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モーツァルト レクイエム : テンポと編成

 モーツァルトのレクイエムについて書こうと思っているのだが,楽譜のこと,演奏者のことなどいろいろあってまとまりがつかない。一度に書こうとするのが無理なので,少しずつ書くことにした。
 なお,書き始めるきっかけになったのは,岩代さんの note である。

今回は,テンポと編成について,好みの演奏の話。

 モーツァルトの音楽についていろいろ調べたのは大学6年(4年+2年)のときだったが,レクイエムについてはそれほど興味はなかった。その後,一応,ワルターの記念碑的レコードや,バーンスタインのLDは買ったが,それほど聴くことはなかった。

 興味が湧いたのは,アーノンクール・ウィーン・コンツェントゥス・ムジクスの演奏を聴いてからだと思う。それも,来日時のテレビ放送(ビデオ)だったか(今となっては判然としない)
 それで,アーノンクールのCDを買ったのだが,これにはエクストラトラックがついていて,Macで自筆譜を見ながら演奏が聴けるようになっていた。

 ここからだと思う。まず,いくつかCD・DVDを買った。Youtubeでも探した。
 その結果,好みの方向が決まってきた。テンポとオーケストラの規模だ。ベームやワルターの頃の大編成でゆったりした演奏より,アーノンクール,ガーディナー,ヘレヴェッヘの少人数で速いテンポの演奏がいい。映像はないが,フランスブリュッフェン・18世紀オーケストラの演奏もいい。これに慣れて,ベームの演奏を聴くと,鈍重に感じられてしょうがない。

 ベームのものは,名演奏との評価になっている。歌唱陣も超一流だ。
映像があるのは(グンドラ・ヤノビッツ,クリスタ・ルードウィッヒ,ペーター・シュライヤー,ワルター・ベリー)のもの,CDでは(エディット・マティス,ユリア・ハマリなど)だが,その歌い方についても今となっては気にいらないところもある。この「歌い方」特にソプラノについては稿を改めて書くことにするが,演奏全体については,いずれもYoutubeにあるので,(https://www.youtube.com/watch?v=-1DsJ5YQr5s)これと,たとえば,ヘレヴェッヘのもの(https://www.youtube.com/watch?v=yp35htc0lVY)を比べてみると面白いだろう。
 冒頭 INTROITUS の速さがまったく違う。ヘレヴェッヘやブリュッヘンはかなり速いので,それより少し遅い,ガーディナーなどの速さが今は一般的だと思う。アバド・ルツェルンもそのくらいの速さだ。リヒター・ミュンヘンバッハも同じような速さだから,最近になって速くなったわけではないのだろう。

 編成については,大編成が全部だめなわけでもない。モーツァルト没後200年のミサでショルティが演奏したものはよかったし,いまでもいいと思う。
 編成の小さい方では,当時のことを考えてか,かなりの少人数(合唱も)で演奏しているものもあり(ピエール・カオ https://www.youtube.com/watch?v=7LZ6gEh7yBM)聞き比べて見ると面白い。歌唱陣のところで改めて書こうと思うが,ソプラノのドロシー・ミルズがいい。映像はあまりきれいではないが,一聴に値すると思う。