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私小説『地球学徒の日記』

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✙この作品は、夢小説『スタウロライト 十字石の追憶』の外伝です。登場人物は本篇と同じですが、こちらは現実世界の日本国内(令和時代)を舞台とし、実在の事象を題材にしております。本篇…
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2023年6月の記事一覧

2023(令和五)年5月1話「大森・池上から横浜へ」

私小説『地球学徒の日記』2023(令和五)年5月1話 「大森・池上から横浜へ」 池袋から浅草橋まで、アイドルのイベントに明け暮れた連休週間が終わりました。その余韻に浸りながら、会場で撮影した記念写真を見返していると、向かい側で読書していたヒジリお姉ちゃんが、思い付いたように口を開きました。 ヒジリ 「…『新約聖書』に、こんな言葉が御座います。『私はアルファであり、オメガである。最初の者にして、最後の者。初めであり、終わりである』(ヨハネ福音書)と」  今年の連休週間は、動

2023(令和五)年4月「最初の者にして、最後の者」

私小説『地球学徒の日記』2023(令和五)年4月「最初の者にして、最後の者」 約3年間も続いたパンデミック(最早「バイオハザード」と呼んだほうが良いのでは、とも思います)が、完全な終息ではなくとも一つの区切りを迎え、世間に活気が戻りつつある春。新年度を迎えた4月と言えば、花見の季節です。私達も、幼馴染みのメグミ、姉のヒジリと共に、お花見に出掛けていました。 「わあ…綺麗な桜だね!」  私と腕を組みながら、夜桜を見上げるメグミさん。 「幼い頃、ここのスーパーマーケットに週