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不定期連載小説『YOU&I』4話
「……でも、いきなり授業出なくなるのも課題のことあるからみんなに迷惑かけるかな。それなら、来週だけ授業に出て、もう次からは授業出ないからって言った方がいいか。それか、授業とは別のところでそのことを話した方がいいのか?」
國立は一人コンビニで買ったおにぎりを公園で食べながらそうつぶやいていた。もうあの授業に出ないと決めたものの、どうやってそれを中野たちに伝えるべきなのかで頭を悩ませていたのだ。
「……あーダメだ。どうしたらいいかわからん。もうこのことは一旦忘れよ。また明日にでも考えればいいか」
そうして國立は頭を悩ませながら午後の授業へと向かう。午後からの授業では、いつも通りの平穏な時間を過ごすことが出来た。一人で落ち着いて授業を受けているうちに、先ほどまでの悶々としていたものは消えていく。そして、全ての授業が終わり下校する頃にはすっかりと気持ちは晴れていた。
「やっぱり一人でいる方が楽だし俺には合ってるな。よし、もう次にあのグループの誰かに会ったらそいつに言おう。それで万事解決だな」
そうして國立は気分良く、いつも通り本屋に立ち寄った後、カフェへと足を運んだ。
「お、今日は珍しく窓側の席が空いてるじゃん。やっぱり悩みが解決すると良いことってあるんだな」
そうして國立はコーヒーを購入してから窓側の席へと座る。コーヒーを飲みながら本を読むこの時間が、何よりも幸せな時間。店内に流れる落ち着いたBGM。店内には多少のざわめきはあるものの、静かで落ち着いた空間であるこのカフェは、國立にとって安らぎの場所であった。
いつになく気分の良かった國立は、それから2時間ほどそのカフェで本を読んでいた。コーヒーも飲み干してしまい、もう一杯注文をしたところ、店内も少し混んできていたため、店員があとから持ってくると言われ、札を渡された。
國立は何も気に留めず、その札を机に置き本を読みながらコーヒーを待つ。そして数分が経った後、
「お待たせしました。ブラックコーヒーです」
と店員が声をかけてきた。
「あ、どうも、ありがとうございま……」
お礼を言おうと顔を上げた時、國立は思わず絶句する。何故なら、そこにいたのはあの中野亜希だったからだ。
▶To be continued
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