【あなたははなぜEventHubへ? - #3】公立学校の教師からEventHubの一人目人事になったワケ
<プロフィール>磯依里子(いそ えりこ) 1992年茨城県つくば市生まれ。2015年に国際基督教大学(ICU) を卒業後、認定NPO法人Teach For Japan3期フェローとして、大阪府泉佐野市に英語科教員として赴任。フェロー任期終了後、2017年よりNPO法人じぶん未来クラブにて、全国92自治体・200以上の学校法人で開催される表現教育プログラムの国内外の法人営業・プログラムマネージャーとして従事。同時に、同法人の採用・資金調達担当として従事する傍ら、Teach For Japanの海外渉外マネージャーを兼務。2021年1月より株式会社EventHubに人事として参画。
「教育」から「組織」へ。キャリアの軸が移った理由
EventHub入社前は教育業界でキャリアを積まれていたんですよね?
子どもたちが商品のようにラベリングされて優劣をつけられる - そんな教育システムを変えたい。全ての人が価値を認められてそれぞれが輝ける社会を作りたい。その手段として、学校の先生になることを決め、大学卒業後は大阪府泉佐野市に英語科教員として赴任しました。
教師生活を振り返ると、どんな日々でしたか?
卒業後は、Teach For Japanのフェローとして、大阪府泉佐野市に赴任しました。縁もゆかりもない土地に一人、赴任初日に机が飛んできたりして、精神的にも肉体的にも大変な日々でした。どうして自分はここにいるのか、自分自身の想いを試されるような2年間だったと思います。生徒と向き合うことの難しさを実感し、挫折感も味わいましたが、ひたすらぶつかり続け、「向き合う」ことの真の意味やあり方を模索し続けた期間でした。
その後のキャリアを教えてください。
教師としての生活はやりがいで溢れていましたが、学校の外の世界に触れる度に「時代が違うんじゃないか」と感じるくらいのギャップを痛感していました。特に私がいたような地方の公立学校は、社会の動向から置いてきぼりにされているような感覚でした。リソースが集まって発展していくのは学校の外の世界。そういう社会の分断を埋める手段として、教育委員会や自治体レベルで課題解決にアプローチできるNPO法人に就職しました。そこで3年ほど表現教育プログラムの法人営業に従事し、学校の外からギャップを埋めていく取り組みに携わりました。
3年間学びを重ねる中で次第に、組織を軸にしたキャリアチェンジに興味が湧くようになりました。「学校」という組織に外から関わる中で、組織としての課題が見えてきたり、そもそも組織に元気がないとプログラムを提供しても子どもたちにそれが届かないということを実感したりしました。「教育」から「組織」「経営」がキャリア形成のキーワードになっていったんです。
学校の先生から、企業の人事へ。EventHubを選んだ理由
教育業界から人事へのキャリアチェンジを考えるようになったということですね。
そうですね。学校という組織を内側からも外側からも見てみる中で、「全ての人は素晴らしいのに、それが認められる組織は稀有だ」ということを感じていました。なので、それぞれが持っている素晴らしい力や価値を引き出せるような組織を作ってみたい、という想いが湧いてきたんです。
そこで視野に入れたのが、人事としてのキャリアでした。
転職活動を始めようとしたのですが、そもそも職務経歴書だけで判断されるとなると、「教師→NPO職員→人事」という私の経歴は、キャリアステップとして非常に難しさがあることに気がつきました。
そんな時に声をかけてくれたのが、Teach For Japanの選考会で出会って以降、連絡を取り合う仲になっていたりえさんだったんです。
当時、どういう風に声をかけられたか覚えてますか?
「一人目の人事は大事だと思っている。組織ビジョンが合うかどうかも大事にしている。ただ、馬力をもって働けるか、人への想いがあるか、スタートアップ適正があるか、も大事。それらをかけあわせると母数がすごく少ないから、人事経験者に固執せず、人事が未経験だとしても汎用性が高い職業からの転職も検討する」
(もちろん言葉選びはこの通りではありませんでしたが)こんなニュアンスのことを言われたように記憶しています。
本質的にどういう能力が必要か考えた上で、一般的な採用において”当たり前”とされている「経験者を採用する」という概念を根本から疑って自分の能力や適正を見てくれる人とだったら働いてみて間違いないなと思いました。
とは言え、未経験の領域に対する不安もあったのではないでしょうか?
