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夜明けは天使とうららかに あとがき

 目を通してくださってありがとうございます。あいいろのうさぎと申します。以後お見知りおきを。


 「夜明けは天使とうららかに」という今作は、長いお話を書いてみたいな、という欲求から誕生しました。ところが長い話は書きたいもののアイディアが浮かばない。仕方がないので、過去に私が個人的に書いた掌編の中から長編化できそうなものをいくつか取り上げ、その中からこの天使のお話を選びました。

 初めは本当に天使の予定でした。彼女が自分の正体を私に明かしてくれたのは制作中のことでしたが、どこか納得しました。一番最後にリセが手紙を書くところが書きたくて最後まで頑張ってきたところがあります。

 当初に決まっていたのは「ずっとその子の成長を見守ってきた天使が、別れの際に寂しくなってしまう」程度のことだったので、まさかそれが三万六千字を超える物語になるとは自分でも思わず。二万字くらいになればいいなぁぐらいの気持ちで書いていたために自分でもビックリしました。

 最初にある程度の流れを考えてはいたものの、実際に書いてみたらその流れからは外れました。思ったより菖太君が素直。彼はちゃんと相談のできる良い子でした(当初の予定ではリセ以外の人には何も言えない子だったのです)。

 そんな彼が江藤君に立ち向かうシーンなんて書く予定がなかったので、振り返るとこれにも驚いてしまいます。ただ、不思議なものですね。計画性が甘いという言い方もできるのかもしれませんが、書いている流れに沿っていくと自然とこうなりました。こういう時、私はキャラクターが導いてくれた、という言い方をしています。キャラクターたちに助けられながらリセと共に菖太君の成長を追った三万六千字でした。

 この長い物語に最後までお付き合いいただき、あとがきまで目を通してくださっている読者の方に心から御礼申し上げます。このお話がお楽しみいただけていれば幸いです。


 それではこの辺りで。またお目にかかれることを願っています。




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