最短ルートで仕事を快適に!万葉流テキストコミュニケーションの極意(上) - 原則編
こんにちは。万葉管理部(※)の小川です。
ここ数年で、新型コロナウィルスの影響でリモート勤務が増えたり、DX推進がされた結果、チャットやメールによるテキストコミュニケーションの重要性がますます高まっていると感じます。
万葉には、採用ページでもご紹介しているように「言葉を大切にする」価値観があり、私たち管理部社員は、社員とのコミュニケーションにおいて言葉を大切にしてきました。特に、社内のコミュニケーションの中心となっているチャットでのやりとりにおいて、できるだけスムーズに用件を伝え、必要な情報を引き出すことについて、訓練を積んでいると感じています。
そこで、これまで培った職人技ともいえるこのテキストコミュニケーションの極意を、ぜひほかの方にもお伝えしたいと思い、この記事を書くことにしました。
全体としてかなり長い記事になりそうなので、この「(上)- 原則編」で基本的な考え方をお伝えし、続く「(下) - 実践編」にて実践のコツをご紹介します。
※管理部は、万葉のバックオフィス業務全般を担当しています。
良いテキストコミュニケーションとは?
そもそも、どんなテキストコミュニケーションが、良いテキストコミュニケーションなのでしょうか。私は「相手がスムーズにこちらの話を理解して、期待した応答をしてくれること」つまり「最短ルートで仕事の目的を達成できるコミュニケーション」が良いテキストコミュニケーションだと考えています。このようなコミュニケーションが実現できれば、相手と自分の双方にとって大きなメリットがあります。
相手にとっては、コミュニケーションに使う時間を最小限にできるというメリットがあります。たとえば、相手がエンジニアなら、エンジニアリングにより多くの時間を使うことができます。相手が部長など権限の大きいマネージャーなら、たいていとても忙しい立場なので、「スムーズに確認や判断をしてもらえる」ことは会社にとって重要です。良いテキストコミュニケーションを行うにはそれなりの準備の労力もかかりますが、会社にとって十分な価値を生み出せると考えています。
また、自分にとっても、仕事の効率が上がるというメリットがあります。たとえば、私たち管理部は社員に書類の提出や修正をお願いすることが多いのですが、ここでコミュニケーションのスムーズさがとても重要になります。うまくいけば、1度でスッと理解してもらい、依頼したことに完璧に対応してもらえます。しかし、スムーズなコミュニケーションでなければ、やりとりが増え、再提出が多くなり、効率が悪くなってしまいます。
3つのポイントを意識する
では、「最短ルートで仕事の目的を達成できるコミュニケーション」をするためには、何を意識すると良いのでしょうか。私は次の3つのポイントが特に大事だと思っています。
自分の目的を強く意識する
自分の期待するリアクションを相手に分かりやすく伝える
相手が楽に理解できるようにする
順番に解説していきたいと思います。
1. 自分の目的を強く意識する
自分の目的がぼんやりしたまま、やみくもに相手に分かりやすいようにしようと努力しても、欲しい回答を最短ルートで得ることはできません。最初のステップとして、自分がコミュニケーションによって何を得たいのかを強く意識します。具体的には、以下をはっきりさせることをおすすめします。
回答がほしいのか、単に読んでもらえればいいのか
相手に何かのアクションを起こしてほしいのかどうか
相手の回答やアクションはいつまでに欲しいか
2. 自分の期待するリアクションを相手に分かりやすく伝える
自分の目的をはっきりさせた後は、自分が相手に期待するリアクションを、相手にはっきり伝えるようにします。おすすめは、コミュニケーションの冒頭でこれを伝えることです。
具体的な例としては、冒頭で以下のような文章を伝えるようにします。
〜の件について判断をお願いします。
〜の件について方針を作ったので、確認をお願いできますか?
