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高等学校「情報Ⅰ」のプログラミングのために(7) Python,JavaScript の入門書を探す

 「高等学校「情報Ⅰ」のプログラミングのために(4) Python,JavaScriptは「やさしい」か」 に書いたように,書店や図書館でいろいろ本を探した。目安は,センター試験の過去問を書いていて引っかかったことについて書かれているかどうかだ。書店では,満足のいくものはなく,買わずに帰った。
 図書館から借りてきた本はざっと目を通した。その結果,「やさしくはない」というのが,前回の結果。理由は,プログラムの作成環境の他に,エラーが起きて困った時に,本を見ても解決法が見つからなかったからだ。知りたいことも書かれていないからできない。

 たとえば,数研出版の副教材に出てきた用語が,目次や索引から探せるかどうかをこれらの本で調べてみた。

JavaScript
「JavaScript本格入門」(山田祥寛 技術評論社 2016)と,「JavaScriptとことん入門」(大津真 技術評論社)の2冊

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載ってはいるが,第6章や第7章はかなり後の方だ。イベントハンドラについては,その用語を知らなければ「マウスでクリックしたら反応する」ではさがせない。
「JavaScriptとことん入門」では,DOMとはなんなのかも目次ではわからない。目次は意味のわからない用語のオンパレードだ。
その点,「JavaScript本格入門」の方が目次は読みやすそうに見える。

Python
ゼロからわかるPython超入門(佐藤美登利 技術評論社)
実践力を身につける Pythonの教科書(クジラ飛行机 マイナビ)
Pythonプログラミング逆引き大全357の極意(金城俊哉 秀和システム)

Pythonについては,2次元配列のコピー,deepcopyについても調べた。

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「Pythonプログラミング逆引き大全357の極意」の「はじめに」には,「本書はPythonのほぼ全ての分野が網羅されています」と書かれており,本文693ページにも及ぶ本だが,意外に載っていないことが多い。

 どの本を持っていても,結局はWebでの情報に頼らざるを得ないのが今の状況だ。それだけ,Pythonの全貌は大きすぎるということかもしれない。
 それと,Pythonの入門書には,numpy,sympy,pandas,matplotlib,pillowなどのライブラリ/モジュールについてはあまり書かれていないものが多い。これらが載っているのが,タイトルにPythonの名がついていない,「Jupyter入門」(掌田津耶乃 秀和システム 2018)だ。書店ではなく,Amazonで偶然見つけたのだが,Pythonの入門書とは別に持っておいてもいいだろう。

 結局,「高校の情報の授業で扱うのに必要な知識」は,時間をかけて拾い出していくしかなさそうだ。それも,その学校の生徒の状況と教材に合わせて,である。四則演算とリストから最大値を求めたり並べ替えをする程度なのか,図も扱うのか,数学の関数のグラフも扱うのか,統計もPythonでやるのか,etc. 。JavaScriptであれ,Pythonであれ,教員がテキストを用意するしかない。そのテキストを用意するためには,何度も書いているが,かなりの量の勉強が必要だということである。