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夜道の向こう側

いつもの時間に家に帰った。

玄関を開けて見るとリビングに横たわる同居人。近くに転がる酒の缶が多数。瓶に入った錠剤は1粒。同居人は泡を吹いて意識を失っていた。

あーあ。やられた。

一緒に手を繋いで飛び降りようね。抜け駆けはダメだよと何度も言ったのに。

とりあえず近くにあった45lの袋を持ってきた。すごく重くて1人じゃ袋に入れきらなかった。手足を身体に近づけて体育座りにしてラップで巻いた。今度は少しだけ簡単に袋に入った。


引越しの時に使った代車に乗せて車の助手席に乗せた。

少し長い距離を走る。
街灯のない暗く細い道。
曲がりくねった道。
暗くてよく見えない道を登ったり下ったりした。
先なんてよく分からないのでとにかく走った。

着いた頃には水平線上に鮮やかなオレンジ色の光が満ちていた。
車を降りると波の音がよく聞こえる。
助手席のドアをあけると目が合った。
「おはよ」

「…おはよ。帰ろっか。」

「はいよー、よく寝た〜」


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