〜について○月○日○時までに回答をお願いします。
〜についてお知らせするので、ご一読ください。
勤務表に誤りがあったので、修正をお願いします。
勤務表に誤りがありましたが、こちらで訂正します。
3. 相手が楽に理解できるようにする
早い段階で相手に期待するリアクションを伝えれば、相手の認識が大きくズレることは防ぐことができます。しかし、相手がスムーズに詳細を理解できるようにしないと、結局は相手の時間を奪ってしまったり、思わぬ方向のリアクションをとらせてしまうことになりかねません。
概要をつかんだ相手が、そのままスムーズに詳細を理解して、リアクションできることが重要です。そのためには、とにかく分かりやすく説明することが大切になります。
具体的には、以下のような点に気をつけると効果的です。
全体の情報量が多くなりすぎないようにする
難しい用語には予め補足をつける
見やすいフォーマットにする
「はい」「いいえ」や選択肢番号で答えられるようにする
関連情報のリンクには短いサマリーを添える
これらについて、さらに詳しく説明していきましょう。
全体の情報量が多くなりすぎないようにする
相手にわかりやすくしようとして、なんでもかんでも説明をつけたくなってしまうことがあります。しかし、情報量が多いと、本筋を読み取ることが難しくなり、読み進める意欲も減退させてしまいます。本当に必要なことを厳選して伝えるようにします。
参考までに、私がどういう情報を削るように努めているかの例を挙げておきます。
感情的な情報は削る。たとえば「私はこれが好きです」など。
相手がリアクションをとったときに自ずと把握できる情報は説明しない。たとえば、書類やWebサービスなどが別途相手に伝えてくれる情報は割愛する。(ただし、"期限"のような重要度の極めて高い情報は割愛しない。)
自分の意見が必要なときは書くが、不要なときは書かない。たとえば、話題となっている領域が相手にとって不慣れで参考意見が欲しそうであれば書くし、完全に相手の管轄で十分に判断できる場合には書かない。
文章の情報量が多くなり過ぎないように気をつけていても、どうしても文章が長くなってしまうこともあるかもしれません。そんなときは、最後に「要はこれをこうしていいですか?」などと、要旨をまとめて伝えるのがおすすめです。これによって、相手は大意をつかみやすくなります。
相手がわからなそうな用語には予め補足をつける
管理部の例でいえば、「BCP」「コンプライアンス」「内部統制」「内部監査」といった用語は、一般社員には伝わりづらい用語です。こういった用語を使う場合には、必ず補足を入れるようにしています。
見やすいフォーマットにする
読者の方も経験されたことがあると思いますが、ベタっとテキストで埋まっているような文章は、読みにくいものです。ある程度スペースが空いていて、塊を認識しやすいような体裁のほうが読んでもらいやすいと思います。
具体的なコツとしては、箇条書きをうまく使うと、見やすいフォーマットを作ることができます。
また、大事な点を目立たせるために、文字を太字にしたり、色をつけることがあると思いますが、太字や色を乱用しないことが非常に重要です。乱用すると、本当に大事なポイントがわからなくなってしまうからです。
「はい」「いいえ」や選択肢番号で答えられるようにする
質問に回答するときは、自由作文で回答するよりも、与えられた選択肢から選ぶほうが簡単です。したがって、相手の対応コストを小さくするために、できるだけ「どうしますか?」といったオープンな質問を避けて、「〜は〜にするという方針でよいですか?」とか「〜のプランはAとBのどちらにしますか?」といったクローズドな質問の形にするのがおすすめです。
回答のコストが大きいと感じると、相手は答えるのを後回しにして、そのまま忘れてしまったりします。一方、簡単に答えられると思えば、わずかな時間でもさっと回答してくれます。これは、最短ルートで求める回答を得るためには、大変重要なポイントです。
関連情報のリンクには短いサマリーを添える
相手に参照してもらいたい情報(イシューや社内ドキュメント等)が、インターネットやイントラネット上にあって、相手への発信の中でそのURLを添えたい場合があると思います。こうしたときは、必要に応じて参照先の内容の短いサマリーを添えると効果的です。
サマリーを添えることには、一見真逆に見える2つの効果があります。
それほど重要でない情報を相手が読まないで済ませることができる
重要な情報を読んでもらいやすくなる
相手にとって、参照先の新しい情報を読み込むことは、コストの高い行動です。そのため、サマリーがないと、次のような状況に陥るリスクがあります。
仕方なく参照先を読みに行ったが、実はあまり読む必要がなかった。結果的に、時間の無駄になった。
参照先を読むことが必須か判断できず、参照先を読まないまま対応してしまった。ところが、実は参照先は重要な情報だったために、適切な判断・アクションができなかった。
こういったことを避けるために、短いサマリーをつけておくと、相手は参照先を読みに行くかどうかを自分で判断でき、効率的に対応することができます。
まとめ
本記事では「最短ルートで仕事の目的を達成できるテキストコミュニケーション」に役立つ、次の3つのポイントをご紹介しました。
自分の目的を強く意識する
自分の期待するリアクションを相手に分かりやすく伝える
相手が楽に理解できるようにする
これらのポイントを意識してメッセージを組み立て、ブラッシュアップすることで、効率の良いテキストコミュニケーションを実現できると考えています。続く「(下)- 実践編」の記事では、すぐに仕事に活用していただけることを目指して、テキストの組み立て方や推敲の仕方を具体的に解説します。
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