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オーストラリアの暑い夏にも負けない宇宙熱と決して溶けないアイスクリーム

こんにちは!アデレード大学に留学中のイブキです。


Australian Space Discovery Centreに行ってきた

本日、10月1日からオーストラリアではday lightsaving time(サマータイム)が始まりました。

時計の針が1時間進んで、アデレードでは来年4月の第1日曜日までの間、日本との時差は1時間半(通常時は30分)になります。

当分の間は、日の出が午前7時、日没の時間も午後7時半くらいになるので起きている間は常に太陽が上がっているような生活が送れそうです。

ついに夏が始まるんですね!

先週は、大学も中間休みということで時間に時間があったので、ずっと来てみたかったAustralian Space Discovery Centreという場所に行ってきました!

オーストラリアで宇宙と聞いてピン!
と来る方はあまりいらっしゃらないと思います。

それもそのはずで、Australia Space Agency(オーストラリア宇宙局)が開設されたのは2018年。日本のJAXAよりも15年も後のことです。

JAXAに統合された宇宙科学研究所(ISAS)、航空宇宙技術研究所(NAL)、宇宙開発事業団(NASDA)は20世紀中期に設立されていますので、それも考慮すれば半世紀の差があります。

予算においても日本との差は歴然。

Australia Space Agencyは2021-22年度において1700万ドル(約16億4500万円)が割り当てられていますが、JAXAはこの132倍(2124億円)です。

そんな、まだまだ成長著しいオーストラリアの宇宙開発事業ですが…

規模は小さいながらもオーストラリアにも日本では出来ないような宇宙開発の可能性があるはず!ということで期待を膨らませながらAustralian Space Discovery Centreにやってきました。

受け付けをくぐると、
「今ちょうどプレゼンテーションやっていますから、良かったらどうぞー」
というお知らせが。

平日のお昼ということもあって人も少なかったので、少し聞いてみることに。

プレゼンされていたのはResponsive Space Operations Centreという衛星をリアルタイムで監視するミッション司令室にあるスクリーンの説明や衛星から得られるデータの活用法に関して。

衛星から得たデータを使えば、下の写真のように地球の周りにあるロケット打ち上げに使われた積載物や宇宙ゴミ、宇宙ステーションといったものを見ることが出来るみたい。

「どれくらいの大きさまで衛星は探知することが出来るの?」
「宇宙に漂っているものと衛星が衝突する可能性はどれくらい?」
プレゼンの後には老若男女問わずオーディエンスから拍手喝采と質問の嵐。

これに対して、衛星のことに関して知識豊富すぎるお姉さんが納得の考えで回答していました。

何とこの会社が提供する衛星は20cm×20cm以上の物体であれば探知をすることが出来るそう。衝突の可能性が高ければ軌道修正をが出来るよう、上の写真にある司令室で随時モニタリングしているみたいです。
網でキャッチしたり、ロケットに取り込んでエネルギにーにすることが出来るロケットが出来ないか現在、技術開発が行われているとのこと。

この人は、本当に宇宙が好きなんだなーと感じさせられるような素晴らしいプレゼンで大きな刺激をもらえました。

オーストラリア政府が宇宙産業に期待すること

プレゼンが終わって展示室に入ると、思ったよりも小さい規模にびっくり…
でも中にあるものは子供の好奇心を湧きたてるには十分な展示の数々です。

衛星から見られるオーストラリアの地形の変動や雲の動きが学べたり…

人が多くてよく見えませんでしたが、火星探査機の操縦体験が出来たりします。

興味深かったのはこちらの地図。オーストラリアの国土は世界6位で約770万平方キロメートルと日本の約20倍。そんなこともあり、国中の僻地に衛星の通信所や追跡所が設けられています(オレンジの逆三角形が通信所、赤い丸が追跡所)。

領土面積は狭いですが、逆に日本は447万平方キロメートルという世界6位の海洋面積を誇るので(*オーストラリアは701万平方キロメートルと世界4位、日本の1.6倍)、こうした特徴を生かして種子島に宇宙センターを作ったり、小笠原諸島に追跡所を作ったりしていますね。

でも高校卒業後に農家としてアルバイトをしていた自分にとって、個人的に面白かったのは農業と宇宙のつながりに関して。

レポートによれば、オーストラリア政府は宇宙産業への投資を図ることにより、主要産業である天然資源採掘や農業活動への活用、例年発生する森林火災などといったオーストラリア特有の自然災害の解決を目指しているそう。

投資金額は2019年からの5年間で1億5,000万ドル(約110億円、年間22億円)に及び、農地にあるあらゆるものの位置情報(GPS)を把握することで、広大な土地で行われる農業の効率化・高度化を図ることが狙いなようです。

同じように日本政府でも令和5年度の予算においてスマート農業技術の開発に向けて44億円の投資をしています(同年度の予算全体を見ると約6,000億円とオーストラリアの270倍)。

もし私がロケットに乗れるなら

最後に建物を出ようとすると、お土産物コーナーに先ほどプレゼンをしてくれたお姉さんが。あたりは家族連れの方などでにぎわっていました。

せっかくなので、
「この中で一番人気の商品は何ですか?」
と聞いてみると

この日は天体ボールと宇宙飛行士用アイスクリーム(写真下)がよく売れているとのこと。

宇宙でアイスクリームって食べられるの?と思った方。
私も同じように思ったのですが、

どうやらこの乾燥食品。嚙んで見るとシャキシャキした食感があるようで、食べていると甘くて冷たく感じるそうことからアイスクリームと呼ばれているそうです。

長期間の宇宙でのミッションは激務で、食べるものはやっぱり重要。宇宙飛行士の方も少しは甘いものをとってエネルギーチャージしたいですものね。

これから夏に向かっていくオーストラリアで暑さに負けないよう、この宇宙食アイスのように私も外はカラっと自然体に、中はシャキシャキとしたマインドと冷静な心を持って勉強に励みたいと思います!


今回のブログは以上になります。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

次回もお楽しみに!

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