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トランスとフェムテック

おそらく、2020年、コロナ禍に入る前後からフェムテック(femtech)という言葉を日常的に耳にする方も増えたかと思います。

私自身も好奇心から、ネットや女性ファッション誌などから情報を集めたり、オンラインカンファレンスに参加したり、多数企業がローンチした色々な優れアイディアアイテムをポップアップ・ストアなどの市場に出回ってチェックしてました💖

2010年代をロンドン、パリ、メキシコシティと海外で過ごしてきた中で、例えば、女性のピル活用率は日本のそれよりも随分高いことも知ったし、PMS(月経前症候群)の対応策やマインドフルネスなセックスライフスに関するインフォなど、現地の女性たちが自分たちの身体に対して深く学ぶ機会が普遍的かつ日常的だったことが直に伝わりました。

今では、生理のある未手術を貫くFtM(トランスジェンダー男性)ノンバイナリーの方々など包括的ジェンダーを見越した上で展開されることが日常となってます。

もちろん、性別適合手術(SRS: Sex or Gender Reassignment Surgery)のオペを経て膣形成を経たMtF(トランスジェンダー女性)の方々にとってもフェムテック業界は必需な存在です。

私の場合、タイで手術を受けて早12年…アドバイザーを務めるirOdoriの仲間の中でも、女性器&膣形成のプロセスを成し遂げたメンバーも出てきました。

彼女に術後のアフターケアのアドバイスを数日していく中で、改めて、術後安心してウィメンズライフを暮らしていくためのポイントを私なりにカジュアルにまとめてみたいと思いました。

一応…、これは腸使用での造膣術を終えた後、約10年、これまで数人の婦人科のDr.との診察を重ねてきた私個人の経験と見解からと付け加えておきます(*同じ術式でも個人差あります)。

①かかりつけの婦人科医を見つける

まず、SRS手術前は泌尿器科などに通ってた方もいたと思いますが、術後の外性器(大陰唇、小陰唇、クリトリス)はもちろん、女性器の形状になりますし、造膣した場合は文字通りの"膣"ですので、婦人科をきちんと見つけることです。

取り分け、腸を使用しての造膣術を行った方は、その膣内構造が実際の膣に近い繊維構造となってますので、尚更、婦人科の専門医を見つけることです。

ただ、一方的で無知ゆえにトランスジェンダーに差別的、または手術によってできた膣に対して未知数過ぎて臆病な医師にも鉢合わせるかもしれないので、現在通ってるジェンダークリニックやSRSを受ける先生にも、術後の女性器、及び膣内を定期的に診てくれる先生に関して相談することも大事です。

その点では、日本でSRSを受ける方は、手術後に不測のトラブルがあっても、その先生に見てもらえるなら、内情が既に分かっているのでメリットですね。

ただ、その数や時間的制約は限られてますし、距離もありますし、何より、普段からメンテナンスケアレベルで定期的に診てくれるDr.を知っておくことがベターですので、親身になってくれるDr.探しを諦めずに🤗

LGBTQのNPO団体やアライ企業等がコラボして、何かヘルスケア系の講義にパネリストとして参加されるクリニックの先生のインフォも残しておくこともベターですね。

②洗浄は定期的に

私が実際に施術した腸使用の方法は、セックス時以外の通常時も多少なりは粘液で潤ってます。

ただ、本来の膣は善玉常在菌のラクトバチルス乳酸菌デーデルライン桿菌が高い数値で存在し、膣内は弱酸性で満たされてます。

これは、外部から侵入してくる雑菌への殺菌機能がありますし、同時に自浄作用もあります。

この膣内フローラがストレスや生活環境、外部からの強力な侵入菌類などにより、悪玉菌が増えると、膣内環境が悪化して、匂いがキツくなったり、普段とは変わったり、更には何らかの病状が顕れます……、それほど、の力て凄いんです!

