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高校がタワマンになる日


 維新の会は大阪市立の22の高校を府立に移管するということを市議会で維新+公明の賛成で可決した。22校の資産価値はおそらく土地代だけでも2000億円くらいになるだろう。何のためにこんなことを行うのか。誰も気づいていないようなのでオレが教えてやろう。それはただの利権目的である。自分たちの金儲けである。



 大阪府立の高校には、3年連続して定員割れが続いたら廃校にするという維新府政の中で作られたルールがある。このルールが適用されて多くの高校が統廃合の対象になった。少子高齢化でこれからの生徒数の減少を考えた場合、学校の数を減らしていくこと自体はある意味納得できる。そうして整理の対象となった高校の多くは1970年代後半から80年前後、当時の大阪府知事だった黒田了一が「15の春は泣かせない」と公立高校を増やした時期に建てられた高校である。ちなみに黒田了一の次に知事になった岸昌(きし・さかえ)は、公立高校を増やすのではなく私学に助成金を出して学級増させるという方法でその後の生徒数の増加に対応した。

 そうして生徒が集まらずに統廃合の対象となってしまう高校というのは、入学試験の偏差値が低く、駅から遠い場所に立地して交通の不便な高校などが多かった。

 もちろん統廃合を逃れる方法もあった。もともと入学者の学力偏差値が低かった高校の一部はエンパワーメントスクールという名称になり、小学校4年程度から勉強をやり直して職業教育に力を入れるという形にモデルチェンジした。ただ、現場で教えてるのはもともと高校に勤務していた教員である。もしもオレがまだ大阪府立高校で教員を継続していればそうした学校で生徒に教えていた可能性もあったのである。今オレが日々取り組んでいる共通テスト対策や東大や京大の二次対策とは全く違った世界である。

 


 数学の授業で小学校4年生の算数なんかを教えたりする学校をそもそも「高校」と呼んでいいのだろうか。そのような学校を設置するのは何のためだろうか。そこには子どもを早い段階で分類してしまうという意図がある。大学教育へ進む道を早期に閉ざしてしまい、ブルーカラーの労働者として搾取されることを人生の早い段階で押し付けられるのである。可能性を閉ざされてしまうのである。

 もともとあまり人気のなかったいくつかの高校はこうしてエンパワーメントスクール化し、その結果として廃校を免れて生き残った。高校なのに高校の学習内容ではない学校というものはそもそも文部科学省は認めてるのだろうか。そこで教える教員は高校の教員免許を持っているわけだが、むしろ小学校教員を集めるべきではないのか。


 

 さて、22校の大阪市立の高校は寝屋川市にある大阪市立高校1校だけを除いてすべて大阪市内にある。それらにも他の府立高校同様に「定員割れが3年連続したら廃校」というルールを課した場合何が起きるのか。それは大阪市内の交通至便な場所に巨大な土地が生まれるのだ。この土地を不動産業者はタワマン用地として狙うだろうし、巨大な利権が発生するのである。維新の目的はまさにそこだ。府立の新設校と違って大阪市立の高校の資産価値ははるかに大きいのである。


 大阪市立の高校には工業科や商業科(今はビジネス科と呼ぶらしい)が設置されているところもある。大阪市立南高校には「国語科」という府立にはないコースも設置されている。工業科は今は入学希望者が少なくすでに定員割れの状況にあるわけで、たちまち3年連続定員割れという状況に陥るだろう。

 東大阪などに多かった小さな町工場がどんどんつぶれていく中で、そこに就職する進路を目指す工業科の生徒が減ってしまうのは大阪の産業が衰退していく一つの流れである。そうした産業を保護するために工夫すべきなのに、3年ルールに当てはめて工業科をつぶすことが維新の会の目的である。彼らは大阪の伝統産業を守りたいなどとは全く考えていない。


 大阪市内にある21校の敷地と校舎、その巨額の資産を大阪市は無償譲渡させられた。大阪市議会では公明党と維新の会の賛成によってこの「市立高校タワマン法案」は可決されてしまったのである。何のためにこんなことをするのか、それについてこうして記事に書いてる人は今のところオレ以外には誰もいない。大阪府民、大阪市民の多くは維新の陰謀について気づいていない。そして住民投票で大阪市廃止に反対した良識派の市民でさえも、まさか維新の会がこんなとんでもないことを狙ってるなんて予想もしないだろう。



 オレのこの記事をおそらく維新の連中は「デマ」と決めつけて激しく攻撃してくるはずである。確かにオレは確かな根拠があって書いてるわけではない。オレの記事はあくまで憶測である。しかし、東住吉区にある明浄学院高校の理事会がいつのまにか暴力団関係者に乗っ取られ、不動産屋がその土地を取得してタワマン用地として売り飛ばそうとした事件がつい最近起きているのだ。この事件では22億円を着服した容疑で理事たちが取り調べを受けているが、関係者として東証一部のプレサンスコーポレーションの社長が逮捕されている。

 明浄学院高校で起きたこのヤクザがからんだ地上げ案件はそこだけの特殊事情と言えるだろうか?


 オレはそうした動きがいずれ大阪市立のすべての高校に発生することを予測するのである。何しろ維新の会の正体はマイルドヤンキーの集団である。維新の街宣車はあの住民投票の時に反対派の街宣車を恫喝したり、大声で罵倒したりしていたが、はっきり言ってやってることはヤクザとあまり変わらないのである。



 森友学園事件でそのすべての財産を奪われた籠池夫妻は、住之江区に所有していた幼稚園を固定資産税のカタに取られてしまい、その土地は維新の関係者が取得して転売したそうである。学校法人の固定資産税は非課税である。どうして税滞納という言いがかりのような理由で、億単位の価値のあるものが奪われたのか。滞納したとされる金額は5年分1000万円だが、払う必要のない金額だから籠池氏は払ってなかったのではないか。本当の悪はいったい誰なのか。大阪府民、大阪市民は知っておく必要がある。



 オレは正義のために戦いたい。そしてオレの愛する大阪を単なる金儲けの手段としてめちゃめちゃにしようとしてる竹中平蔵や、その手下として動いてる維新の会の連中がとにかく許せないのである。



 どうかこの事実を一人でも多くの人が知ってもらいたい。そしてこの記事を拡散してほしいのである。大阪を守るために。維新の陰謀を食い止めるために。これ以上大阪をめちゃめちゃにさせないために。

モノ書きになることを目指して40年・・・・ いつのまにか老人と呼ばれるようになってしまいました。