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万葉のチーム観、そのはじまり

こんにちは、nay3です。今日からは、万葉の文化の根本であるチーム観について書きはじめたいと思います。より分かりやすくお伝えできるように、創業以来、私たちがどんなふうに変わってきたのかという切り口でご紹介してみたいと思います。

創業当初は、「チーム」に強い関心はなかった

万葉を立ち上げたときは、開発をチームで行うことが一般的になっており、万葉も自然な流れとしてチームで開発することを前提としてはいました。しかし、私個人は「チーム」について特段の関心があったわけではありません。振り返ってみると、私はプログラミングは中学時代から一人でやっていたし、スポーツに苦手感があったのでバスケ等のスポーツを通じてチームについて学んだこともありません。部活動などでリーダーシップを伸ばす経験は積んでいましたが、今思えば、それはあくまでもリーダーシップの経験であって、チーム作りというジャンルとは少し違っていました。

チームでの開発に特別な関心を持っていなかった一方で、アジャイル開発に対しては以前から、格段の愛を感じていました。「自分の好きなものを延々とプログラミングした経験があれば、誰でもアジャイル開発が好きになるに違いない。アジャイル開発はプログラミングという行為に対してとても素直で効率的な作法だ。」そんな風に感じていたし、それは今でも変わっていません。

そんなわけで、その当時、アジャイル開発に連なるプラクティスとしてペアプログラミングを実践してもいました。そこで、万葉で初めてエンジニア社員を一般から募集してみようということになったときに、アジャイル開発を推しているということを示すために「ペアプロをしています」という情報を添えたり、共同創業者の久保さんとのペアプロ風の "釣り写真" を求人サイトに掲載したのです。(白マックが懐かしいですね。)

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この「ペアプロ」要素に「チーム開発ができそうだ」という期待を抱いて櫻井さん(tatsuoSakurai、現VPoE)がジョインしてくれたことが、万葉のチーム観を育てる大きなターニングポイントとなったのです。

櫻井さんのジョインと変革の始まり

櫻井さんは、「ミスター・チーム」とか「チームおじさん」とでも呼びたくなるような、入社以来一貫してチーム開発や「人」とのつながり・連携を大事にしている仲間です。

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櫻井さんは過去に「エンジニア同士が協力しあえない現場」の辛さを経験していたため、チーム開発への熱意に溢れていました。前述のとおり、その当時の万葉は「開発力」はあっても「チーム力」は不足していたのですが、理解の少ない私たち経営陣に対して櫻井さんが憤慨しつつも根気強く「チームとは何か」を説き、チームを良くしようと動き続けてくれたことが、万葉の今のチーム観を形作ったと思っています。

チームの考え方は開発だけにとどまらない

櫻井さんが良くしようとしたのはチームでの開発にとどまらず、チームでの活動全般でした。その文脈において、チームという単位は開発プロジェクトのチームメンバーのことを指しているのではなく、広く仕事を共有する仲間たちのことを指しています。会社全体も1つの大きなチームであるということになります。

そのため、ジョイン後の櫻井さんは、チームを良くする過程で、それを阻んでいるかに思えた当時の経営陣(私たち!)を変えていく必要性に迫られました。

ぶつかりながら学ばせてもらった

櫻井さんが万葉を良いチームにしようと奮闘してきた道筋は、当時の私たち経営陣が櫻井さんという「ある種の異分子」に適応し、学び、変容してきた道筋でもあります。その結果、会社が1つの大きなチームとして役割分担しながら助け合えるようになっていったと思っています。

この過程で生じた「ぶつかり」、すなわち「チーム力の乏しい上司・経営者」と「チームへの情熱に溢れた社員」の間で発生した葛藤は、読者の方の参考になるかもしれません。そこで、少し具体的に掘り下げて見ようと思います。

当時、櫻井さんと経営陣の間で頻繁に発生した「ぶつかり」ポイントは、たとえば次のような項目だったと記憶しています。

・施策等の決定を周知する際に、なぜやりたいかが説明されない。
・施策等の決定を周知する際に、みんなでより良くしていけるという感じがなく、決定事項の伝達のようになっている。
・自分たちの決定を伝える際に「○○することになりました」というような、自然にそうなったかのような表現をするのはおかしい。
・「自分たちと同じ情報量を持ち、理解・行動できるだけの経験がある人」宛のコミュニケーションになっている。結果として、多くの人に対して、舌足らず・不親切なコミュニケーションになってしまっている。

これらについて、何年もかけて度々ぶつかりながら、私たちは少しずつスキルアップしていきました。行動習慣は、次のように変わりました。

・施策等をお知らせするときは、経緯や理由を丁寧に添える
・施策等は常に「現状の最善手として考えていること」に過ぎず、一緒により良くしていくことをいつでも歓迎しているという姿勢であることを添える
・「○○することになりました」ではなく「○○することに決めました」と表現する
・いろいろな人がいて必ずしもスムーズに情報が伝わらないことを前提に、丁寧に情報を添えたり、相談口を設けたりフォロー活動をして総合的に伝わりやすくする。「先にコストを節約して素早く話し、後で多くの人の不満や誤解といった大きなコストを払う」よりも「先にしっかりコストを払って伝え、後で手戻りなく順調に積み重ねに集中する」ほうが良いという意識に変わった。

ここではたった4つの例を出していますが、いま改めて見てみると、この中にいまの万葉のチーム観を支える大事な要素がしっかり含まれていると感じます。それは、次のような事柄です。

・会社は1つの大きなチームであり、会社がどうしていくかはチームの課題(みんなの課題)である
・メンバーの誰もが、チームの課題に取り組み、より良くしようと工夫できる必要がある
・チームにはいろいろな人がいるので、多くの人にしっかり情報を届けるには、丁寧で複合的な取り組みが必要

まとめ

以上、この記事では、創業当初「チーム」について特段の関心のなかった万葉がどのようなきっかけで変わっていったのかをご紹介しました。次回は、万葉の今のチーム観がどのようなものかについて書いていきたいと思います。



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