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14.退院の目処が立つ

先の記事は外的要因、内的要因の対処のしかたというちょっと重苦しい内容でしたが、肝心の脳出血については運動機能、作業、発音ともにすこぶる順調に回復していきました。あとは元の生活に戻れば機能も自然に戻ってくるとのことでした。

病棟やデイルームでは常に背筋を伸ばして、深い呼吸を意識していたので自他ともに認める一番健康的な患者だったと思います。

吉報!

出血から一週間経った金曜の朝のことです。朝食をすませ歯を磨き終えていつものように窓から外を眺めていると主治医の先生がいらっしゃいました。

『血圧の状態も安定しており、各リハビリも順調と報告を受けています。喋りづらさもだいぶ改善されてますね。明日MRIを撮ってみましょう。おそらく血もだいぶ吸収されていると思います。』

『状態的には明日にでも退院は可能ですが、念のため土日挟みましょう。まだ出血して1週間ですからね、土日はリハビリもないのでゆっくりしていってください。MRIの結果も見ますが月曜退院で調整します。』

SCUで安静にしてそれから一般病棟へ移るのかと考えていましたがこの展開は想定外でした。

早くこの寝付けないベットや、周りで起こることから解放されたい!と思っていたのでこれは本当に嬉しかったです。

生存報告

出血した日は生きているだけでありがたい、これからは今までの生活を改めてひっそり山にこもりゆったり過ごそうと思っていましたが、日を重ねるごとに急速に回復してきましたのでまたがんばろう!となっていました。

ただこの先どうなるか分からない状態でしたので連絡をとっていたのは家族やごく近い友人に限定していました。

先生から"もう大丈夫!"のお墨付きが出ましたのでこのタイミングでFacebookで近況報告しました。暗い内容にならないよう前向きに書きました。やっぱり私は世の中から忘れさられてしまうのが一番寂しいです。今思うとこの頃はまだだいぶ心が不安定でした。

生存報告したからには頑張って一日でも早く復帰しようと自分を奮い立たせる意味合いもありました。

おかげさまで300件ちかくのいいねと100件くらいの励ましのコメントいただきました。嬉しかったです。コメント1件づつ涙を流しながら読ませていただきました。励みになりました。

SCUに移って以来毎晩家族と通話していましたが、日々改善されていく滑舌がこの日は特別良くなっていたようでした。やはり病は気からです。

寝不足は続く…

退院できる嬉しさからか?もう勘弁してほしいベットのせいか?(多分後者)ぜんぜん眠れませんでした。

ここに来てからずっと駐車されてある高そうなBMWを見ながら今日も帰れない先生がいるんだと眺めていました。※まあ先生のクルマかどうかは知らないんですけどね笑

たまに起きる不整脈(期外収縮)に気持ち悪さをおぼえながら夜をやり過ごしました。結局朝になると目覚めるのでおそらくそのうち寝てしまったんだと思います。あと数晩の辛抱です。

そういえば心電図が繋がれているのがストレス!と看護師さんに相談したら、なんとワイヤレスの装置があり取り替えてくれました。これだけでとても気分が良くなりました。もっと早く訴えれば良かったです。

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MRI→笑いは出なかった。

状態は順調でしたが、この頃は失笑恐怖症がピークの時でしたのでもしMRIの筒の中に入っている間に笑いが出てしまったらどうしようとばかり考えてしまっていました。

MRIまで付き添いしてくれるヘルパーさん、エレベーターに同乗する患者さん、廊下を歩いている時にすれ違う一般外来の方の顔を見て笑い出してしまいました。

完全にヤバい状態での検査でしたがなぜかMRI(最初に10分、造影剤を投与されてまた10分)は笑い出すことなくやり切れました。

検査後も相変わらず笑い出してしまいましたがなぜMRIだけ大丈夫だったか?不思議でした。本当にちゃんとしないといけない時は制御できるのか?わかりませんが。

結果→血が吸収されてる!

トップの画像のとおり出血したエリアはだいぶ小さくなっていました。出血した血は脳に吸収され、出血による脳の腫れも次第にひいてくると聞いていましたが、画像を見てやっと実感できました。

血は吸収されてきましたが今回の出血の直接の原因となる血管の卵みたいなもの(と先生は表現してましたが)があるかどうかはまだ確認できないとのことでした。

さらに舌の動きが良くなりこの時点でほぼ障害だと分からないレベルまで回復しました。一安心です。まだ克服しなければいけないことはたくさんありましたが大きな一歩でした。


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