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チョウバエ事件!

その日は朝から友達の結婚式に出かけ、夜はまた別の友達に会い、23時ごろに満足した気分で帰宅した。
明かりをつけて荷物をおろし片付けていると…視界に黒い何かが飛び交っている。
目の前の押入れの引き戸に止まったそれをよく見たら…チョウバエ!1匹だけじゃない、6〜7匹は飛び交っている。5畳のフローリングの小さな部屋に!
驚き慌てて立ち上がり、殺虫剤片手に発生源を探してウロウロ。その間にも腕にチョウバエが止まって、びっくりして飛び上がってしまった。

発生源は流しの排水口だった。前日の掃除で、「これは明後日に」と後回しにしたところだった…。排水口のそばに1匹のチョウバエがうごめいている。「ぎゃあ!」と内心叫んで殺虫剤を吹きかける。すぐには死なない。むしろ飛び上がって向かってくる。
慌てて廊下に避難して、部屋に繋がる扉を閉めて、何か使えないかと収納を漁り、スマホ片手に「チョウバエ 対策」「チョウバエ 殺虫剤」などと検索する。検索しながら、昔の家で大量発生したチョウバエをやっつけた時に、何を使ってたか思い出そうとする。この時点でもう泣きそう。黒い点が全部チョウバエに見える。軽いパニック&ノイローゼ状態である。
記憶と検索画面が「界面活性剤が効く」と教えてくれたので、マジックリンを携えてキッチンに突撃する。排水口にマジックリンを吹きかけては流し、幼虫と蛹の始末を目指す。飛び回る成虫には地道に殺虫剤を吹きかけ続ける。落ちた虫はティッシュで拾ってゴミ箱に入れる。

そうしてるうちに30分が経ち、元の静かな部屋が戻ってきた。
翌日、私は慌てて排水口を掃除した。

ご存知の通り、チョウバエは水回りの汚れを餌にして成長する。ある意味不衛生の象徴といえる。
恥ずかしながら、私は週1で床掃除してたのにも関わらず、流しの掃除は1ヶ月以上もほったらかしにしてしまったために、彼らの繁殖を招いてしまったのだ。

ハエが湧いてから慌てて掃除するというのは、病気にかかってから慌てて食事や睡眠に気をつけるというのと似てる。本当は予防できるのが1番。

仕事もそうで、ミスや失敗はどうしても生まれてしまうけれど、それでもケアレスミスは予防していけるのが1番。
床掃除は小まめに頑張るけど水回りの掃除は先延ばしにしていた私は、仕事(販売管理)でも、販促の企画は頑張るけど商品在庫の確認はおろそかで、そこでケアレスミスばかりしてトラブルを招いていた。
仕事だけじゃなく趣味の打楽器の練習でも、私は指と腕のコントロールの練習は小まめにやっていたけれど、ドラムロールの練習や練習曲をさらうのはおろそかだった。だからいつもリハーサルや本番でつっかえる。
そういえば普段の着替えも、トップスとボトムスの組み合わせは考えるけれど、靴と靴下の組み合わせは考えるのが面倒くさくておざなりだ。

こんな風に、「どこかはキッチリ頑張るが別のどこかをおろそかにする」というパターンが私の暮らしや生き方にあまねく広がり貫いていることに気づく。チョウバエは、その一端を見せてくれていたのだ。

人にはそれぞれ決まった癖とかパターンがあって、それはその人に降りかかる事件から、毎日のちょっとした仕草、行動にまで表れているのかもしれない。
決まった癖は赤ん坊の頃から持ってたのかもしれないし、実はまだ持ってなかったのかもしれない。
赤ん坊の頃持ってなかったとすれば人生のどこかで学習して身につけたということで、身についたということは(その頃の)自分の何か望みや目的とかと合致していたのかもしれない。

とすれば、自分の困った放置癖にも何か目的がある可能性がある。

胸に問うてみてパッと思い浮かぶのは「これ以上、根をつめなくて済む」なのだが、なにか色々と事情がありそうな気配がする。
案外1番事情を知ってるのが自分の身体だったりするものだ。
とはいえ、すぐに真相が分かることは少ない。問いだけ立てておいて寝かせているうちに、ある日ふと思い出すことがあって、それが核心に至る道だったりする。
だから今回も事情を教えてもらうその時まで、ゆっくり放置するとしよう。この放置からはいずれ確信が生まれるのを祈る。

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