確かに、かなり緊張していました(笑)
ただ、個人的に自己肯定感がめちゃくちゃ強いので「飛び込めばなんとかなる」と思っていたし、泉佐野での教師生活を経てやり抜く力は鍛えられていると思っていました。
とは言え、自己肯定感が強いことと、業務に対する自信があることはイコールではありません。人事としての経験が十分ではない今、「できる」と思って進むことはできても自信をもつことはできないし、だからこそ今やるべきことが見えてくるのかもしれません。
急拡大中の組織に欠かせないことは「学級の安心感」と同じ
2021年1月に人事としてEventHubに入社されて以降、磯さんが大切にしていることを教えてください。
一言で言うと「話をよく聞くこと」です。
求職者の方に対しても社内のメンバーに対しても大事にしていることで、なおかつ今後もチャレンジしていきたいことの一つですね。
例えば面接時、もちろんその方の経歴や前職の環境はインプットしていきますが、マインドセットやその方の思考の本質を知れるよう、バイアスを抜いて話をよく聞くようにしています。
りえさんには当初から「磯さんが一緒にご飯行きたい人を連れてきて!」と言われていました(笑)。確かにりえさんが大切にしている価値観と私が大切にしている価値観は似ていると思うことが日々あるし、その方の価値観と我々の考えが合うのか、さらに会社が大事にしている価値観と合うのか、さらにその方がやりたいことがEventHubでできるのか。これを聞くようにしているし、自然にそういう面接スタイルになります。まだまだ、できているとは思わないですが。
この1年でEventHubは2倍以上の大きさになりました。急成長急拡大中の「組織」をどう見ていますか?
「会社って学級と一緒だな」と感じています。生徒と先生の信頼関係があってはじめて成立する学級、経営陣と従業員の信頼関係が欠かせない会社は同じように思えます。人が集まって組織として成立するには信頼関係の担保が欠かせなくて、その手段として、会社であれば人事制度やOKR・MVVを策定するし、学級であれば皆で学級目標を決めますよね。
その組織に所属していていいんだという安心感があり、それぞれが違うことが認められており、かつそこにやりたいことがある。それが達成されてはじめて、ただの集まりではなく「組織」になるんだと思っています。
いわゆる「50人の壁」を乗り越えられるEventHubってどういう状態だと思いますか?
まず大前提として、会社として大切にしたいバリューが、社員ひとりひとりに浸透している状態ですかね。EventHubのバリューは?と聞かれて、メンバーの皆さん誰しもが、意味もセットで答えられることだと考えています。国籍も業界も問わず、優秀な方を弊社に迎えいれている今、共通指針としての弊社の「バリュー」に立ち返って、コミュニケーションができる状態を目指しています。この点に関しては、ようやく弊社のバリューができたばかりなのですが、今鋭意作成中の人事制度の中はもちろん、日常の業務の中にちりばめていくような運用を考えています。
その上で目指したいのが、「チームとしての心理的安全性が高い状態」「情報共有がオープンかつスムーズにできている状態」ですかね。この二つの状態が担保できるようになれば、市場がめまぐるしく変化していく中でも、現場の方が感じた課題感に基づいて、スピーディーに意思決定ができる組織になれるのではと思います。
じゃあ、どうやってこの状態を作っていくのか、については、正直日々模索中ですが・・・一つ言えることとして、これら2つの状態を作るための根幹となるのは、「信頼」だと思っています。それは、会社からメンバー1人1人への信頼や、メンバー同士の信頼があってこそ、この状態が作れると思います。
ただ、今の課題としては(これは弊社だけではないと思いますが)
・毎月平均して2-3名の方々に入社をいただいている(嬉しいことにどんどん人が増えていく!)
・コロナ禍により、対面コミュニケーションや社内イベントの実施が難しいため、リモートワークが基本
という状況から、そもそもの「信頼関係」作りを行うことが難しくなっていると感じています。
なので最近の命題は、「信頼関係の構築」をどうやって仕組みに落としていくのか。まだ打ち手をたくさん打てているわけではないですが、この文脈で月に1回のシャッフルランチ制度(少人数のグループでランチを食べながらお喋りをする会、ランチ代は会社持ち)を実施しています。今後、どんどんこのような取り組みを増やしていこうと思います。
磯さんは、EventHubの中でどういう存在になりたいですか?
一番嬉しいのは、皆さんがハッピーでいること、です!
なので、そのハッピーを作る空気のような存在でいれたらと思っています。
EventHubで過ごしている人が「この会社でよかった」と思えるような組織を作りたいです。キャリアの観点でもそうだし、Well-beingとしても良かったと思ってもらいたいですね。例えば、アラムナイコミュニティができるとか。会社としてのベネフィットに限定せず、全てのメンバーが「この会社でよかった」と思える状態を目指していきたいです。その状態を作ることに、少しでも、空気のように介在できたら、私はそれで満足です。
ありがとうございました!
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