「少人数組織ならではの環境で生きてる実感」- Sansanから出向中セールス平の挑戦モノガタリ
(この記事は、2021/3/4に公開した記事の転載です)
<プロフィール>早稲田大学大学院修士課程修了、博士後期課程中退。中学生のころより自然科学に惹かれ、研究者を目指す。結果として大学に10年在籍し、コラーゲンの研究に従事。その後ビジネスへの関心が高まったことから、2018年7月に上場前のSansan株式会社へ新卒入社。データ分析やマーケ部門への配属を予定していたが、ビジネス経験のため自らの希望でインサイドセールスへ配属。その後セールス業務でMVPを受賞し、フィールドセールスへと転身。2020年7月の社内公募をきっかけにSansan初の出向社員として株式会社EventHubへ出向中。
「ビジネスの出会いを作る仕事がしたい」と思い、出向制度に自ら手を挙げた
ー まずは、簡単に自己紹介をお願いします。
平 和馬(たいら かずま)です。クラウド名刺管理サービスのSansan株式会社で新規事業開発室に所属しつつ、2020年7月から株式会社EventHubに出向してセールスを担当しています。主な業務内容はビジネスイベントに特化したイベントプラットフォーム「EventHub」をお客さまに提案することです。商談は1日3-4件程度で、多い日には5件の日もあります。
ー 出向になった経緯を教えてもらえませんか?
元々、EventHubを使ったSansanのイベントに参加して、「このサービス、すごい...」と感じていました。ある日、Sansanで「EventHub出向」の社内公募があり、立候補したことがきっかけです。
Sansanでもセールスの部署に属していたのですが、「コロナ禍でオンラインでも商談はできるけど、ビジネスの出会いが減っているな」と思うことが多くありました。印象的なのが、老舗のメガネメーカーさんからのご相談です。「即売会で名刺交換をして、その場で眼鏡を売る」という従来の販売方法がコロナ禍で出来なくなったために、昔の名刺を掘り起こしたいという内容でした。本来ならば新しい出会いが欲しいのに、それが出来ないから過去に交換した名刺で解決するということだったんですね。そのことがきっかけで「ビジネスの出会いを作る仕事がしたい」という考えが頭の中にあったため、EventHub出向の公募があったときは迷わず応募しました。
その後Sansan社内での面接、EventHub代表のりえさんや他のセールスメンバーとの面接を経て、出向が決定しました。最終面接が金曜日だったのですが、月曜日には出向が決まっていて意思決定のスピードに驚きました。笑
ー 出向期間は決まっているのですか?
当初は2020年9月末までの3か月間の予定でした。徐々に延長になり、今は2021年の5月までを予定しています。出向直後はセールスとして結果が出せず大変でしたが、今となっては終わってしまうのがさみしいです。
ー そうだったんですね。Sansanに入社前の話も教えてもらえませんか?
28歳くらいまで大学の博士課程でコラーゲンの研究をしており、2018年7月にSansan株式会社に新卒として入社しました。Sansan社では、クラウド名刺管理サービス「Sansan」を中小企業のお客様を対象としたインサイドセールスとフィールドセールスの両方を経験しました。
実は、新卒に内定したとき、データ分析やマーケティングの部署に入る予定で、セールスへの志向性は低かったんです。ただせっかく事業会社に入るのに、ビジネス側を経験しないのは勿体ないなと思っていたところ、人事部長から3か月くらいインサイドセールスを経験してみないかと提案されたんです。「せっかく研究業界を飛び出したので、やるなら思い切りやってみたい」と自分から人事に頼み込み、結果として今のようなキャリアとなりました。Sansanでのセールス経験は社会勉強くらいのきっかけで始めていたので、人生どうなるかわかりませんね。笑
自分で考えて、行動して、決める。自分の提案がすぐに形になる面白さ
ー EventHubに出向して驚いたことはありますか?
裁量権や責任の大きさです。Sansanでも裁量権大きく仕事をしていましたが、EventHubでは人数が少ない分、さらに責任重く業務を行っています。例えば、EventHubでは「全部平さんの好きにしていいですよ。」と言われます。
セールス部門にいても社長や開発部門との距離がとても近いので、気づいたことをフィードバックしていくと、それがどんどん採用されていきます。Sansanでもプロダクトフィードバックはよくやっていましたが、小さな組織だとより強く感じます。
EventHubでは、自ら行動していかないと、なにも変わらないのに時間だけ過ぎていきます。そのため、とにかく必死でやらないと、という感覚があります。
ー EventHubの魅力を教えてください。
最初の出向のきっかけでもお話したのですが、何と言ってもまずはプロダクトがピカイチに良いです。本当に良いサービスだと思ってお客さんにも伝えられますし、みんな感動してくれるので楽しいです。オンラインイベントはリアルイベントの代替品と思われがちなのですが、はっきりしたメリットがあるんですよ。例えば、取るべき行動データがきちんと取得できることです。リアルイベントだと朝早くからせっかく準備した展示でも、それをチラっと見て資料だけ持って帰る人には寂しい想いをしてしまいますよね。「あれ?今だれが来たんだろう?」って。これ、EventHubだと誰が見に来たかが分かるようになるんです。チラ見した人のデータも全て取れるってすごいことですよね。
ー 逆にEventHubが今抱えている課題はありますか?
