的に難しい。

だからこそ誠実でありたい。誠実さは地味で目立たない行為だが、私は折れそうな時に茨木のり子さんの詩をみて誠実さを思い出すことにしている。
そうした誠実性、まわりまわってメンタルに安定性を生むような気がする。

2.結論は3カ月後にする

ライフハックその2。
これは個人的に決めたルールだけれど、最近はとくに、物事に対して結論を急がないようにしている。より正確には判断はしても、結論は出さない
(言うまでもなく当たり前にしている人はいると思うけれど。)

私の場合は、認知にある程度のパターンがある。①物事を甘く見積もる。②結論を早めに出したがる。③検討を重ねまくるか、ノリで決める。
これまで犯してきた誤ちというのは概ねここに収束する。(+α メンタルの柔さ。他にもあるけど、、)

結論を早めに出すのはあまりよい覚えがない。なぜなら、そこにはヒューリスティクス(認知バイアス=材料が足りない状態で作る料理)があるから。

目的を達成する過程では判断が必要だけれど、その先にある結論(何かしらの物事に対し原因の確定や未来の予測をすること)は、あくまでただの仮説なのだということを日々の生活でも心に留めるようにした。

結論を出すまでの期間はなんなら長い方が柔軟に考えられるような気がするけれど、3カ月もすればある程度の客観性とデータが蓄積されているはずなので、そうした意味で日々の出来事に対して結論は3カ月後にすると設定するのがよいのではなかろうか。

さすれば、「計画」という名の木々が嵐の中で倒れまくっている最中でも、なんとか冷静さを保つことができる(なんとか)。
人生は何が起こるかわからないという意味で、幻想とも言える。そこでの結論とは、すなわち安定した幻想。結論に固執せず柔軟にいきたい。

3.しんどさを分析する

ライフハックその3。
しんどさを分析してみる。

人間が精神的に消耗するときというのは思うに、大抵はあらゆるしんどさが(偶然にも)連鎖的に降りかかってきてしまったときだと思う。

たとえば一見「仕事が上手くいかない」ことで悩んでいるようでも、実際には「仕事が上手くいかない、夢がかなわない、好きな人と上手くいかない、財布なくした、天気土砂降り」のような複数の萎えポイントが重なり合うコンプレックスが発生することは往々にしてある。

ついでに過去トラウマを抱えて解消されていない人の場合、この現実的に起きているコンプレックスに上乗せされ、「あらゆるしんどさ+過去のしんどさ=半端ないしんどさ」というように、本来対処可能な悩みが広がりすぎて対処不可能になってしまう。

このような場合、消耗しているときにしんどさを一緒くたにせず、分類することは有効だと思う。
上手くいかない時は自責や他責になりがちかもしれないが、大抵は自分を信頼できないなどというふわっとした理由で無駄にしんどくなっているだけだったりする。

起きる出来事は一見連鎖しているようにみえても「今の仕事がだめなら絶対に夢が叶わない」なんてことはないし、「メンタルが弱いから何もかもうまくいかない」も適切ではない。それは視点や環境によって違うものだから。

そうして分類した後は、状況を作り出したと考えられる原因(仮説)の中で、自分が対処可能なものは何かを考える。対処不可能なものは忘れる(考えても判断力が下がるだけ、結果周囲にもよくない)。対処可能なものにだけ、集中力を発揮するのがベター。というより、対処可能なものに上手くいっていないすべての原因を押し付ける理屈を考える。そうすれば問題は解決する。

分析する時は、失ったものではなく得たものについても分けて考える。一つの結果(特定の仕事や対人関係)だけみるとバランスがとれないとき、他の結果で自分の行為によって何が得られたのかを考える。そうすると自分の行動が生んでいる良い結果についても気が付くことができる。

付け加えれば、こうした状況を整理する時間はやはり必要。
逆に言えば、対処すべき悩みが一挙にこないように(時間が確保できるように)環境調整をすることも大切か。何かにチャレンジしてる時は他のことにはチャレンジしないとか。なんかメンタルつよい人ってそんな感じだもの。

このやり方は、一時的で、かつ心理的な視野狭窄から脱することの手助けをしてくれると思っている。
以上が直近で効果のあったメンタル改善方法(その1)である。有用そうなものがあればまたあげていきたい。

●おわりに

冒頭の話に戻り、「メンタルは鍛えられるのか」。
こうして思いつきで3つ程書いてみて、ここの話はたしかにメンタルの改善や冷静さを保つことには効果があると思うが、神経の過敏性自体にはあまり効果がないなと思った。(なぜなら現にいま私は、元気がない。)

これからは今以上に解像度を上げていきたいと思う。

私はそんな感じで、メンタルを鍛えています。
みなさんは、どうですか。






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