ロシア人の名前について簡単に
ロシアの名前(父性)について
この物語の主役、アレクセイ皇太子のフルネームは
アレクセイ(Alexei)・ニコラエヴィチ(Nikolaevich)・ロマノフ
そして、彼の姉、アナスタシア皇女のフルネームは
アナスタシア(Anastasia)・ニコラエヴナ(Nikolaevna)・ロマノヴァ(Romanova)
二人の父親の名前は、ニコライ(Nikolai)。
ロシア人の名前は、ファーストネーム+父称+苗字で構成されている。
アレクセイ皇太子の場合は「ロマノフ家の」「ニコライさんの息子の」「アレクセイ」。
アナスタシア皇女は「ロマノフ家の」「ニコライさんの娘の」「アナスタシア」。
なので、兄弟の場合はファーストネーム以外は一緒。名前見れば兄弟だってなんとなくわかる。
アレクセイ皇太子とアナスタシア皇女、微妙に違うことにお気づきだろうか。
そう、男性と女性でも微妙に違う。
男性の場合は、父称の後に「~~ヴィチ -вич」女性の場合は「~~ヴナ -вна」が付く。ロシア語の場合硬音、軟音の区別があるので、硬音の場合は「~オヴィチ -ович」「~オヴナ -овна」になり、軟音の場合は「~エヴィチ-евич」「エヴナ-евна」になる。
ただ、名前が「ア」「ヤ」で終わる場合は末尾の「ア」「ヤ」を削って「~イチ-ич」「~ニナ-инична」になる。
例えば、アレクセイ、アナスタシアの父親がイリヤだった場合「アレクセイ・イリイチ」「アナスタシア・イリイチニナ」になる。
因みに、ニコライ二世の父帝は、アレクサンドル3世なので、「ニコライ・アレクサンドロヴィチ・ロマノフ」が、ニコライ二世のフルネームだ。
じゃあ、公式の場合は如何呼びかけるの?仲良しさんの場合は?
一般的に、「名前」+「父称」が「~様」にあたる。
故に、アレクセイ様と呼びかけたい場合は「アレクセイ・ニコラエヴィチ」と呼びかければ良い。
逆に、仲が良い間柄は愛称で呼び合う。
アレクセイが体調を崩し自分で動けないけど移動したいとき、力持ちの第三皇女マリアに、こう謂っていた。
「マーシャ(マリアの愛称)!僕を運んで!」
因みに、アレクセイの愛称は「アリョーシャ」または「リョーシャ」。
第一皇女 オリガは「オーリャ」、第二皇女タチアナは「ターニャ」、第三皇女マリアは「マーシャ」、第四皇女アナスタシアは、「ナースチャ」というのが一般的な愛称だそう。
因みに、ニコライ二世は「コーリャ」がロシア風の愛称ではあるが、妻のイギリス育ちのドイツ人、アレクサンドラは、彼を「ニッキー」と英語風に呼んでいたことが、彼女の日記や、彼女からニコライ二世に宛てた手紙に残されている。
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