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最短ルートで仕事を快適に!万葉流テキストコミュニケーションの極意 (下)- 実践編

こんにちは。万葉管理部の小川です。

前回の記事「最短ルートで仕事を快適に!万葉流テキストコミュニケーションの極意(上)- 原則編」では、「最短ルートで仕事の目的を達成できるコミュニケーション」に役立つ次の3つのポイントをご紹介しました。

  1. 自分の目的を強く意識する

  2. 自分の期待するリアクションを相手に分かりやすく伝える

  3. 相手が楽に理解できるようにする

本記事では、これらのポイントを踏まえて、実際に良いテキストコミュニケーションのための文章を作成するためのコツについて解説していきます。

必ず推敲する

前述の3つのポイントを踏まえて文章を作成しても、一回書いた段階では、改善の余地があることが多いでしょう。個人的な経験としては、改善の余地はほぼ必ずあるものです。そのため、できあがった文章を読み直して修正を加える「推敲」のステップが大変重要です。

まず、できあがった文章を最初から読み直してみましょう。この時、読み直しを相手の目線で行うのがポイントです。特に、次のような点に注意して読み直しを行います。

  1. 相手は、期待されているアクションをぱっと掴めるか?
    → 相手になったつもりで文章の冒頭を読み直し、「期待されているリアクション」を掴めるかをチェックします。

  2. 主語がわかりやすいか?
    → うっかり主語を省略してしまったために、相手がなんの話がつかめないことは意外に多いものです。主語はなるべく省略しないように意識しましょう。

  3. 一文が長すぎないか?
    → 一文が長いと相手が読み疲れてしまいます。40〜50文字程度に収めることがおすすめです。(ちなみに、この字数はセミナーで聞いたものを私が個人的に検証して「たしかに良いな」と感じている数字です。)

  4. 適切な接続詞をつけているか?
    → 相手が先を予測しながら読めると、相手はスムーズに内容を理解できます。相手に先を予測させるために便利なのが接続詞です。そのため、適切な接続詞を積極的に使うことが大切です。私が仕事で良く利用するのは次のような接続詞(※)です。

そのため・・・話題が目的から手段に移ることを予想させる
なぜなら / 理由は ・・・これから理由を説明することを予想させる
ただし・・・前に述べたことは厳密には少し違うことを予想させる
または / それとも ・・・別の選択肢の話が始まることを予想させる
ちなみに・・・それほど重要ではない補足が始まることを予想させる

※厳密には、上記「理由は」は接続詞ではありませんが、接続的な文節としてご紹介しています。

これらのほか、「相手は、本題までスムーズに読み進めていけるか?」という観点でも読み直しを行いましょう。特に、相手が文章を読んでびっくりしないかどうかをチェックします。

相手をびっくりさせないコミュニケーションを心がける

読んでいる途中で相手がびっくりしてしまうと、そのびっくりが気になって、スムーズに先に進むことができません。そのため、相手をびっくりさせないコミュニケーションをすることは、とても重要です。

では、どういう時に、相手はびっくりするのでしょうか? 典型的な例は、次のようなコミュニケーションです。

このコミュニケーションでは、Aさんが突然高級PCを買う前提で手続きについて質問してきたために、Bさんが驚きと不安を感じています。

Aさんは、実は以下のようなことを念頭において話しているのですが、このコミュニケーションでは、それがBさんに伝わりません。

  • ○○案件において☓☓機能の搭載された高級PCが必要だ

  • 部長に相談して、予算上問題ないから、手続きを購買のBさんに聞くように指示をもらったので聞きに来た

相手をびっくりさせないためには、「背景、経緯、目的」を簡潔に伝えることが効果的です。この例でいえば、次のようにまとめることができます。

背景・・・○○案件において☓☓機能の搭載された高級PCが必要だ
経緯・・・部長に相談して、予算上問題ないから、手続きを購買のBさんに聞くように指示をもらった
目的・・・購入のための手続きを教えてほしい

