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営業時代の話part㉑

おはようございます!

今日は「営業時代の話」をお送りします!

▼第1話はコチラから!

それでは本日もよろしくお願いします!

※登場人物、企業、団体は全てフィクションです。

●お断り

大柴テクノロジーへのテレアポが失敗に終わった私は、藤橋さんにもらった休眠顧客リストを元に再びテレアポを始めた。目的はとにかく会ってもらうこと。それだけを頭に入れ、私はリストの頭から電話をかけ始めた。

 「ヒューマンの佐藤と申します。ご担当の方はいらっしゃいますか?」

 「人事部の方へお繋ぎいただくことは可能でしょうか?」

 「はい、ここしばらくご連絡出来ていなかったもので、もしよければ少しだけでもお話しをと思いまして」

 私はそれから数時間、とにかく電話をかけ続ける。しかし、決まって返ってくる答えは、

 「あいにく担当者は席を外しております」

 「新規の営業はお断りしておりますので……」

 「既に間に合っているので結構です」

 といった断りばかりだった。

 「はぁ……疲れたな。電話してるだけなのに、何か体力が削られているような感じがする」

 私は一旦休憩のためにコーヒーを買ってベランダへと出る。7階ということもあり、ベランダからは丸の内のビルたちが一望でき、私は密かにこのベランダがお気に入りの場所となっていた。

 「やっぱ思ってたよりも難しいな。テレアポなんて簡単に出来ると思ってたけど、いざやってみるとほとんど断られる。何か断られすぎると悪いことをしているような気がして電話するのが億劫になるんだよな……。でも、どこか一件だけでもアポとれるように残り少し頑張るか」

 私は缶コーヒーを飲み干すと、顔をピシャリと叩き気合いを入れ直す。そして、再び自席へと戻り電話をかけ始めた。

 しかし、それからもしばらくは断りの返事ばかりが続いていた。

 「全然ダメだ……。もう時間も遅いし、次を最後にしよう」

 私はそう思い、リストにあった“株式会社ハイクラス”という会社へと電話をかけることにした。

To be continued…

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