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チャイコフスキーの祖父はウクライナ人!その音楽に与えた影響は?

京都・奈良EU協会
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ヴァイオリニストの齊藤清さんが3/13(日)の第25回音楽サロン《Salon des Six》で演奏したピョートル・チャイコフスキーの『瞑想曲』Méditationは1878年の3月から5月にかけて作曲された『なつかしい土地の思い出』Souvenir d'un lieu cherの第1曲です。『思い出』Souvenirはチャイコフスキーのパトロン(庇護者)として知られるフォン・メック夫人のウクライナのブライーロフБраїлівの別荘で完成され、作曲家は夫人への感謝の意を込めてこの別荘のあるブライーロフの頭文字を取って「B*******に献呈」(Dédiés à B*******)としました。

3/13(日)のコンサートで齊藤さんはチャイコフスキーとウクライナの関係についても述べています。作曲家の祖父ピョートル・フョードロヴィチはウクライナ人で、もとの名前はチャイカ(Чайка: カモメを意味する)で、チャイコフスキーの哀愁に満ちたメロディーはウクライナ民謡から多く影響を受けているのではと齊藤さんは言っています。

今回の放送ではそのような例として『瞑想曲』Méditation以外にも有名な弦楽四重奏曲第1番(作品11)の「アンダンテ・カンタービレ」Andante cantabileを紹介(演奏)します。

今回世界中に注目されたロシアとウクライナの関係はわれわれが思っている以上に複雑な歴史的・地理的要素があると思います。現在ウクライナの人口の約2割がロシア人で、ゼレンスキー大統領をはじめ約3割がロシア語を母語としています。一方でウクライナの首都キーウ(キエフ)はロシア民族の祖となる人々が住んでいた地域でもあります。

国境線をまたいで1つの民族、言語をともにする人たちが住んでいるのは世界中に多くの地域があります。それを強引な方法で結びつけようとする試みは過去(特に二十世紀)においてさまざまな紛争や悲劇を産んできました。

放たれてしまった矢と鉾が平和裏に収められることを祈りつつ、”SALON”のありかたについて、高畑町の魅力について、音楽と言葉について、音楽のもたらす影響力、コロナ等の世界の動きが芸術・音楽に与える影響について、芸術家の生きる道、危機と芸術、等々について、美しい音楽を聴きながら時間をともにお過ごし下さい。

🎼へ調のメロディー アントン・ルービンシュタイン 
Deux Mélodies Op.3 Anton Grigoryevich Rubinstein(1829 - 1894) 
🎼グラズノフ 瞑想曲 Op.32
Aleksandr Konstantinovich Glazunov(1865 - 1936) Méditation
🎼チャイコフスキー  アンダンテ カンタービレ   
Peter Ilyich Tchaikovsky(1840-1893) Andante Cantabile (from 'string Quartet', opus 11)
🎼チャイコフスキー 瞑想曲  Op.42-1 
Peter Ilyich Tchaikovsky(1840 – 1893) Méditation Op.42-1
🎼ボカリーズ Op.34-14   ラフマニノフ   
Vocalise Op.34-14 Sergei Vasil'evich Rachmaninov(1873 – 1943)
ヴァイオリン 齊藤 清
ピアノ    今井 恵理

https://www.youtube.com/channel/UCEL97z0eCboOeSiFHrbsbnA

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