![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/79805867/rectangle_large_type_2_94f02fb7177c48a43b115c9d2b08ccdd.png?width=800)
Cinderellaでカオスを描く:Hop-a-Long 写像
「カオスCGコレクション」(川上博著:サイエンス社:以下「この本」)に掲載されている,B.マルタン氏の式によるカオスです。
$${x_{n+1}=y_n-sgn(x_n)\sqrt{|b x_n-c|}}$$
$${y_{n+1}=- x_n+a}$$
ここで,$${sgn(x)}$$ は,$${x \geqq 0}$$ のとき1,$${x < 0}$$ のとき−1をとる関数です。 「この本」には,次の例が示されています。
![画像1](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/79804278/picture_pc_dac1f86f4a25e4182345850defba7dc3.png?width=800)
上の2つ(a)(b)は$${a,b,c}$$ の値が同じです。次の説明があります。
(a)では,一番内側に描いたカオスは,少し長く観察していると不安定3−周期点の不変曲線に触れて,図(b)のように発達する。
つまり,(a)は一つの初期値から形成される図ではなく,複数の初期値から形成される図を同時に表示したものです。
また,(c)(d) については,(c)は10万点,(d)は20万点の場合です。
リンク先を開くと次の画面になります。(b)の場合を初期状態としています。
![画像2](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/79804561/picture_pc_3cbde7421dac92e99fb0ce37a6cccc01.png?width=800)
回数を増やすと次のように内側に図が出てきますが,そのうち形はほとんど変わらなくなります。このツールでは10万回(点)まで表示できます。
![画像3](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/79804784/picture_pc_0eac5fc499c17e2f6a656b530a1de433.png?width=800)
また,初期値の赤い点を動かすと次のように変化します。この本の(1) はこのようなものを同時に表示しているわけです。
![画像4](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/79804910/picture_pc_5f777dbe4d1b7b2dd3d5df474bdf7526.png?width=800)
では,係数$${a,b,c}$$ の値を変えて,この本にある$${a=3.0,b=0.3,c=0.3}$$をやってみましょう。ただし,本には書かれていませんが,同じような図にするには初期値を変える必要があります。この係数のときは,初期値によって多様な変化をします。なお,図の(d)の$${a}$$の値はミスプリントでしょう。本文にあるように,同じ$${a=3}$$ の場合です。
その他,係数と初期値によっていろいろな図ができます。
![画像5](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/79805344/picture_pc_6fb17510808385e7d03a9debe07c5e7c.png?width=800)
この本にあるのは2通りの係数の図ですが,さまざまな図ができるわけです。いろいろ探索してみましょう。見出し画像のような愛らしいハート型のカオスはどこにあるでしょうか。
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