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日本の大学を実質無償化するとしたら

日本でも大学学費を実質無償化しようという話は持ち上がっていますが、なかなか動きがありません。
それでいて、全国に公立高校が設置されていて比較的低廉な学費で進学できる高校無償化を先にしてしまい、結局国公立にしろ私立にしろ相応の費用がかかる大学の方が先送りになっています。

政府の側もまったく対応していないわけではありませんが、日本学生支援機構の給付奨学金は、貸与奨学金の財源を食い込ませて使っているため、今までであれば借りられたボーダーラインの層に行きわたらなくなってきます。また、支援機構に限らず各種自治体や企業等を含めた給付の奨学金は情報戦のところがあり、その意味において収入の少ない家庭ほど相対的に不利な状況にあります(反対に私のような詳しい人の家族になれば容易に取れてしまいます)。

さて、私個人として大学実質無償化に賛成の立場です。そのやり方としては文部科学省の定める学位の種類(日本の全大学全学部が届出されている)に応じた学費を人数分負担するというものです。ごく普通の私立大学文系学部であれば現在の納入金平均は115万円ぐらいで、4年間総額で入学金を入れて490万円ぐらいなので、大学の各種統計基準日である5月1日の在籍数×120万円を補助します。
この制度に参加する大学は、できるだけその費用で学費徴収全額を賄うものとし、どうしても足が出る部分だけを請求できるものとします。補助額は定員を超える学生数がいる場合は収容定員数まで、定員割れの大学は現員とします。これによって、従来の私立大学補助金で縛る必要もなく、大学も定員を守るようになります。

財源としては毎年2兆円ぐらい必要です。ちょっと高いので、大学設置基準を緩和して、かかる費用の方を小さくして2割ぐらいなら圧縮できます。学生数に応じた教職員数の基準や、科目の設置や、他大学との学部共同運営、オンライン授業の拡充などです。国(少子化対策)も大学(定員割れ対策)も学生(無償化)も負荷があまりかからない三方よしの制度にしたいです。
1.6兆円ぐらいであれば未来への投資と思えば安いと思うんですけどね。子育て世代への変なバラマキよりはよっぽど少子化対策にもなるのではないかと思います。

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