概して、私の様な造膣術でできた膣内では酸性に属する乳酸菌数はとても少なく、アルカリ性に強い細菌類の方が優勢です(※かかりつけのDr.に酸性を保つ膣用のリキッド使用の効果を尋ねたら、無意味だそうです😅)。

また、比べて、十分に内部の水分量も足りてないため、自浄作用も期待できず、膣垢などの不純物も残るため、定期的に洗浄した方が清潔状態を保てます。

もちろん、内部を洗浄しなくても生活に支障をきたすこともないでしょうが、気持ち的には清潔な衛生状態を保ちたいですよね💦

③セーフセックスを

腸は優秀な臓器であるが故に私たちの人体を実は支配してると書かれた方もいらっしゃるほど、腸を使用した膣は、もはや腸としてではなく、別機能=膣として生きてます。

ただ、②で書いたように膣本来の自浄&殺菌能力を備えた防御力としては低いため、セックスの際は尚更、注意が必要です。

性病=STDs(Sexually Transmitted Diseases)は、特定のジェンダーやセクシャリティに関係になく、万人が気をつけなくてはいけない日常的病気ですが、別にそのリスクに関わらない悪玉細菌類であっても、彼らの吸収に関して、私たちの膣は尚更取り込んでしまいます🦠

本来、腟内は善玉菌である乳酸菌のパワーにより、通常は酸性で満たされてますが、精子は弱アルカリ性なので、セーフセックスを怠ると、中和されて好アルカリ性細菌による細菌性腟炎や、真菌であるガンジタ腟炎などを患う可能性だって大いにあります。

なので、プロテクションはしっかりしましょう☝️

まあ、そもそも、信頼関係でしっかり成り立っているステディ、またはカップルでもないのに、セーフセックスをしようとしない真心も知識もない輩はマナー違反と考え、拒みましょう🙅‍♀️

コンドームなしでの一過性のどうしようもない誰かさんの欲望よりも、あなたの身体の方が何万倍も大事です

④フェムテックを活用する

TWIGのポストで数年前に既に書いてはいますが、私の様なSRSによる膣、腸使用の膣には生理用品が必要です。

私の場合は、膣洗浄後セックス後数日はマストです🩸「手術でできた膣なんだから、要らないでしょう」はナンセンス🤷🏼‍♀️

もちろん、これは月経ではないのですが、片頭痛やお腹は痛くなり、血が鬱陶しいほど5~7日ほど出ます☹️

また、免疫低下により、膣内の乳酸菌量が減ると、疲れとかイライラと共に、織物が出ることもしばしば…

こういう時はストレスフル&貧血気味で過ごしてますので、だからこそ、フェムテック産業による知恵の結晶はありがたいものです💖

オシャレなサニタリーショーツなんてコスト的にも快適ですし、デリケートゾーン用のソープやジェルはマストです。月経時に身体に優しい食事だって参考になります🍽️

モナリザタッチは、残念ながらDr.の話だと私の膣の場合は効果は期待できないらしいですが、膣トレに関するメゾットやアイテムは有効ですので、女性器や膣の健康&アンチエイジングに関するtipsを把握していくことは、私たちのソーシャルライフに影響していくと言っても過言ではありません。

また、トランスジェンダーの女性ホルモンの摂取内容&サイクルも人によりけりで、たくさん摂ればより女性らしい見た目や若返りができるわけではなく、かと言って取らないと、更年期障害の様な症状が発生し、術後にスムーズな生活を送るには、その方個人の年齢、体質、ココロの状態など様々な条件を鑑みて、Dr.と話し合いながら内容量•摂取量をコントロールしなくてはならないことが課題です。

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以上、トランスジェンダーとフェムテックのライフスタイルを4つのポイントにして簡単にまとめました。

逆説的ですが、私がトランスジェンダーだからこそ、いわゆる、ナチュラルな膣や子宮の謎、月経や妊娠に関するメカニズムをきちんと知りたい欲が起こり、これからのフェムテック産業の未来にもますます興味がありますし、トランスジェンダー×フェムテックとして改めて画期的なヘルスケアアイテムアプリ開発なども期待してます。



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