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スポーツクラブの広報に必要な3つの力

プロ野球独立リーグの福井ワイルドラプターズという球団で広報を担当しているミキタと申します。

まったくの無縁であった福井県で働き始め、今日で半年が経ちました。

昨年までは現役選手だったため、球団運営のノウハウはまったくありませんでした。こうした形で球団に関わることはおろか、名刺や電話の受け答えすらろくにできませんでした。
そして1月~3月までは社長以外のスタッフは自分しかいない状態。加えて創設1年目の球団のためタスクは膨大。
そして、そんな折にコロナウィルスによる開幕延期など、とにかくなんかものすごい半年間でした。(#冒頭から語彙力)

ですが、そんな状況だったからこそ、とても成長できたとも思います。

「将来、自伝を書くつもりで生きなさい。そうするとすべての辛いこと・大変なエピソードが恰好のネタと思えます」
的なことを、某インフルエンサーがYouTubeとかで言ってた気がします。

1年目の球団に飛び込み、その1年目がここまでイレギュラーなシーズンという事実は、将来の自分にとっては非常に「オイシイ」話と言い聞かせています。

まだまだ至らぬ部分ばかりで多方面に迷惑や心配をかけまくりな日々ですが、少しずつ「できること」・「得意なこと」も増えてきました。

本日で6月、つまり上半期が終わる節目となります。
私が、今日までもがいてきた中で見えてきた「スポーツクラブの広報に必要な3つの力」についてこのタイミングでまとめてみることにしました。

いつも文章が長くなりがちですが、本当に賢い人の文章は短く洗練されているので簡潔に書きます。
「スピーチと〇〇は短いほうが良い」なんて言いますしね。では始めます。(#すでに長いわ というツッコミは受理しません)

私が思う、球団広報に必要な力は以下の3点です。
この3つの能力に関しては、「私が球団で一番」と自負できるほどまでに必要だと、この半年間で感じました。

①収集力…球団1の物知りになれるか


めちゃくちゃザックリと広報の仕事を二つに大別すると、自社メディア運用とマスメディア対応に分けられます。

私たちの球団では自社メディアとして、ホームページ、YouTube、Facebook、Twitter、note、Instagramを運用しており、現在はこれら大半のメディアにおける裁量権を与えていただいております。

そしてマスメディア対応とは、新聞・テレビ・ラジオ・雑誌といった媒体の記者の方々に対して、プレスリリースを出し、取材のスケジュール調整をし、時には電話で質問に答え、試合に来て頂いた場合は窓口となります。

自社メディアを運用するにあたっては、いかに選手や球団、福井県の魅力を応援してくださるファンに伝えるかが重要となり、そのためには、誰よりもこれらの魅力を知っていなければなりません

球団公式noteでは、選手の球歴を振り返るインタビュー企画を行いましたが、そのインタビューはすべて私が担当させていただきました。1人平均1時間以上かかり、総勢23選手に実施したため、約1ヶ月と膨大な時間がかかりましたが、おかげで選手のサイドストーリーに関しては、誰よりも知っているという自信はつきました

この企画に関しては、「私が選手のことを知りたいから」というのは5番目くらいの目的であって、最大の目的はファンの皆様が、より選手のことを深く知り、身近に感じてもらう気持ちの醸成ではありましたが、結果として、広報である私にも実りの多い企画となりました。

マスメディア対応においては、日々とんでもない量の質問に答えています。
特に今年はコロナの切り口から取り上げて頂くことが多いため、球団や選手のことだけでなく、リーグの今季における特別な運営ガイドラインや、行政の動きなども注視して、あらゆる投げかけに正確に答えなければいけません

最近はシーズンが開幕したことで日々の業務に追われ、インプットの時間が日に日に減ってきてしまっているという危機感はあるので、誰よりも球団を取り巻く事象に詳しくなれるよう、もっともっと情報収集の時間を作っていきます。

もちろん適切な距離感は大切ですが、選手と仲良くなること、行政の方々やマスメディアの方々と仲良くなることで、より自然なコミュニケーション、意見交換ができるようにもなっていくと思います。ということで皆さんご飯行きましょう。


