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『Obsidianでつなげる情報管理術』読んだよ〜メモは魔力から技術へ〜

Pouhon著『Obsidianでつなげる情報管理術』読みました。


「Output 0.1」という技術系のブログを書かれてるブロガーPouhon氏が一念発起されて制作された個人Kindle出版の電子書籍です。



「Obsidian」というのは一言でいえばマークダウンエディタアプリです。
しかし、エディタの枠にまったく収まりきらないほどの豊富な機能と拡張性、とくに革命的なノート(ファイル)間のリンク機能を持っていることが特徴です。
(多くの人が知ってるもので無理やりたとえれば「個人用Wikipedia」と言うのが一番近そうですが、Wikipediaの一般的イメージでは伝えきれないぐらいすごいです)


↓公式サイト


同様のリンク機能を持つScrapbox,Roam ResearchやLogSeqなどとともに、カテゴリー構造での整理や検索だけに頼っていたEvernoteやOneNoteなどの弱点を突破しブレイクスルーを果たした次世代メモアプリと言えます。

Obsidianはユーザー自身がローカルでファイルを所持する仕組みであることから、勝手にサービスが終了して困るとか、エキスポートで一苦労なんてこともありません。
しかも、基本利用無料という大盤振る舞い。

モバイルも対応するなど、昨今ではPKM""Personal Knowledge Management"界隈で確固たる存在感を示しています。


そんなスゴスゴアプリのObsidianですが弱点もありました。

なんでもそうですが高機能で拡張性が高いアプリというのは自由度が高すぎて、どうしていいのかのっけから迷子になりがちです。
Obsidianも例にもれず、あまりITが得意で無い方が、とりあえず入れてみただけでは、まず何をどうしたらいいのか分からず途方に暮れることになります。

しかも、Evernoteなどの老舗アプリと違い新興勢力であり、オンライン上での情報も多くはありません。海外産のアプリであることから、日本語でのドキュメントの方が少数派でさえあります。

一応、日本の知的生産クラスタ有志のブログ記事やnoteやtweetが断片的には散らばっているものの、それこそそれらを調べて統合して自分なりに活用するのはある程度玄人なユーザーにしか難しかったのが現状です。

実際、江草もあまりITスキルが高くないので、Obsidianを活用したいと思いながらも、なかなか思い通りに行かず、ぴえんぴえん言いながら格闘していたわけです。


そんな中、たまたま出会ったのがPouhon氏のブログでした。
Pouhon氏のObsidianの解説記事はわかりやすいだけでなく、ユーモアにあふれて面白いので、折に触れて訪問させていただいていました。



そんなPouhon氏がとうとうObsidianの解説本を出されたのが、この『Obsidianでつなぐ情報管理術』なのです。



読んだ感想を一言でいえば、非常に素晴らしかったです。

もちろん、読んだと言っても、技術的な手順や機能の解説部分が少なからず含まれているので、そのあたりは今後本書を参照しながら実際にまた試みていくことになります。
知らなかった機能や活用方法がたくさん紹介されてたので、もう今にもすぐ色々試してみたくてウズウズしています。

断片的な日本語ドキュメントばかりであった中、ここまでまとまった形でObsidianの解説をされてる本はほんとうに希少でありがたい存在です。
導入方法から活用方法、そして失敗パターンや「メモとはどうあるべきか」に至るまで、丁寧に解説されています。
(なお、紹介されてる失敗パターンを見事全て江草はやってしまっていたので、早くこの本に出会えていればと思わずにいられません。どうしよ、このDailyNotesとのリンクだらけのグラフ……)

これで、本書をガイドとすれば、PKM初心者でもObsidianに十分に挑むことができるでしょう。

しかも、さすがブログで魅せてくれていたユーモアも忘れず、読者を楽しませてくれます。
とくに「あとがき」は必見で、ジョジョ立ちやひろゆきのモノマネと違うまた新たなPouhon節が堪能できて最高でした。




ところで、数年前、前田裕二『メモの魔力』がベストセラーになりました。

これを読んで「メモをがんばってみよう」と思った方は多かったのではないかと思います。
こちらも様々な示唆に富んだ本で非常に良かったのですが、アナログベースなメソッドであったところが少し人を選ぶ感じもありました。とくにデジタルに慣れ親しんだデジタルメンにとってはフィットしにくい側面はあったでしょう。

しかし、ここに来てデジタルメモの代表選手たるObsidianの解説書である『Obsidianでつなぐ情報管理術』が登場したわけです。

Obsidianはモバイルアプリに対応してるので、出先のメモにも使えます。
モバイルアプリに対応してるということは、自分のノートの読み書きがいつでもどこでもスマホを持つ片手でできるということになります。
片手で読み書きできるというのはアナログでもできない快挙です。



だから、Obsidianはメモのさらなる革命なのです。


このようにObsidianが現代ITの最先端とも言える豊富な機能をもってしてメモ界に殴り込みをかける姿は、「メモの魔力」ならぬ「メモの技術」として、メモをよりテクノロジーベースの現代的スキルとして捉え直せることを感じさせます。

そのObsidianをガイドする希少な「魔導書」ならぬ「技術解説書」が本書『Obsidianでつなぐ情報管理術』です。

しかも、480円。
なんなら、Kindle Unlimited対応。
なにそれすごい。

Obsidianに興味があるユーザーだけでなく、知識社会を生き抜く全ての国民にオススメできる一冊だと思います。




なお、合わせて紹介しておくと、Obsidianの解説書としてはこちらもオススメです。

できるだけ多くの人のObsidian活用方法を知ることで、自分なりのやり方を見出す近道となるでしょう。


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