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ツイートで振り返る2021年映画&ドラマ鑑賞メモ
図らずも、さまざまな面から「性」に向き合う作品が印象的だった2021年。それは「今もどこかで起きている女性の苦難」の話であったり、「有害な男性性への制裁」の話であったり、はたまた「愛しい人との関係は性愛だけに限定されない」という話であったり。そしてまた、クリエイター個人の持つ世界観がにじみ出た作品に強く惹かれた1年でもありました。そんな中で、特に心を揺さぶった私的映画Best10と鑑賞記録を、自分の感想ツイートを掘り起こしながらまとめておきます。
映画Best10
プロミシング・ヤング・ウーマン
巧すぎる脚本、巧すぎるキャリー・マリガン。正直いまだに感想をうまくまとめられないけど、鑑賞から半年たっても各場面の映像とその時感じた「傑作だ!」という心臓の高鳴りを鮮明に思い出せる作品。決して主人公キャシーを「ただのヤバいやつ」と思わせない描き方といい、傍観者の加害性をあぶりだす展開といい、配慮が行き届きながらエンタテインメントでもあり、とにかく巧いとしか言いようがない。
【プロミシング・ヤング・ウーマン】
— Shiho Nagashima (@evisilli) July 18, 2021
前途有望な女性を変えたある事件に対する復讐劇。核心は映像で見せずに察させる脚本、ヘビーな話しを彩るToxicが良すぎる!すぐそばの「いい人」達が見て見ぬ振りしてるもの。キャリー・マリガンとマーゴット・ロビー(プロデュース)への信頼がまた積み上がった。 pic.twitter.com/i8U3f0a9Ku
隔たる世界の2人(NETFLIX短編)
現実世界のそこかしこで起き続ける数多の黒人差別問題を、タイムループする一人の主人公の人生に集約したことで、色濃く描き出すことに成功した傑作短編。「タイムループって、そういう使い方が出来たのか…!」と感嘆せざるを得ないその語りの仕組み、メッセージの表現として秀逸すぎる設定の発明と脚本にしびれる。
NETFLIX【隔たる世界の2人】
— Shiho Nagashima (@evisilli) May 3, 2021
白人警官に殺されるその日を何度も繰り返してしまう黒人青年。様々な黒人差別の被害の実態を、タイムループしてしまう主人公に集約した脚本が秀逸。解決の糸口を見せつつも安直な「良い話」にはなるはずもなく、語り口鮮やかな分テーマがずっしりと重く残る傑作短編。 pic.twitter.com/mRBxIuLDyx
レミニセンス
決して褒められた作品ではないけれど、リサ・ジョイ監督の「私はこの画を見せたいんだ!」と一点突破してしまう強いビジュアルの力と「ナイロビの蜂」的物語の掛け算が心にぶっ刺さってしまいました。美しい水没都市に沈んだ信頼という名の愛の物語は、レトロでどこまでもロマンティック。レベッカ・ファーガソンが愛おしい。
【レミニセンス】
— Shiho Nagashima (@evisilli) September 25, 2021
なんてロマンティック・・・詩的で叙情に満ちた最高のラブストーリー・・・!❤️
失踪した恋人の真実を探る物語は「ナイロビの蜂」であり、“物語”の中だけの幸せは「つぐない」のよう。
「あの人ならきっとここに辿りついてくれる」という信頼こそ愛。
水没都市がまた美しい。 pic.twitter.com/VgnTvrlG4R
DUNE 砂の惑星
ドゥ二・ヴィルヌーヴ監督の過去作では『メッセージ』が一番好きだったんですが、私はドゥ二組の様式美に対する美意識の高さが好きなんだと改めて実感。動く絵画として、プロダクションデザインから美術、衣装、ヘアメイクに至るまで完璧でした。役者陣の中では特に、気高き領主を演じたオスカー・アイザックの色気に完敗。
【DUNE 砂の惑星】
— Shiho Nagashima (@evisilli) October 15, 2021
とにかく至福眼福私得な3時間だった・・・。プロダクションデザイン、衣装、ヘアメイク、重低音に、これぞドゥニ作品って感じの色味まで世界観完璧か。
シャラメ君の圧倒的主役感、オスカー・アイザックの色気、モモアの頼れる体躯と忠誠、役者陣も最高。早くおかわりしたい! https://t.co/bZM185eyPS
フリー・ガイ
近年こんなにスイートでハッピーな気分になれる映画があっただろうか?ゲーム世界のあるあるをおちょくりながらも、出てくるキャラクターたちを好きにならざるをえないあたたかな作風に心がほかほかになりました。「最後の決闘裁判」と合わせて、今年はジョディ・カマーのブレイク年。
