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【TAM第10話】訪問者・冬

 この世界には、僕の他にも天使はいるけれど、中々出会うことってないんだよね。
 今日はさ、何となくちょっと高級なホテルのビルの上で、夜の景色を眺めていたんだ。
 そしたら、冷たい手の風が僕の髪をすいていったその後ろから、何かが近づいてくる気配を感じたんだ。
振り返らなくても、それが鳥じゃないって事は解ったさ。 それに、振り返るより先に、低い声が聞こえたからね。

「こんな街を好んで住む天使が居るとは珍しいな」

 声の主も僕と同じ天使……だけど、向こうの方が体が大きいせいか、僕が何だか子供っぽく感じて萎縮しちゃう。 着ている布の服だって同じなのに、向こうの方がたくましく見えちゃうし。 でも、ここは僕のホームグラウンド。 胸を張って、対等に話をしなくちゃね。

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アンニュイな気分になりたい時、ほんの少し自分から離れたい時におすすめです。

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