もしもAさんが、これらの「背景、経緯、目的」を意識して、次の図のように話していれば、Bさんはスムーズに手順を教えてくれたことでしょう。

今日から使える! パターン別の作文の流れ

これまでお読みいただいた方は、どんなことに気をつければ良いかを理解してくださったのではないかと思います。ただ、具体的に何から始めればいいの?と戸惑う方もいらっしゃるかもしれません。そこで、ここからは、仕事のシーン別に、作文の具体的な手順をご紹介していきます。

相手に【判断】を求めるとき

  1. 相手にどういう回答をもらいたいのかを決めます。
    たとえば、「YES/NO」、「選択肢Bでお願いします」「○○さんに確認して返事をします」など、もらいたい回答を具体的にイメージします。

  2. その回答を相手がするためには、どんな情報が必要かを考えます。
    たとえば、物品の購入許可を口頭で得たいとすれば、どんな金額の何をどのような目的でいつまでに購入したいのか、予算はあるのかなどの情報がなければ、相手は判断することができないでしょう。こういった、判断に必要な情報を準備しておきます。

  3. 本記事で解説したポイントをつかって作文します。相手に期待するアクションを冒頭に置き、背景・経緯・目的を簡潔に説明し、相手の判断に必要な材料を添えます。文章を視覚的にわかりやすいフォーマットに整えます。必要に応じて、詳細情報へのリンクを短いサマリー付きで添えたり、最後にまとめをつけます。

相手に【相談】をするとき

特に重要なポイントとしては、どういう課題(困りごと)があるのかを冒頭で説明します。

注意点として、困っている点を言わずに、「〜は○○でもよいですか?」のように解決策の打診などから入ることは避けましょう。その解決策が良いかどうかは、課題(困りごと)を理解しなければ判断できないからです。必ず、困りごとを伝えて、相手が自分と同じ目線で考えられるようにします。

ただし、なにもわからなくて困ることもありますよね…。そういうときはまず「助けてください!」と言いましょう。これによって、相手が「どうしたの?」と聞いてくれるモードになり、言い方を工夫しなくても相談をしやすくなります。

もしかすると、人に頼るのは悪い、自分で解決しなければと感じるかもしれませんが、人に助けてもらったほうが効率が良いのであれば、チームのためにも、人の力を借りるようにしたほうがよいと私は考えています。また、それが歓迎されるような職場が理想的だと思います。

なお、全面的に相手に頼りたいときでも、「自分がどこまで理解しているか」「どの情報を見て理解したか」は伝えるのがおすすめです。そうすることで、自分と相手の前提を揃えることができて、効率的に相談を進められます。

相手に【報告】をするとき

  1.  結論から!!報告するときは一番最初に結論から書きましょう。

  2. その後、詳細を伝えます。

  3. その報告で仕事が完了ではなく、続きの仕事があるときは、次に自分が取ろうと思っているアクションについて報告/相談しましょう。
    これをすると、相手が別途指示する手間がなくなり、スムーズに次の仕事をスタートさせることができます。たとえば、次のような報告/相談を行います。

    • 「次、私はこうしようと思いますがよいですか?」

    • 「次はこの対応が必要そうですが、誰に依頼するとよいですか?/○○さんにお願いしてもよいですか?」

まとめ

私たち管理部は、日々、この"極意"を意識しながらテキストコミュニケーションを行っています。

管理部だけではなく、エンジニアもテキストコミュニケーションが得意な社員が多く、リモートワーク主体でもコミュニケーションによるストレスをほとんど感じずに働けることが、万葉の良いところのひとつであると感じています。

万葉には、入社した人に対して、業務そのものだけではなく、円滑なテキストコミュニケーションについても助言をする文化があります。そのため、だんだんみんなのコミュニケーション力が向上し、効率が良くなっている面があるように思います。

この記事でご紹介した "テキストコミュニケーションの極意" は、そうした改善の積み重ねの結果、まとまってきたものです。ぜひ今日から、皆様の仕事に役立てていただければ幸いです。


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