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毎日コンテンツ 油を賢く取る方法

最近スーパーなどで、さまざまな種類の食用油を見かけるようになった気がする。ひと昔前までは、油といえば「太る」「体に悪い」などのイメージで悪者扱いされていたが、最近では「健康に良い食品」としても注目されるようになった。

一体何でこうなった?

そこで今回は、油の種類と栄養についての情報を紹介したい。

三大栄養素の1つ「脂質」は体の中でどんな働きをする

家庭科の授業で三大栄養素というものを習った記憶がある人も多いだろう。三大栄養素と言えば、炭水化物、タンパク質、そして脂肪。その1つ、栄養素としての油の分類は「脂質」だ。

では、その三大栄養素の脂質はなんのために取るのだろうか?

体の細胞は細胞膜に包まれているが、その細胞膜の輪郭を維持しているのが脂質だ。そして、体の中で脂質が最も多く存在しているのは脳。脳の約65%を脂質が占めていて、脳内の伝達物質をつかさどることも分かっている。

また、脂質は体温維持や肌や髪を潤す役割も担っているため、人間の体とって、良い油脂を体内に取り入れることは、とても大切なのだ。

また、油脂の性質は、脂肪酸の種類によって異なる。脂肪酸とは、脂質を構成する主成分で、さまざまな種類があります。
 
脂肪酸は大きく分けて「飽和脂肪酸」「不飽和脂肪酸」の2つ。そして不飽和脂肪酸の中には、「多価不飽和脂肪酸」「一価不飽和脂肪酸」があり、更にそこから、DHAやEPA、αーリノレン酸、オレイン酸などに分類されていく。

この時点で、難しくなるので重要な脂肪酸について、少し解説していく。

【飽和脂肪酸】
常温では固体。取り過ぎると、血液中の中性脂肪やコレステロールが増加してします。蓄積されると体脂肪になるので、摂取量には注意が必要。

飽和脂肪酸は、肉の脂身、バター、ラード、乳製品、ココナッツオイル、MCTオイルなどに多く含まれている。

健康やダイエット、美容効果があるといわれ流行したココナッツオイルやMCTオイルは飽和脂肪酸の中でも「ラウリン酸」を多く含んでいることが特徴。ラウリン酸は「中鎖脂肪酸」に分類される脂肪酸で、分解や代謝が高く、すぐにエネルギーになるので健康効果が期待できる。ただ、繰り返しになるが、たくさん取れば良いというものでもないので、取り過ぎには注意。

【不飽和脂肪酸】
常温では液体で、エネルギーや細胞膜の材料として使われている。体内に溜まりにくく、余分な中性脂肪やコレステロールを減らす効果も期待できる。

この不飽和脂肪酸をさらに細かく分類すると、大きく分けて3つある。

1 多価不飽和脂肪酸のオメガ3系列


中性脂肪の低下や抗アレルギーなどの働きがある、これは、体内でつくることができないため、健康のためにも意識して取りたい油。シソ油、亜麻仁油、えごま油、青背の魚(サバ、サンマ、アジなど)の脂に多く含まれている。

2 多価不飽和脂肪酸のオメガ6系列


子供の発育に欠かせない油と言われているが、最近では、取り過ぎ傾向にある油なので、摂取量には注意が必要。スナック菓子や大豆油、胡麻油などに多く含まれている。

3 一価不飽和脂肪酸


体内で作ることができ、エネルギーや細胞膜の材料として使われている。酸化しにくく安定しており、長期保存が可能なので調理に使いやすいのが特徴。オリーブオイル、菜種油、ヒマワリ油、米油などに多く含まれている。
 
そもそも、どの種類をどのくらい取ればいい?

