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東京大学の二段階選抜厳格化は表向きの理由が最低だ。

東京大学では俗に足切りと言われる第一次選抜の変更を行うことにし、たとえば文科は定員の3.0倍から2.5倍程度へ減らすこととしました。

気に食わん。
はっきり言って学費値上げよりもよっぽど気に食わないですね。

何故なら、多くの受験生にとってポジティブな改革になっていないからです。つまり、チャンスが減じられただけで、基本的に誰も得をしないのです。
理由の説明がたとえば「学費値上げをしない代わりの人件費削減」(学費の値上げ回避と二段階選抜の厳格化ならば前者の方が利益が大きいと思われる)ならばいいのです。けれども、表向きの理由がディスアビリティ学生対応の人員確保のためであれば、該当する学生も自分たちのせいで門戸を狭められた理由として使われたわけでいい気分はしないでしょう。

東大はかねてより共通テストや外部利用方式の強制利用など、2021年度以降の国家(文科省)主導の改革に不信感を募らせていました。嫌がらせのように、仮に強制実施の場合「英語外部試験はA2(英検準2級)レベルであれば受験資格を満たす」と東大受験生のレベルを考えればフリーパスに等しく、事実上活用しない旨掲載したこともあるほどです。
そんな、アンチ共通テストポジションの東大が、共通テストの依存を二段階選抜という形で高めてしまうのは残念でなりません。

実際に合格する人のほとんどは足切りよりもはるかに高い点数だからいいじゃないかという意見もあります。しかし、年度によっては750/900程度まで高まる年が過去にもあり、750点を超えたらあの悪名高き共通テストも無視することができなくなり、ガチガチの対策をしなくてはなりません。
せめて間を取るのであれば、「二段階選抜で2.5倍程度に変更する。但し、標準的な平均点の場合、720/900(来年度であれば750/1000)を超えないように配慮する」という文言があってもいいのかもしれません。

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