サービスや組織の長期的な目線を持つことですね。雇用形態としてもまだ正社員の割合が低く、事業フェーズ的にも仕方のない部分ではあるのですが、自分たちで何かを打ち出していくよりも、目の前の課題を解決していくことの優先度が比較的高かったと2020年は感じました。今後は、お客様が今どのようなことに困っているのか、その上で、私たちは世の中にどのような価値提供をする必要があるのか、そういったことを活発に議論、実践し、長期的に顧客や社会をリードしていくことが私たちのビジネスの成功に繋がっていくと思っています。
ー 今働いていて、楽しいなーと思う瞬間があれば教えてください。
驚いたことと重複しますが、自分が発した意見を基に、セールス組織の改善に繋がったり、お客様からの声に関することであればそれがプロダクトの機能として実装されたりすることですね。目の前のお客さんの声に向き合えるのは、やりがいがありますよね。
急拡大期だからこそEventHubでは生きていることを強く実感できる
ー これからセールス職を目指す人も多いと思うんですが、研究職からセールス職を経験されている平さんが伝えるセールスの魅力って何ですか?
私は元々研究者やエンジニアに近い気質でどちらかと言えば内向的でした。そのため、セールスはおろか、対人コミュニケーションですらできれば避けたいと思っていました。でも、実際の現場では、内向的であっても論理的思考で対処可能なことばかり。セールスにも攻略法が存在すると実感しています。時々刻々と変化する顧客状況を日々の営業活動から観察、言語化することで社内に販売方法や機能の提案をしたり、新機能の実装ではいち早く仕様をキャッチアップしてそれを顧客価値として再定義することでお客様に提案したりなど、勝ちパターンを見つけることに楽しさを感じます。
あとはEventHubにはユニークなキャリアの人も多く、日常的に学ぶことも多いです。色々なバックグラウンドの人たちとのコミュニケーションって人生に大きな影響をもたらしますよね。大学等で10年以上化学を専攻してきたことは、自分自身が自由に生きるためのリベラルアーツが原点だったのですが、交渉や決断などを伴う営業活動、事業活動にもそれに通ずるところがあるなと日々感じています。
ー もう一つお聞きしたいんですが、社員数が多い会社と少ない会社、両方を経験している平さんだからこそ伝えられることってありますか?
もちろんどちらの組織にも良い面があり、一概にどちらが良いとは言えません。今は少人数組織に属しているので、その良さを伝えると、自分で生きているという実感が湧きやすくなりました。今は、リーガルやセキュリティ、関連ツールに関する知識なども(最終的な確認などはしますが)基本は自分で調べて仮説を持ちます。それは、そういったことを相談できる専門の部署があるわけではないからです。自ら学んで、率先して実行しなきゃいけないので大変です。それに常にお互いにパツっていることが多いので、自分や周りを動かすためにどうするか、とにかく真剣に考えるようになりました。逆に、大きな組織だと役割が比較的明確で、自分がやることやミッションも決まっていることが多いので、そこに専念できるところが良さだと思います。
ー EventHubに合う人ってどんな方だと思いますか?
自分のことを信じ続けることができる、自灯明のような人ですね。やらなきゃいけないこともたくさんあるし、思い通りにいかないこともたくさんありますが、めげずにやり続けたときの結果は格別です。もちろん、素早く着実にPDCAを回す力とか、素直さ、ある程度のコミュニケーションスキルとかも必要だと思います。
ー 最後に、残り数ヶ月の出向期間ですがEventHubでやってみたいことがあれば教えてください。
個人的なミッションとしては、EventHubを「点」のサービスとしてではなく、「線」や「面」のサービスとして確立したいと思っています。オンラインイベントをリアルの代替としての目的だけで提案されたら、単なるオンライン化の作業のようでつまらないと思うお客様もいると思うんです。せっかくやるなら、イベントオンライン化のメリットや良さを存分に味わってほしい。クラウド名刺管理もそうですが、単に名刺をデジタル化するだけのようなサービスだと、部分最適になってしまってやっぱり使えなくて続かないんです。私は、部分最適なイベントのデジタル化の提案でなく、EventHubを通じてイベントの前後から顧客ビジネスの全体までリデザイン、提案できるようにして、オンラインイベントの素晴らしさを一人でも多くの人に伝えたいです。それだけの力がEventHubにはあると思っています。残り数ヶ月かもしれませんが、最後までEventHubのセールスとして矜持を持って職務を全うしたいです。
ー ありがとうございました!!
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