医療介護に関わる人が知っておきたいAIの知識 -入門編- 【エブリ塾より】
こんにちは!エブリ塾の陽川です。
今回は9月3日にエブリ塾で開催しました、株式会社エクサウィザーズの前川智明氏による「医療介護に関わる人が知っておきたいAIの知識(入門編)」の内容について振り返っていきたいと思います。
昨今、医療介護だけでなく、製造や金融業界など様々な分野においてAI技術の活用がなされてきています。これからどんどん活用されていくAIについて、そもそもAIとは何なのか、どういったことに活用できるのかということについて、セミナーで学んだことを中心にまとめていきたいと思います。
セミナーにご参加いただいた方は復習に、ご参加いただいていない方にも学びになるようにまとめてみましたので是非最後までお読みください。
今回の記事はこんな方にピッタリの内容です。
・AIに興味がある
・そもそもAIってどんなものなのかよく知らない
・医療介護分野で、AIが今どういうことに活用されているのか知りたい
・医療介護分野で、AIがこれからどういうことに活用できるのか知りたい
これからますます活用が進んでいくAIについて、これを読んで少し身近に感じていただければ幸いです!
そもそもAIって?
まず、AIの言葉の定義は以下のようになっています。
じんこう-ちのう【人工知能】
(artificial intelligence)推論・判断などの知的な機能を人工的に実現するための研究。また、これらの機能を備えたコンピューターシステム。1956年に、アメリカのマッカーシー(J . McCarthy 1927~)が命名。知識を蓄積するデータベース部、集めた知識から結論をひきだす推論部が不可欠である。データベースを自動的に構築したり誤った知識を訂正したりする学習機能を持つものもある。AI。(広辞苑webより抜粋)
定義にもあるように、人工知能という言葉が初めて誕生したのは1956年です。Marvin Winskyにより、人間が頭の中で考えることを機械にも行わせることを目的として命名されました。以降、様々な変遷を経て現在に至るわけですが、現在では、人工知能に厳格な定義はなく、様々な学問領域や技術分野、レベルにおいて使用されるようになってきています。
身近なAIでは、Google アシスタントやAmazonのオススメ機能なども私たちの身近に活用されているAIです。一口にAIと言っても、種類は様々です。
今回はAIの中でも、最近特に注目を集めているDeap Learninng、機械学習について説明していきます。
AIの機械学習には以下のように種類がいくつかあります。
1)教師あり学習
2)教師なし学習
3)強化学習
4)その他
それぞれの機械学習の方法によって、できることが異なり、用途も変わってきます。それぞれの用途や必要なデータ、活用事例を以下に示します。
活用事例にも示されているように、AIは多くの場面で活用できることがよくわかります。
一方で、AIを使うという観点で考えると気をつけなければならないことがあります。
それは、
「AIを使うこと」が目的となってはいけない
ということです。
AIは課題を解決するための方法の一つとして使われる手段の一つです。AIを導入する前に、「現在の課題は何なのか?」、その課題を解決するために「AIの活用が最適なのか?他に解決方法はないのか?」を検討する必要があります。AIを使うこと自体が目的となってしまっては、AIを正しく使用することができず、新たな課題が生じることにもなりかねません。
AIを導入する前に、一度、今解決したい課題が何なのかを見つめ直す必要があります。
では、課題と解決策についてどのように考えていけばいいのでしょうか?
下に課題と解決策を考えるための模式図を示します。
このように、課題に対する解決策について、AIが本当に最適解なのかどうか形式立てて考えると、AI導入についての活用についてイメージしやすいかと思います。
では、どのように課題を見つけていけばいいのでしょうか?
課題を見つけるためのポイントは
「ものごとを俯瞰的に見る」
ということだと前川氏は解説してくださいました。
現場課題だけで考えてしまうと、今まさに見えている部分にしか課題を見出せません。そこで課題については、俯瞰的に課題をとらえることが非常に重要となります。
俯瞰的に課題をとらえるポイントは3つです。
●視座を変える(どこから見るか?)
●視野を変える(どこまで見るか?)
● 視点を変える(どこを見るか?)
立場や時間軸・ものごとの捉え方を変えてみると、今見えている以外にも解決すべき重要な課題を見つけ出すことができるようになります。
AIに何ができるのかを理解した上で、AIをどこに活用するか、どのように活用してくかを判断する必要があります。
介護×AIの活用事例 〜ケアコチ〜
現在、介護分野で活用されているAIの一つには、動画で伝えるコミュニケーションアプリの「ケアコチ」があります。「ケアコチ」はスマホ一つで様々なことを行えるアプリとなっており、基本機能は3つあります。
1つ目は動画共有機能です。申し送り事項や説明しづらい事柄について、動画を介することで円滑にコミュニケーションを図ることを目的としています。
2つ目は、動画添削機能です。介護技術や機能訓練の様子について、その場にいなくても、動画を見て、ポイントとなる部分を赤ペンで指し示しながらコメントをすることができる機能です。
3つ目は、歩容解析AIです。この機能の開発には、弊社エブリハが技術開発に携わらせていただきました。ウェアラブル機器やセンサーなどの装着をすることなく、スマホでご利用者の歩容を動画撮影することで、その方の骨格をAIが抽出・解析し、歩く力やバランス機能を点数化することができます。歩容について見える化することで、ご利用者に歩行や機能訓練についてのアドバイスが出来たり、スタッフ間で歩行介助に入る場合の注意点について情報共有することができます。
☆「ケアコチ」について、興味がある!もう少し詳しく知りたい!という方は、ぜひ弊社まで連絡ください(info@everehab.com)。開発者・使用者の目線でわかりやすくご説明させていただきます。
ここまでAIについて簡単に説明、紹介してきましたが、AIを活用する上で大事なポイントは3つあります。
・とりあえず試してみる
・できるところから始めてみる
・継続して使ってみる
いろいろ考えて、実際に活用していくのは難しいかもしれないと躊躇うよりは、使ってみて活用できるかどうか判断するのが良いと思います。また、いきなり施設全体や業務全体でAIを使って変えるのではなく、フロアごとや時間帯、業務単位など小さなところから始めてみましょう。小さなところから導入してみた結果、上手く活用できているかどうか、意図していたところに落とし込めているかどうかを判断します。また、すぐに結果を求めるのではなく、継続して正しく使用した結果、意図したところに活用できているかどうかを判断するということが、AIを活用する上で大切なポイントとなります。
現在、AIの活用を検討されている方もそうでない方も多くおられるかと思います。ですが、どちらにも共通して言えることは、AIは課題を解決するための一つの手段であること、AIは決して万能なものでなく、AIにも得意なこととそうでないことがあるということ、それらを認識した上で、正しく活用することが重要であり、それができればAI技術はおそらくわたしたちの強い味方になってくれるものになるということです。
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