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WHOの「グローバル・デジタル・ヘルス認証ネットワーク」

以下の文章は、個人的な試訳です!

WHOのグローバル・デジタル・ヘルス認証ネットワークは、堅牢かつ透明性の高い標準に基づいて構築されたオープンソースのプラットフォームであり、パンデミックへの備えを強化し、全ての人々により良い健康を提供する為の幅広いデジタル製品を開発する為の、デジタル公衆衛生インフラの最初のビルディングブロック(構成要素)を確立する。

経緯
COVID-19パンデミック時に、多くの加盟国が経済再開の為に使用した重要なツールの一つが、デジタル化されたCOVID-19検査証明書とワクチン証明書だった。

WHOは、国際的な保健活動の指揮・調整機関として、パンデミック初期に、全WHO地域と協力し、このような証明書に関する全体的なガイダンスを定め、「COVID-19証明書のデジタル文書化」を発表した。
COVID-19証明書のデジタル文書:ワクチン接種状況と検査結果」をそれぞれ2021年と2022年に発行。

COVID-19のパンデミック対応から学んだ事は、パンデミックへの備えとケアの継続の為に、保健文書の出所の二国間検証を支援できる世界規模の仕組みが、既存のギャップと継続的な必要性を認識している事。

グローバル・デジタル・ヘルス認証ネットワーク(GDHCN)は、追加的な使用事例をサポートする為のインフラ構築ブロックとして利用する事が出来る。
例えば以下を含む。
1)国際予防接種証明書(International Certificate of Vaccination or
  Prophylaxis)のデジタル化
2)国境を越えた処方箋の検証、国際患者概要(International Patient
  Summary)
3)国境内および国境を越えた予防接種証明書の検証
4)(WHOアカデミーを通じた)公衆衛生専門家の認証

このようなデジタル・ソリューションを拡大する事は、世界中の人々により良い医療を提供するために不可欠である。

このニーズに応える為、WHOはデジタルヘルス優先行動に関する世界戦略に沿って、グローバル・デジタルヘルス認証ネットワーク(GDHCN)を設立した。

GDHCNは、COVID-19証明書の地域ネットワークの経験を基に、デジタル化された欧州連合デジタルCOVID証明書(EU DCC)システムのインフラと経験を取り入れている。
GDHCNは、他既存の地域ネットワーク(ICAO VSD-NC、DIVOC、LACPass、SMART Health Cardsなど)の仕様と相互運用できるように設計されている。


参考資料(全てダウンロード可)
2021年8月27日付
COVID-19証明書のデジタル文書化:ワクチン接種状況:技術仕様および実施ガイダンス


2022年3月31日付
COVID-19証明書のデジタル文書化:試験結果:技術仕様および実施指針


デジタルヘルスに関する世界戦略 2020〜2025


欧州デジタルCOVID証明書


技術情報
GDHCN
は、WHOが既に加盟国と結んでいる信頼をデジタル的に反映した信頼ネットワークである。

GDHCNは、WHOが検証プロセスに参加することなく、「トラスト・アンカー」として機能する相互運用可能なトラスト・アーキテクチャを通じて、加盟国がデジタル記録と健康証明書の真正性を二国間で検証できるソフトウェア・インフラを通じて運用される。

*トラストアンカー
インターネット上での電子的認証の手続きの為に置かれる基点のこと。

↑図の説明

「A国の資格証明機関」から、「公開鍵」を「トラストアンカー」に送る。
「トラストアンカー」が、(情報の)出所を証明し、「メンバー加入」。

*公開鍵
公開鍵暗号で使用される一対の暗号鍵の組のうち、相手方に渡したり一般に公開する鍵の事。


「検証済み公開鍵」を、信頼ネットワークのメンバーに配布。
Aの鍵は、A国に。Bの鍵はB国に。Cの鍵はC国に。。


如何なる(信頼ネットワークの)メンバーからの「信用認証文書の出所」は、他のどのメンバーでも確認が出来る。


WHOはトラスト・アンカーとして、WHOと各加盟国間、ひいてはトラスト ネットワークに参加する加盟国間のデジタル トラストの為の技術的・ガバナンス的手順を確立する為
オンボーディング・プロセスを実施する。

*デジタル トラスト
組織がデータや個人情報を保護、保管、セキュリティを守る能力に対する顧客、パートナー、従業員の信頼度を測る尺度の事。

*オンボーディング プロセス
新技術に対する、導入後の知識やスキルなどの教育。


WHOは、個人のデータを保持したり、アクセスしたりすることは無い

参加メンバー国は、WHO管理のディレクトリに自発的に公開鍵を提出する。
これらの公開鍵は、デジタル署名された健康クレデンシャル(予防接種カード、健康記録など)が GDHCN 内で承認された機関によって発行されたことを検証するために使用される。

地域的・世界的な信頼ネットワークは、今日、パスポートやウェブサイトなど、情報の出所を認証・検証する必要がある場合に広く利用されている。

GDHCNは、COVID-19の対応で行われた管轄区域による既存投資を活用し、将来の流行やパンデミックへの対応における回復力に必要なデジタル・ヘルス・インフラを提供し、ケアの継続の為のデジタル個人健康記録の使用を可能にすることによって、全ての人により良い健康を提供するために設計されている。


GDHCN設立のメリット
1)個人が自分の健康情報を管理できるようになる
2)医療提供者は、ケアの継続性をサポートする為に、より簡単に医療記録
  を確認する
ことが出来る。
3)各国政府は、国内および国間で、承認機関に記録がリンクされているこ
  とを発行・検証する為の基準や仕組みを提供
することが出来る。


- INFO SOURCE - 
WHO homepage
https://www.who.int/initiatives/global-digital-health-certification-network