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Cinderellaでカオスを描く:強制系のカオス

次の繰り返し公式でカオスを生成してみます。

   $${x_{n+1}=y_n+a x_n+\dfrac{5}{1+x_n^2}}$$
   $${y_{n+1}=- x_n+5 \times (-1)^n}$$

これまでと違うのは,$${y_{n+1}}$$ の式に $${5 \times (-1)^n}$$ がついていることです。
「カオスCGコレクション」(川上博著:サイエンス社)では,これを「強制系と呼ぶことにする」としています。いままでやった中でも,$${x_{n+1}}$$ の式に定数項がついているものは「強制系」だということです。

この例として,次のものが掲載されています。(あと4つあります)

画像1

しかし,この図について

2回写すごとに右辺が同じ形となる。したがって2回繰り返しを行った後点を表示しないと似た図がずれて重なってしまう。

と説明しています。ちょっと意味が不明なところですが,要するに,先ほどの式ではなく,2つの関数の合成関数として描くということです。

(1)   $${x_{n+1}=y_n+a x_n+\dfrac{5}{1+x_n^2}}$$
   $${y_{n+1}=- x_n+5}$$
(2)  $${x_{n+1}=y_n+a x_n+\dfrac{5}{1+x_n^2}}$$
   $${y_{n+1}=- x_n-5}$$

まず(1) で変換し,それを(2)で変換した値をプロットします。次のツールでは,定数項も値が変えられるようにしてみました。

リンク先を開くと次の画面になります。

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本の図2.7 の$${a=0.01}$$ の場合が初期状態になっています。回数を増やしていけばより鮮明になります。

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係数 b , c の値を変えてみましょう。似たような形状が続きますが,閉曲線になってしまうことがあります。

画像4

次の図は $${a=-1.42}$$ の場合ですが,b,c の組み合わせによって異なる図になっています。

画像5

しかし,初期値の赤い点を動かしてみると,閉曲線群になる場合もありますが,そうでない場合はそれほど図形が変わりません。
$${a=-0.26,b=0,c=4}$$ の場合は次のようになりました。初期値の場所を変えると放射状の線が変わりますが,中央付近にできている図はよく似ています。

画像6

見出し画像は,$${a=1.73}$$ で,bの値を変化させたものです。
このほか,さまざまな図ができます。探索してみましょう。

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