バディ・ノーバディ・マイバディ
下水を歩きながら俺は毒づく。先導する少女――ジョンからいい匂いがするからだ。元バディのこいつが死んだのが半年前。女になって帰ってきたのが昨日。
ジョンはフリルの服にスカート。奴を変異させた研究員は通だ。
研究所は真上。ハシゴが見える。
ジョンが振り向く。ドキリとするが顔に出さない。
「調子が悪いな。アル中に潜入任務は無理か」
「お前が生きてると知ってたら飲まなかったよ」
「そうかい」
奴が研究所から脱走するまで俺は飲んだくれていた。ジョンに殴られるまで泥酔していた。目が覚めたのは拳の握り具合、そしてパンチの迫力だ。
ジョンはハシゴを昇る。俺は目を覆う。下着がモロ見えだ。
と、上で爆発。ジョンが落下する。
俺は奴を抱きとめた。軽い。
「一杯おごれよ」俺は吐き捨てながら駆ける。
「助かる。それと追手だ」ジョンはデカい胸元から拳銃を抜き出し、発砲。
ふかふかの太ももを抱え、俺は走る速度を上げる。
【続く】
頂いたサポートは本の購入・取材・他記事サポートに使用します。