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この世とあの世の境 黄泉の比良坂

 奥出雲の鉄穴流しあとの棚田を眺めに行った前日,黄泉の比良坂と,いくつかの神社を巡ってきた。
 黄泉の比良坂,ここが一番の目的地である。この世とあの世の境目。伊邪那岐命が黄泉国から還るとき,追ってくる悪霊邪鬼を桃で撃退した坂。また,須佐之男命が大巳貴命に試練を課し,最後に大国主神の名を与えて国造りを託した坂でもある。

 出発は、松江から2駅鳥取側の揖屋駅。駅の近くに揖屋神社がある。祭神は伊弉冉命,大巳貴命,少彦名命,事代主命で,出雲国造との関係も深い意宇六社のひとつ。

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 神社の脇に 夜見路庵 の案内板があり,石段をあがってみるとあづまやがあった。

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 この先、道が続いている。黄泉比良坂まで続いているのだろうか。自転車なのでこの道はパス。

 国道9号線をしばらく走り,案内にしたがって踏み切りを渡る。坂を登ると黄泉比良坂だ。

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 黄泉の国からの出口をふさいだという石。しかし、裏側にはなにもない。石の下が出口だろうか。そうは思っても,石を上げてみることなど到底できない。

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 私は心霊の感度は鈍いので何も感じなかったのだが,感度の強い人なら何か感じるのだろうか。

 ここから、八雲立つ風土記の丘まで7kmほどを自転車で行く。途中で2つの神社と出雲国庁跡に寄っていく計画だ。田園地帯をひた走る。(タイトル写真)
 正面に見えるのが茶臼山。そのふもとの真名井神社を目指す。広くて気持ちはいいが,夏の暑い中,結構バテた。その途中に六所神社。ここも意宇六社の一つである。

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六所神社の裏手に出雲国庁跡がある。奈良、平安時代に出雲国庁のあった場所である。その付近一帯の条里制の名残りをとどめる水田が国府市街でもあったという。

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次に真名井神社。

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祭神は伊弉諾尊、天津彦根命(山代直の祖)。
意宇六社は,
 熊野大社(松江市八雲町)
 揖夜神社(八束郡東出雲町)
 六所神社(松江市大草町)
 八重垣神社(松江市佐草町)
 神魂神社(松江市大庭町)
 真名井神社(松江市山代町)
というから,これで3つ目。前回はレンタカーで熊野大社と八重垣神社を回っている。

 さらに走って,八雲立つ風土記の丘に到着。ここには岡田山古墳が2基あるが、中に入ることはできない。展示学習館と弥生時代の住居を復元した場所がある。

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 最後に,700mほど離れたところに神魂神社。祭神は伊弉冉尊であるが,出雲国風土記には記載がないという。

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 これで意宇六社を全部回ったことになるが,六社のうち4つはイザナギ,イザナミのいずれかが主祭神で,2つがスサノオ,クシイナダヒメというのが面白い。
 この日はここまで。バスで松江まで戻り,出雲横田に向かったのである。