【フリー・ガイ】
— Shiho Nagashima (@evisilli) August 21, 2021
ゲームのモブキャラに自我が目覚めるスイートでハッピーな「ウエストワールド」。テンション高めの世界観の中で、脇役とされる者達への暖かい眼差しにほろり。R・レイノルズのハマり具合はもちろん、開発者たちのサイドストーリーが可愛い~。洋画好きにはたまらないカメオ陣も最高! pic.twitter.com/bYZKyVj27y
ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結
大集合した落ちこぼれ悪役たちに対するジェームズ・ガン監督の愛に満ちたまなざしが、作品を唯一無二のものに。スースクで見たかったのはこれなのよ!ヘンテコなヴィランを登場させても、えっ!?というタイミングでキャラが大量に死んでも、それでもどこまでも読後感はスイート。ここからスピンオフされるのがジョン・シナ演じる「ピースメイカー」ってのも最高です。
【ザ・スーサイド・スクワッド】
— Shiho Nagashima (@evisilli) August 15, 2021
今まで「イケてる悪役大集合」がスースクだと思っていたが、そうか「落ちこぼれ悪役大集合」だったのか!
ガン監督のはみ出し者達への愛がまぶさり、ミッションに挑むヴィラン達の魅力がやっと華開いた感。これが見たかったのよ🎉
※しっかりグロいので注意! pic.twitter.com/qXkKocho4q
エターナルズ
新キャラ10人の数千年に渡る物語を2時間でさばきながら愛着をわかせろという難題を見事にクリアしたクロエ・ジャオ監督。セナとギルガメッシュに代表されるような、多様な関係性の美しさ・尊さを見せてくれた作品でした。役者のパーソナリティを反映したキャラクター造形も好き。物語の後半の展開は、リチャード・マッデン自身がまとう「高潔さ」に支えられていたような。
【エターナルズ】
— Shiho Nagashima (@evisilli) November 7, 2021
人類史を土台に描く壮大な話の中で、新キャラ10人のパーソナルな話を描くのなかなかすごい。俳優のパブリックイメージを上手く役に取り込んでいて、特にアンジェリーナ・ジョリー、マ・ドンソク、リチャード・マッデンへの愛しみが深い。「忘れない」美しい台詞だった。 pic.twitter.com/WuEovzCK7J
最後の決闘裁判
三幕構成のラストでべりべりと「主観」が剝ぎとられ、人の醜く愚かな面が提示される構成・演出に、リドリー・スコット監督の衰えぬ力量をあらためて痛感。この脚本を執筆し出演もするマット・デイモンとベン・アフレック、そしてあんな役を引き受けるアダム・ドライバーへも尊敬が募った作品でした。今年一番、鑑賞後に感想を読み漁った作品かもしれません。
【最後の決闘裁判】
— Shiho Nagashima (@evisilli) November 13, 2021
羅生門形式で描かれるある女性の告発の行方。人の醜く愚かな面が、当人の「主観」が剥がれ落ちることによって痛烈に示される三幕構成と演出が見事。決してエンタメとして「消費」させない姿勢が、マルグリッドを各々の形で消費する男たちをあぶり出していく。リドスコさすが。 pic.twitter.com/oIoXAUEkJY
パワー・オブ・ザ・ドッグ(NETFLIX)
「有害な男性性」を体現するかのようなカンバーバッチのキャラクターの変化(というか徐々に見えてくる内面)に見入っていると…迎えた唸るようなラスト。ただし、それは私が見えるものしか見ていなかっただけであり、すべては最初からこのポスターに描かれていました。一級のサスペンス。
NETFLIX【パワー・オブ・ザ・ドッグ】
— Shiho Nagashima (@evisilli) December 30, 2021
絶妙な違和感を残しつつも辿りつく先を予測させない物語。有害な男性性を扱った作品で、そう来ますかと唸るようなラストを迎える一級のサスペンス!カンバーバッチはもちろん、K・S=マクフィーが凄い。見終われば、このポスターが全てだと気づく。 pic.twitter.com/XO9jXxURPy
ドント・ルック・アップ(NETFLIX)
この2年の混乱の間に見てきた、「政治家は全然頑張らない」「報道は視聴率には勝てない」「人はいつだって裏切る」、そんな「ああ、愚か」という学びをぎゅぎゅっと詰めこんだ皮肉たっぷりのブラックコメディ。クセの強いキャラを演じる豪華キャストの演技合戦が楽しい!
