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新型コロナ治療の有望薬「レムデシビル」とは
新型コロナの有望薬として注目を集めているのが「レムデシビル」という薬です。軽症者に効果があるとして期待されているのはアビガンですが,このレムデシビルは重症者にも効果があるのではないかと期待されています。
今回はそんな期待の薬「レムデシビル」について簡単にまとめてみたいと思います。
レムデシビルとは
レムデシビルは米国の製薬会社ギリアド・サイエンシズ社がエボラ出血熱の治療薬として開発した薬です。中国の現地を視察した世界保健機関(WHO)の担当者が2月24日に,「現時点で本当に治療効果があるとみられる唯一の薬」と発言したことで,一気に注目を集めることになりました。米国立衛生研究所(NIH)も,レムデシビルを用いた世界規模での治験を開始すると発表しています。
レムデシビルはまだ開発中の新薬であるため,ウイルスに対する効果のメカニズムなどについて,詳細は発表されていません。エボラ出血熱に対しては効果的でないことわかっていますが,コロナウイルス系の感染症に対する効果が期待できるとの研究結果があることから,中国などで新型コロナの患者に試験的に投与されてきた実績もあります。
2月1日のReutersの記事によると,ギリアド社は動物実験の結果,SARSやMERSには「有効性が確認された(shown to be active)」と発表しています。新型コロナはSARSやMERSより,インフルエンザに近い特徴があるという報告もあるようですから,この動物実験の結果をもって「良し」と判断するのはまだ早いかもしれません。それでも期待大であることは事実です。
ただ,問題はレムデシビルが承認薬として日本の患者に届くのはいつになるのかということです。NIHの臨床試験の結果が出るまでに1年以上かかるとの報道もありますので,特例扱いをしたとしても,年内に間に合うかどうかというところかもしれません。今後,治験を通して安全性と効果が確認できれば,治療薬として早期承認される期待は高まりますし,特例中の特例として国が判断しさえすれば,重症者に投与されることもあり得るのではないかと思います。
まとめ
今回は,新型コロナ治療薬として現在注目を集めている「レムデシビル」について,簡単にまとめてみました。
アビガンは軽症段階で投与しなければあまり効果的でないといわれていますし,妊婦には使えない等の制約がありますが,レムデシビルは肺炎に進行した段階の患者や重症者にも効果が期待できることから注目を集めています。
これからの研究や治験の進展を見守りましょう。
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飛沫感染・空気感染・エアロゾル感染の違いについては,以前ブログで書いたこちらの記事をご覧ください。
抗インフルエンザウイルス薬「アビガン(ファビピラビル)」についてはこちらの記事をご覧ください。
厚生省が2月25日に発表した「新型コロナ対策基本方針」の内容を簡単にまとめた記事はこちらからどうぞ。
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