現在では、飽和脂肪酸:多価不飽和脂肪酸:一価不飽和脂肪酸の割合を、3:3:4の割合で取るのが望ましいとされている。普段料理に使う油はオリーブオイルや菜種油などの不飽和脂肪酸を中心にして、肉や乳製品はたまに取る程度にすると、摂取バランスが取れるはずだ。

1日の摂取量は大さじ2~3杯が目安だが、脂身の多い肉、揚げ物や脂っこい料理が好きな方は、取り過ぎている傾向があるので、一度ご自身の食生活を見直してみることをおすすめする。

 料理に使う食用油脂以外にも、食品には油脂を多く含んでいるものがあり、知らず知らずのうちに脂質を取り過ぎていることもある。加工食品やファーストフードには特に多く使われていますので注意が必要。

【油脂を多く含む食品】
穀類  パン、クロワッサン、カップ麺
乳類  牛乳、チーズ、アイスクリーム
菓子類  チョコレート、ケーキ、ポテトチップス、ビスケット
調味料  マヨネーズ、ドレッシング、カレールウ

毎日の食事に欠かせない油を上手に取り入れて、健康な毎日を送ってほしい。

1日3食中に脂質の種類をまんべんなくとろう


朝食はバタートーストとハムエッグ、昼食は牛丼、夕食はチキンステーキ。そんなつもりはないのに、3食で豚肉、牛肉、鶏肉の3種類を制覇していたり、知らず知らずのうちに肉料理がメインになることは珍しくないのではないだろうか?

先ほども書いたが、脂質の摂取は、飽和脂肪酸:多価不飽和脂肪酸:一価不飽和脂肪酸の割合を、3:3:4の割合で取るのが望ましいとされている。

飽和脂肪酸である、肉の脂や乳製品、バターは取り過ぎ傾向にあるため注意し、多価不飽和脂肪酸のオメガ3系列である亜麻仁油、えごま油、青背の魚(サバ、サンマ、アジなど)の油を意識するようにしたいところ。

そのためには、例えばサラダのドレッシングを、亜麻仁油に酢やしょうゆを混ぜて自分で作ったドレッシングに変えたり、1日1回は魚料理をメニューに加えると自ずとバランスが取れることになる。

魚料理を調理するのが面倒な場合は、定食屋を利用して焼魚定食や刺身定食をオーダーしたり、サバやサンマなど、青背の魚の缶詰を利用すれば、手軽にオメガ3系列の脂質を取り入れることができる。

朝食は、卵、豆腐、納豆を中心に、昼食と夕食は、どちらかを肉料理に、どちらかを魚料理すると決めておくと、様々な脂質を取り入れることができる。

揚げ物を選ぶ際は「衣」に注目


脂質の取り過ぎを防ぐには、外食よりも自炊の数を多くすること。そうすれば、自ずと脂質の摂取量が減るはずだ。自炊なら、調理のときに使う油をオリーブオイルにするかサラダ油にするかなど選べるし、計量して使うことで過剰摂取を抑えられるからだ。

しかし、現代人の食習慣に外食をゼロにするなんて言うのは現実的ではない。外食の際には、メニュー選びに気を付けることで、脂質の取り過ぎを抑えることができるはずだ。

そこで重要なポイントが調理法。揚げ物よりは炒め物。炒め物よりは煮物や蒸し料理というように、油の摂取量が少なくなる調理法のメニューを選ぶようにしたい。

揚げ物が好きな人は、同じ揚げ物でも、衣が分厚いほど吸い込む揚げ油の量が多くなるので、フライよりも天ぷら、天ぷらよりも唐揚げ、唐揚げよりも素揚げの方が油の吸収率が減るので、揚げ物のメニューも厳選し、週に何回など決めて食べると良いだろう

実はハンバーガーは優れた食品である


ハンバーガーにポテトフライ、ドリンクのセットは単品でハンバーガーとドリンクを頼むより安くなることも多いが、ハンバーガーのパテは、ひき肉が材料になるので、脂質が多く含まれている。

それにフライドポテトが加われば、100gで8~15gもの油が追加されてしまう。ハンバーガーを食べたい時は単品で購入し、コンビニで水やお茶など甘みのないドリンクと、物足りなければサラダを買うのがベスト。

朝食のトーストや外食で出てきたパンにはバターを塗る。コーヒーにはミルクやクリームを入れる。おやつにはアイスやケーキを食べる。そんな習慣がついている方は、あっと言う間にオーバーしてしまう。

牛乳やバターなど乳製品の脂質は意識すれば控えることができるので、一度自身の習慣を見直して欲しい。また、朝食はご飯にし、おやつは和菓子を選ぶだけでも1日の脂質の摂取量を減らすことができる。

脂質は選び方や取り方次第で、体にとっての影響が驚くほど変わります。賢く減らし、賢く取り入れて健康になろう。

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