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最近見た映画の感想の補足②


①How to Blow up

 ヒュートラ有楽町にて鑑賞。上半期のベスト確定。非常にスタイリッシュで緊張感の糸を切らさないテンポの良さと事象に対する理由づけが非常にわかりやすくされている。だからこそ、FBIはテロを誘発しかねないと怒ったのだろう。個人的にはものすごく同意できるし、昭和史を齧っているか当事者と同年齢の世代なら若いうちに思想をカブらせて先鋭化することの危険さと愚かさを十二分にわかっているはずである。その危うさについても美しく描ききっているだけに厨二病を拗らせかけている人には見せてはいけないだろう。ついでに言うと元ネタになった冊子の思想に関して私は全く賛同できないしどちらかと言えば反対する腹積りの立場だ。とはいえ、映画の作品としての質はピカイチでそれが妨げになるとは思っていない。

②アンフロステッド

 Netflixオリジナル。ケロッグの異常さを示す映画はアンソニーホプキンスが結構昔に示しているが、新製品開発戦争に準えて新たに話を構築した。しかし、ケロッグのシリアルはわかってポップタルトは知らないしさらに言うならばライバル社のPost社の事はもっとわからない。しかしアメリカ人にとっては知ってて当然の対立のようだったため、ついていくのにだいぶ苦労を要してしまった。うまそうか如何かで言えば間違いなくNOだろうけど。

③DEUS

 アマゾンプライムで鑑賞。コロナ禍になってこの手のSF映画が濫造されてきた感じがするが、この作品も例に漏れず低クオリティな感じがダダ漏れている。というかタイトルで察しのいい人はわかるだろう。個人的に火星の果てにできた球体の謎に挑む点に関しては観客の興味を引くだろうがそのトリックには余りに劇中での説明が不足していて説得力に欠けるしその動機づけに関しても登場人物の口喧嘩で強引にたたみ込んでいる。そう云う所に「この手の映画」と言われる原因があるのではないだろうか。

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