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福岡

とにかく疲れていた

朝一の飛行機で到着して、すぐに仕事に取り掛かる。東京に残してきた分があるから、夕方支社によってまた仕事。支社は小さくてすぐに人がいなくなる。ギリギリまで残ってホテルに着いたのは21時を回っていた。今日から3泊4日だ。

しばらく、そんな仕事の仕方をする時期があった。結婚して数年、子供はまだいない。おりゃ!って仕事できるのはどれくらいまでかなー、と思うこともあった。

同じ場所にしばらく滞在する時、ホテルは同じところをとるタイプ。少しでも「いつもの空間」をキープしたかった。上司に教えてもらったそのホテルは、少し駅から遠いけど居心地が良く、福岡の泊まりはいつもそこだった。

サラリーマンが多い。過剰なサービスはない。にこやかにいつも通りの流れでチェックインしてもらい、部屋に入ると、ホテルの案内に混じって小さな紙が。

「いつもありがとうございます、宜しければどうぞ」

と、フロントの朴さんから、冷蔵庫にサービスの飲み物がある旨が書かれていた。

それ以来、訪れるたびに飲み物や入浴剤など、小さなサービスとお手紙が続いた。お疲れ様でした、いつもありがとうございます、その一言が嬉しくて何度かお返事も書いた。でも、時間帯が合わないのか、最後まで朴さんと会うことはなかった。もうプロジェクトが変わって、福岡に行かなくなってからしばらく経っている。

大きなホテルなら当たり前のサービスなのかもしれないけど、ビジネスホテルでの出来事で、いつも疲れていたから本当に嬉しかった。

福岡は、疲労とほっこりが印象の街。

いつかまた、朴さんのお手紙を読みたい。


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