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僕らはまだまだ 孤独でたまらないと認めよう


OKAMOTO'Sというバンドを知っているだろうか。
もう前回と書き出し全く一緒やんって言わないでくださいね。わかってるんで。

OKAMOTO'Sが新しくアルバムを出した。
「KNO WHERE」
このアルバムが良すぎた。良すぎた感想を書きたいのだけど、まずは私とOKAMOTO'Sの出会いを聞いてほしい。


私がOKAMOTO'Sに出会ったのは2015年のオトダマというライブフェスだった。
当時私はまだ20歳そこらで、OKAMOTO'Sは24歳だった。
私はOKAMOTO'Sというバンド名こそ知っていたけれど聞いたことは無かったし、そもそもフェスに行ったのも好きなバンドが1組でるから、というだけで、そのバンド以外のことをほとんど知らないままだった。その好きなバンドが使うステージの前にずっといて、そのうちの1組がOKAMOTO'Sだったのだ。

衝撃だった。

サウンドチェックと題して現れた4人組。
そう、サウンドチェックと題して、彼らは数曲演奏して颯爽と去っていった。

私の知っているサウンドチェックといえば、アーティスト本人が出てくることすらほとんどなく、出てきたとしても本当に自分たちのイヤホンとの兼ね合いとかちょっと確認していなくなる。一瞬でそれをぶっ壊して、彼らは信じられないくらいかっちょいい曲を2曲くらい演奏して「またあとでねー」と出ていった。

衝撃は続く。


いざ出番になった時、4人はマイクをもって、歌いながら出てきたのだ。


「ハアアア?」と笑ったのを覚えている。
今まで見てきたどのバンドも、楽しそうにでてきたとしてもせいぜい踊ってるとか、スキップしてるとか。だいたいのバンドは格好つけてしれっと自分の楽器まで歩いていくじゃないですか。なんかお歌うたってるわ…と思った。

そのテンションから、唐突に彼らは格好いい音楽を奏でるのだ。

私はOKAMOTO'Sの曲を1曲も知らなかったし、メンバーのことも1人も知らなかった。
知らなかったのに、その日一番楽しかった。
本当に楽しくて、おもしろいという意味も少し含んでいるけど、本当に楽しかったのだ。

最近私がOKAMOTO'Sをやたら勧めるからと聞いてくれたフォロワーが「音を楽しむって、OKAMOTO'Sのための言葉みたいだ」と言っていた。本当にそうだと思う。

その後に出てきた本来目当てにしていたバンドの時は心がOKAMOTO'Sに持っていかれてしまって、あまり聞いていなかった。いや聞いてはいたからね。いたけどね。

帰りの電車の中ですぐにOKAMOTO'Sについて調べた。
そこで24歳と知って「ハア?」と言った。年齢と合わなすぎる。若すぎる。びっくりした。どんな人生だったんだろう。彼らはどんな音楽に触れて、どんな教師に出会って、どんな人を愛して生きてきたんだろう、となんとなく思った。

その後、OKAMOTO'Sのワンマンライブに1人で足を運び、また衝撃を受けた。
そこから、私はずっと彼らのファンをしている。
いやほんとね。悪いけど日本で一番格好いいと思ってます。


飽きました?私の話。
ここからが!本番だから!聞いて!ちげえ!読んで!

OKAMOTO'Sが新しいアルバムを出した。
やばいっす。今回のアルバム。

私は新譜を聞くのが苦手で(なんか妙に緊張する)、いつ聞こうかと思っていた。アルバム自体は手元にあった。今回のツアーのグッズが発売になってそれを取りあえず購入した。キリいいな。来週からツアーだしな。っしゃわああああああ

って感じで、相当気合を入れた。あほなんで。

アルバムは手元にあったが、CDを再生するものがなかったので、Apple Musicで全曲ダウンロードして、アルバムから歌詞カードを抜いて、歌詞を目で追いながら聞いた。

両耳にイヤホンをぶっ刺して、ノイズキャンセリング機能をフル活用して。
今は実家にいて部屋がなかったし、すぐ隣で妹はゲームをしていたし。
座椅子を倒して半分横になって。
床にノートを広げて、なんかあったらメモできるようにセッティングをして。


私にとってOKAMOTO'Sというバンドは、私が「凹んでるって言うてるやろ!」と突っ込みたくなるくらい背中を叩いたり蹴ったりして「いいから前に進め」と言ってくれるようなバンドだった。今もそれが大きく変わったわけではないけれど、本当に悪く言えば乱雑に私を励ましてきた。

