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中小企業の経理が、営業や調達と交渉すべき最優先事項について

会社で経理の責任者であるオレが、今日も経理について書こう。

経理というと、何やら伝票を書いたり入力したりのイメージが強い。
だがあぁいうルーチン的な作業は、こういうとなんだが、慣れればだれでもできる。

ルーチンワークはさっさと終わらせて、他にやってほしいことがある。
社内での他部署との交渉だ。

経費精算を急かすなんて話は、正直どうでもいい

経理が交渉というと、「早く交通費の精算して!」「仕入先から今月分の請求書をもらって!」なんて営業や調達を急かすイメージがある。
というか実際、オレが働いている会社でもよくある光景だ。

だが、経理の責任者であるオレからすると、そういうのはどうでもいい。

大企業ならともかく、中小企業で毎月10日までに月次決算するとかでもないのだから、そんなに焦らなくてもいい。
中間決算なり、期末決算のときにすべて終わっていれば、何も問題はない。

たしかに、いちいち言うのは面倒っちゃ面倒だが、ただ面倒と言うだけの話である。

交渉してほしいのは、取引条件である

営業なり、調達なりに一番話してほしいのは、取引条件についてである。
特に、入金や支払の期日だ。

営業には、得意先からの入金をできるだけ早くもらえるようにしてほしい。
調達には、仕入先への支払をできるだけ遅くしてほしい。

だから、新たな得意先の登録をするときに、

「えっ?入金が150日後?遅すぎじゃない?」

と思ったら、

「ここ、もうちょっと入金早めてもらえるよう聞いてくれませんか?」

と営業に言ってほしい。

仕入先のときも、

「えっ?支払が30日後?早くない?」

と思ったら、

「支払を60日後にしてもらえないか、聞いてもらえませんか?」

と調達に言ってほしい。

なぜなら、取引先からの入金と取引先への支払が、経理で一番大事なことの一つだからだ。

取引条件次第で、会社は黒字倒産する

仮に、得意先からの入金が半年後で、仕入先への支払は1か月後だとしよう。

こうなると、当然お金が入ってくるより、出ていく方が早い。
入金は半年後だが、支払は1か月後だからだ。

その間の資金をどうするか?
銀行に借りるしかない。

売上が増えれば増えるほど、入金までの間に借りる金額も増える。
そうなると、金利も増えるし、資金繰りも面倒になるし、銀行との交渉も大変になる。

だが、ここでちゃんとやっておかないと、数字上は黒字なのに会社が倒産する羽目になる。
いわゆる黒字倒産だ。

取引条件が良ければ、こんなことにはならない。
仮に得意先からの入金が1か月後で、仕入先への支払は半年後なら、よっぽど売上が激減でもしない限り、まずつぶれない。

それぐらい、取引条件は重要ということだ。

取引条件は甘く見られがちだから、経理が言わなければならない

だが、営業や調達にそういうことがわかる人は少ない。

営業は売上を上げることだけ、調達は安く仕入れることだけが目標となってしまい、取引条件までは経理から言わないとやってくれない。

なので、経理が言う必要がある。
たとえ嫌われてでも、何度でもしつこく言い続け、入金は早く、支払は遅くを社内中に徹底させるべきなのだ。

そして、言えば結構取引条件なんて変わるものなのだ。
ちょっと営業が「ウチの経理がもっと入金を早くしてほしいと言ってまして…」なんて言うと、「あぁそうですか」なんて言われて、一瞬で入金が早くなったりすることもあるのだ。

ということで、経理をやっている人はぜひ、取引条件については社内で交渉してほしい。
また、経理ではない人も、いかに取引条件が重要かはご理解いただきたい。


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