NETFLIX【ドント・ルック・アップ】
— Shiho Nagashima (@evisilli) December 26, 2021
彗星衝突まで6か月。その時アメリカは…全然頑張ってなかった!
巻き気味・被せ気味の編集、クセ強キャラ達が冴えまくる演技合戦。「愚か~」って思いながら見ていると、あれこれってこの2年ぐらい実際に見てきたものでは?となる世紀末ブラックコメディ。最高。 pic.twitter.com/ORzqs9j3By
その他の鑑賞作品
イン・ザ・ハイツ 感想
チック、チック…ブーン!(NETFLIX) 感想
キングスマン ファースト・エージェント 感想
マトリックス レザレクションズ 感想
ヴェノム レット・ゼア・ビー・カーネイジ 感想
ディア・エヴァン・ハンセン 感想
007/ノー・タイム・トゥ・ダイ 感想
アナザーラウンド 感想
ハッピー・デス・デイ&ハッピー・デス・デイ・2U 感想
シャン・チー テン・リングスの伝説 感想
ファザーフッド 感想
ワイルド・スピード ジェットブレイク 感想
Mother! 感想
ブラック・ウィドウ 感想
トゥモロー・ウォー(Amazon) 感想
ジャスティス・リーグ スナイダー・カット 感想
アーミー・オブ・ザ・デッド(NETFLIX) 感想
ラブ・セカンド・サイト はじまりは初恋のおわりから 感想
イントゥ・ザ・ビート(NETFLIX) 感想
パーム・スプリングス 感想
マルコム&マリー(NETFLIX) 感想
私というパズル(NETFLIX) 感想
ラストナイト・イン・ソーホー
クルエラ
OLD オールド
ゴジラVSコング
ザ・スイッチ
モンスターハンター
スタントウーマン ハリウッドの知られざるヒーローたち
ジェントルメン
クワイエット・プレイス 破られた沈黙
13時間 ベンガジの秘密の兵士
ゲティ家の身代金
ラブ&モンスターズ(NETFLIX)
愛してるって言っておくね(NETFLIX)
ゾンビランド ダブルタップ
ニュー・ミュータント
ドラマ
どうしても10時間近い時間をまとめて確保する必要があるゆえに、ドラマはあんまり観れなかった1年。ディズニー/マーベル系を追いきれなくなってきた…観れたものをメモ。
ブリジャートン家(NETFLIX)
主演二人がとにかく魅力的に描かれていて、その恋模様を久々にきゅんとしながら追いかけた作品。「夫婦になること」「子を持つ」ことの喜びや輝きをキラキラと感じさせる作品でした。
NETFLIX【ブリジャートン家】完走!