音ならばなんでもいい。
そんなことはないんだ。

OKAMOTO'Sはそれを体現する。
これでなければいけないのだ。アメリカまで行ったって気に入らなかったらレコーディングをせずに帰ってくる。「アレ」でなければいけないのだ。詰まりに詰まったアルバムだった。

かっこいいんだよ。本当。

本当は全曲語り散らかしたいが、さすがに気味が悪いのでなるだけ軽く、軽く話そうと思う。

個人的に好きな部分は5曲目「Blow Your Mind」から6曲目「Sprite」への移行の仕方、
8曲目「Complication」の頭の緩やかな孤独を感じるようなアコギから突然のエレキ(これ格好良すぎて両手両足宙を舞った)、
9曲目「Coffee Break」の「うん、確かに。」の「、」のショウくん(ボーカル)の呼吸のタメ方、
11曲目「When the Music's Over」の歌詞全部終わってからのハマ(ベース)コウキ(ギター)レイジ(ドラム)、
12曲目「M」のコウキくんのシンセ(あとこの曲は最初と最後違いすぎて別の曲かと思う)、
13曲目「MC5」のレイジ(ドラム)とショウくん(ボーカル)。天才か?いや知ってたけど…、
最後の2曲に「Welcome My Friend」と「For You」を選んだこと。

この辺です(長いやんけ)。


めちゃくちゃOKAMOTO'Sっぽくて、少しだけ今までのOKAMOTO'Sじゃなかったように私は感じた。もちろんいい意味で。全曲漏れなく格好いいことに代わりはなく、ああきっと、この瞬間のこの音はこれでないといけないのだとすべてで思った。本当に格好いい。それでもなんかあれだ。出会ったばかりの頃のOKAMOTO'Sより、とても、とても大人だ。あのときから天才だったけど、枠超えてきた。

たった4歳しか変わらないのに。私はいつも思う。


17曲目「For You」はバラードソングだ。
私は何度聞いても泣いてしまうし、何度歌詞だけ見ても泣いてしまうのに、なんてったって歌詞カードの背景が少しふざけていて、とてもOKAMOTO'Sを感じてしまう。なんでこの曲の背景これなのよ。いいんだけどさ。顔は真剣だもんね、みんな。

OKAMOTO'Sには「マジでしびれる」とか「かっけえ」とかそんな言葉が本当に似合う。頭が悪いからそれしか出てこないというのは否定しないが、そういうことでなくて、音を楽しんで、それに対する妥協が一切ない。一切ないんだというのが聞いていてわかる。だからかっこいい。そういう格好良さをもつバンド。16曲目までそうして穏やかな曲を交えながらも「やっぱOKAMOTO'Sはかっけええええな!!」と心底思っていた。

その総まとめが、「For You」だった。

ただただ涙が止まらなくて、隣にいた妹にばれないように必死で袖で拭いた。いつもは乱暴に私の背を蹴っ飛ばしてくれたのに、今このタイミングで、私の背をゆっくりと撫でてくれる。焦る必要はない、でも、前は向いててね。俺らは、前にいるからさ。なんかそんな感じ。

OKAMOTO'Sが10周年となった時、武道館でライブが行われた。
普段通りふざけた(失礼)MCがほとんどだったけど、ショウくんが言う。


「夢を叶えることは簡単なことじゃない。
でも俺たちは!今!ここに立ってるぞ!」


私はこの言葉を聞いて号泣した。
そして今回のアルバム16曲目「Welcome My Friend」の歌詞。

「夢見がち 言わせとけ
 現実は 人の夢から生まれる
 お前もどうだい?
 俺たちの 夢に乗っかんないかい?」

ついていきますよ、OKAMOTO'Sの皆さん。
2015年のあの日から、私はずっとあなたたちに釘付けなんですから。
雑に背中を蹴っ飛ばしたり、それでも傍で支えてくれたりするOKAMOTO'Sの音楽が私は本当に大好きだ。あの日OKAMOTO'Sに出会えてよかった。本当によかった。

いやもう
今回のアルバムだけでもいいから皆さんどうか、聞いてみてください。
そしたら他のも聞きたくなると思うけど、聞いてみてください。
アルバムは出来れば、その曲の順番通りに。


私は彼らが連れて行ってくれる夢の先を、ずっとずっと楽しみにこれからも生きていたい。


Nothing's miracle,it happens 'cause we believe it
Show must go on I just need you,more than ever.
Welcome My Friend/OKAMOTO'S



散々ニューアルバム語って、タイトルが前の曲なの、めっちゃ私やな。あと全然3曲じゃないし普通にバンド語っててすみません。怒んないで。

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