②発信力…球団1、面白くかつ正確に情報を届けられるか


いくらインプットしていても、それを言語化できなければ全く意味がありません。

①にあげたような自社メディア配信は、まさに発信力が試されますし、マスメディア向けのプレスリリースも、文章力がめちゃめちゃ問われます。
文章ではなく、電話で対応することも多いため、トーク力も重要です。

そして配信する情報も、ただ事実を伝えるだけでは、情報が溢れている現代ではまるで目に留まりません。
もちろんシビアなニュースや、本当に事実を伝えるべき時には、それらを丁寧に伝えることも重要です。

ですが、日頃の試合の様子や、選手の魅力を伝えるためには、どこか普通ではない切り口が欲しいところです(ここに関しては、毎日Twitterを使うことで皆様の反応をダイレクトに伺っております)。

Twitteもnoteも、数を積み、読者のリアクションを見ながら日々テーマを持って改善を重ねていくことで上達していくものだと信じています。

ですので、まずは自分が使い倒してみることが大事です。昔から私個人として積極的に趣味で運用してきたTwitterとnoteの知見が、こうして球団公式として活かせるのは本当に嬉しいことです。
(特段、私の個人アカウントが成功しているという実感はありませんが…)

てなわけで、今もっとも球団としてやってみたい新興のSNSはTikTokなので、まずは私自身がしっかり使ってみようかしら…。ガンガン踊りますか。


③企画力…球団1、俯瞰的な視点を持てるか


今回のコロナ禍でもっとも浮き彫りになったのは、この力だったのではないでしょうか。
Stay Home の中で、球団としてどんなメッセージを出せるのか、どんな面白いことができるのか、については日々頭を悩ませていましたが、結局良い答えは導き出せずに今日まで来てしまいました。

今は少しずつ日常が戻ってきて、シーズンも開幕できたので「野球」というキラーコンテンツに依存するだけでも、少々のリアクションは得られるようになってきていますが、5月はTwitterのインプレッションを他の月よりも大幅に落としてしまったことは大いに反省しています。

4月に #エアBCリーグ開幕 という企画で爪痕を残せたものの、継続性のある企画は生み出せませんでしたし、攻めたイベントも開催できませんでした。

ですので7月からは、より試合を楽しんで頂けるような工夫を考えていければと思っています。
そのために日頃から意識しているもっとも大切な点は、「私たちは何者なのか」という問いを投げ続けることだと思います。

もちろん野球チームなので「野球」という切り口からPRしていくのは大前提です。しかし、その階層をもう一段階上げた時に見えてくるのは、「地域のシンボル」だったり「感動を届けるエンタメ」だったりするのかもしれません。

そうなると、私たちがやるべきことは、ただ野球のプレーの質だけを追求し、勝ちを求めることではないと思います。

このような高い視座で、俯瞰的に自分たちの立ち位置を整理し、その上で戦略を立てる、企画を立案する、メッセージを出すという役割が求められますし、私自身はそんな広報になりたいと考えています

3000文字を超えてしまい、後半はややクサくなってしまいましたが、これからも福井ワイルドラプターズのことを、そして新米広報のミキタのことを温かく見守って下さると嬉しいです。

参考になる部分があったかは分かりませんが、もしこれを読んでいる「スポーツクラブの広報やりてえ!」みたいな一風変わった思考をお持ちの方は、ぜひ上記の内容を頭に入れた上で、Twitterやnoteといったテキストメディアの運用に力を入れてみてください。僕が採用担当なら必ず見ますので。

あと私はデザインスキルが壊滅的で、あらゆる制作物が味気なくなってしまっているので、サムネやポスター、グッズデザインをやってみたい!という方は重宝されると思います。なんなら弊球団では即戦力ですので、上記のデザインに関わってみたい方いましたら、リモートインターン生、随時募集中です。

最後に宣伝をぶっこんでしまいましたが、
広報スタッフとして、福井のこと、選手や球団の魅力を調べつくし、それらをより面白い言葉や作品で、皆さまに届けられるよう日々工夫と改善を重ねてまいります。


シメとして、私が尊敬している横浜FCマーケティング部の松本雄一さんが、先日Twitterに投稿していた言葉を引用させていただき終わりたいと思います。

「#フロントの仕事ぶりとチーム成績は見えない糸で繋がってる」

以上。本日も最後まで読んでいただきありがとうございました!

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