— Shiho Nagashima (@evisilli) January 25, 2021
「恋人のフリから始まるツンデレ公爵との恋」という定番展開なのになぜこんなに面白いのか…!🥺❤️
途中で急にセクシー路線になるけどw、落とし所から逆算すれば納得。現代的味付けの19世紀社交界に、普遍的な「夫婦になること」「子を持つこと」の喜びが輝く。 https://t.co/VJ07tpV2U7
ペーパーハウス Season5 vol.1(NETFLIX)
どんどんスケールがでかくなって頭脳戦から銃撃戦に移行したものの、その緊張感とキャラクターの魅力は健在。まさかのVol.1ラストからのクリフハンガーで始まるvol.2は、31日に年越しとともにイッキミするんだ…!
【ペーパーハウス シーズン5 vol.1】
— Shiho Nagashima (@evisilli) September 5, 2021
人間くさい強盗団たちの警察・軍隊との戦いは全面戦争へ。10分に1回はイライラしながら、それでも本能に忠実に疾走するキャラたちが魅力的で異次元の面白さ・・・!先を読みあう頭脳戦要素は薄まったものの、緊張感途切れず5話イッキミ。12月の最終章が待てない😫 pic.twitter.com/juOEAyZH57
ファルコン&ウィンターソルジャー(Disney)
キャップは登場せずとも、彼が守ろうとしたものや理想とした正義の在り方がそこかしこに感じられ、そしてそれが唯一の正義なのか?と問いかけるような誠実で硬派な作風が良い。この作品を観てしまったら最後、星条旗を背負う黒人ヒーローとしてのファルコンの今後を見届けないわけにはいかない。
【ファルコン&ウィンターソルジャー】
— Shiho Nagashima (@evisilli) May 17, 2021
MCUの推し2キャラのドラマをやっと!
めっちゃ面白い!
正義が多様化し、正義vs別の正義となった時代。絶対的な存在であったキャップの「盾」は、何を代弁するのか。「黒人が星条旗を背負う」現実の難しさを直視しながらも、一歩を踏み出す物語に涙。 pic.twitter.com/eKlQBOjhfY
Sweet Home-俺と世界の絶望-(NETFLIX)
モンスターの造形が凝っていたり、日本刀を振り回す教師、という設定盛りすぎキャラクターの活躍が良かった。主人公たちの行動範囲は狭いけれど、色を使いこなした画作りでチープに見せない作品になっていました。
NETFLIX【Sweet Home-俺と世界の絶望-】
— Shiho Nagashima (@evisilli) January 1, 2021
面白かった!
キャラの濃い登場人物達と、趣向を凝らしたモンスター造詣。
WD初期のような、「人間が一番怖い」の中の希望にも向き合う物語。
ImagineDragons「Worrior」が鳴り響き、深い緑の闇に一筋のオレンジ色の光が差す見せ場の画作りが決まってて好き。 pic.twitter.com/86UYZik5Uo
ラブ、デス&ロボット Season2(NETFLIX)
このシリーズにはもっとエグみと尖りを。海外のイケてるアニメスタジオ見本市としては、「氷」のような独創的なビジュアルと出会える機会としてはとても貴重な作品。
NETFLIX【ラブ、デス&ロボット】S2
— Shiho Nagashima (@evisilli) May 16, 2021
海外のアニメスタジオをたくさん知れるオムニバスシリーズ。見応えあるビジュアルが色々楽しめて面白い。ただ、S1にあった物語のエグみはちょっと薄めで、このシリーズにはもっと尖ってて欲しさはある。個人的には「氷」「荒野のスノー」「聖夜の来客」が好き。 pic.twitter.com/6gq9xyPtGX
来年は人気ゲームのドラマ化「The Last of Us」もあるし、「ウエストワールド」も更新されるし、「ハンドメイズ・テイル」をそろそろHulu入りなおしてまとめて観たいし…何より、「ゲーム・オブ・スローンズ」の前日譚である「House of the Dragon」と「ロード・オブ・ザ・リング」の新ドラマシリーズがあるという、ファンタジー好きとしてはご褒美のような1年。映画はもちろん、ドラマもしっかり時間をとって観たいですね。
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